EVキャデラック初の「V」|フル電動のSUV「リリックV」が日本上陸

キャデラック・ブランドにおいて初となるフル電動のSUV「リリックV(LYRIQ-V)」は、Vシリーズが持つ20年以上の歴史に新たな1ページを刻むモデルとなる。ベースとなる「リリック」の高いデザイン性や快適性を継承しつつ、モータースポーツの世界で培ったテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれているからだ。

【画像】歴史あるキャデラックのパフォーマンス・サブブランド”Vシリーズ”初のフル電動SUV「リリックV」(写真8点)

パワートレインは最高レベルのパフォーマンスを誇り、最大トルクは904Nmに達する。ステアリングの専用ボタンからアクセスできるクローズドコース専用の「Velocity Max(ベロシティ・マックス)」モードを使用すれば、0-96km(60マイル)/h加速わずか3.3秒という、キャデラック史上最速クラスの動力性能を発揮する。この強力なパワーにともなう熱を最適にコントロールするため、専用の「Extra Capacity Cooling」システムを採用し、モーターやインバーター、バッテリーの冷却性能を大幅に強化している。また足回りにはCDC(連続可変ダンピング制御)サスペンションシステムや前後スタビライザーの強化が施されており、日常の快適な乗り心地とサーキットでのスポーティな走りを高い次元で両立させた。航続距離は欧州WLTP値で471kmを記録しており、日本のWLTCモード換算では500kmを超える高い実用性を備えているとのこと。

エクステリアは、Vシリーズ専用のフロントフェイシアやサイドロッカーに加え、グロスブラック仕上げの22インチ リバースリムホイールが装備され、スポーティかつ力強い存在感を放つ。ボディカラーはこの「ラディアントレッド ティントコート」を含む、全5色が用意されている。

車内空間はキャデラックのラグジュアリィさと最先端テクノロジーが融合されている。コクピットには33インチの大型ディスプレイを搭載し、専用の表示によって必要な情報を瞬時にドライバーへ伝える。シートにはホールド性と快適性を両立したセミアニリンレザーを採用し、23個のスピーカーで構成されるAKGスタジオオーディオがDolby Atmos対応によって臨場感あふれる3Dサウンドを再現する。さらにGoogle Built-inが搭載されており、新車から8年間無料でデータ通信が利用可能など、コネクティビティの面でも最新の環境が整えられている。

価格は1890万円(税込)。販売は期間限定の受注生産方式となり、オーダー受付期間は2026年3月25日から6月21日まで、デリバリー開始は2027年春頃を予定している。モータースポーツの知見とEVならではの圧倒的なパフォーマンス、そして洗練されたラグジュアリーを融合させた、まさに新時代のキャデラックを象徴する1台である。

発表会には米GMのパフォーマンス&モータースポーツ担当副社長であるジム・キャンベル氏も登壇し、同社のモータースポーツ戦略およびF1参戦の現状について説明を行った。GMのレース活動はAIを活用したモデリングやシミュレーション技術など、レース現場で得た技術的知見を市販車へ移管することや、エンジニア育成の場として位置付けられている。F1への参戦については3年半の準備期間を経て、2025年3月にエントリーが承認された。現在のドライバーラインナップにはセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスの2名を起用し、学習プロセスの短縮を図っている。直近の成績としてメルボルンでの1台が完走、上海での2台完走(13位、15位)が報告された。今週末に開催される鈴鹿でのF1日本グランプリは、キャデラックにとって日本での初走行となる。チームの目標として、難度の高いカテゴリーにおいて継続的な学習と進歩を果たす方針が示された。

ベース車であるリリックのための特別なプログラム

もうひとつ話題となった発表は、期間限定特別リースプログラム「LYRIQフラットプラン」だ。これはキャデラック リリック(「V」を除く)を月々定額9万9220円で3年間利用できるもので、全国のキャデラック正規ディーラーネットワークにて2026年4月1日より開始される。このプログラムの目的はキャデラック リリックの洗練されたドライビング体験を、より多くのユーザーに届けることであり、EV未経験のドライバーにも安心してその先進性と魅力を体感してもらう狙いがある。

本プランは契約満了時に予測される車両の残存価格をあらかじめ設定し、新車の車両本体価格からその残存価格を差し引くことで月々の負担を抑える「残価保証型」のリースプログラムである。特徴として、登録時の自賠責保険や代行費用を含む登録諸費用、さらに3年分の自動車税も含んだシンプルな月額設定が挙げられる。残価清算を行わないクローズドエンド方式のリース契約を採用しているため、3年間の契約満了時には車両を返却するのみで完結し、原則として追加の精算は不要となる。

月々の支払いを均等化できるため、計画的で合理的なコストマネジメントが可能となり、法人や個人事業主はもちろん、個人のユーザーも広く利用できる。また正規ディーラーによる万全のアフターサービス体制が整えられており、法定12カ月点検や「CADILLAC ASSIST 24」など、通常の新車購入時と同じメンテナンスプログラムが無償で適用される。