特徴的なホイールデザインを採用した新型アルファ ロメオ・トナーレ

Stellantisジャパン株式会社は、ミドルサイズSUV「トナーレ」の新型モデルを発売した。今回の刷新では外装デザインの大幅な変更に加え、パワートレインの制御最適化による走行性能の向上、さらには生産工程における品質管理の徹底的な強化が図られている。

【画像】フロントデザインを刷新したアルファ ロメオの新型「トナーレ」と、「ジュリア」限定車「クアドリフォリオ コレッツィオーネ」(写真10点)

エクステリアにおける最大の変更点は、フロントフェイスの造形である。ブランドの象徴である盾形グリル「スクデット」は、2023年に世界33台限定で発表されたハイパーカー「33 Stradale」の意匠を反映し、より立体的で存在感のあるボーダーライン模様のデザインへと生まれ変わった。フロントグリル下部の「トライローブ(三つ葉)」は、水平ラインを強調した新造形とすることで視覚的な安定感を高め、バンパー面積の拡大と端部への角度付けにより、筋肉質な印象を強めている。

また、トナーレとして初採用された「アゾレ(Asole)」と呼ばれる4つの開口部は、1930年代のグランプリカー「P3(Tipo B)」へのオマージュであり、機能面ではエアインテークとしてボンネット内の吸気効率や空力性能の向上に寄与する。車両寸法については、全長を10mm短縮して取り回しを改善する一方、前後トレッドを左右各4mm(計8mm)拡大。これにより、デザインの整合性を保ちつつ、コーナリング時や高速走行時の安定性を物理的に高めている。足元には、Veloceグレードに「33 Stradale」着想の20インチアルミホイール「フォリ」を装着。前後エンブレムはモノクローム仕様、リアの車名バッジはダークカラーに統一され、新世代アルファ ロメオとしてのアイデンティティを明確にしている。

走行性能においては、1.5ℓ直列4気筒DOHCターボエンジンに48V電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。システム最高出力175PSを発揮するこのユニットは、エンジン制御の全面的な見直しにより加速性能が向上した。具体的には、可変バルブタイミングの調整や、より高いギアへのシフトタイミングを早める制御を採用。これにより、0-100km/h加速は従来の8.8秒から8.5秒へと短縮され、立ち上がりの力強さと滑らかな加速の両立を実現している。また、エンジンとモーターの制御バランスを最適化したほか、EV走行からエンジンが始動する際の再始動条件を増加させたことで、ドライバーの入力に対する車両の応答性が高まっている。さらに、停車時や渋滞時を含むエアコン使用時の熱効率向上や、ワイヤレスチャージャー使用時のスマートフォンの過熱防止対策など、実用面での改良も細部にわたる。

Veloceグレードに標準装備される「ALFAアクティブサスペンション」は、電子制御による無段階の減衰力調整を可能にするシステムである。これは車両のDNAドライブモードセレクトと連動し、路面状況や走行スタイルに応じて瞬時にサスペンションの硬さを最適化する。具体的には各ホイールの加速度センサーやステアリング角度、車速などのデータを統合制御ユニットが毎秒1,000回以上の頻度で解析。コーナリング時には外輪側の減衰力を高めてロールを抑制し、加速・減速時には前後方向のピッチングを抑えることで、フラットな車体姿勢を維持する。「Natural」および「Advanced Efficiency」モードでは、路面の凹凸を柔軟にいなすソフトな減衰特性により快適な乗り心地を提供する一方、「Dynamic」モードでは減衰力を高めてステアリングレスポンスを鋭敏にし、スポーツ走行に最適化されたハンドリングを実現する。また、Dynamicモード走行中であっても、センターコンソールのスイッチ操作によりダンパーのみをソフトな設定に切り替える「ソフトダンプ」機能も備え、荒れた路面での追従性とスポーツ性能の両立を図っている。

生産品質の面では、360度スキャンカメラシステム「イーグルアイ」を製造工程に初めて導入。これにより塗装の塗りムラや剥がれを高精度で検知し、パネル間の段差や組付け精度に対しても従来より厳しい基準を適用している。先進運転支援システム(ADAS)についても、雨滴や泥、強い日差しによるセンサーの誤検知を防止する新ソフトウェアを採用した。内装では、従来のブラックに加え、ダッシュボードやドアパネルにレッドステッチを施した「レッドナチュラルレザー」を新たに設定。操作系にはステアリングヒーターとシートヒーターを即座に起動できるショートカットボタンを追加し、直感的なインターフェースを構築している。グレード構成は、ファブリックシートの「Sprint」と、レザーシートや専用20インチホイールを備える上級の「Veloce」の2種。価格は、Sprintが599万円、Veloceが653万円。

魅力あふれる限定車2モデル

またアルファロメオは、高性能スポーツセダン「ジュリア」とSUV「ステルヴィオ」の限定車「クアドリフォリオ コレッツィオーネ」を併せて発表した。このモデルは、1963年の「Giulia Ti Super」発売にちなみ、世界限定わずか63台のみが生産される希少な仕様である。日本市場への割り当てはジュリア11台(左ハンドル7台、右ハンドル4台)、ステルヴィオ2台の計13台。その希少性から抽選販売の形式がとられたが、ジュリアの11台については発表と同時に完売となっている模様。

最大の特徴は、33 Stradaleの専用色「Rosso Villa D'Este」を再構築した特別なボディカラー「コレッツィオーネ レッド」である。ジュリアは黒味の強い深い濃赤色でセダンの精悍さを強調し、ステルヴィオは力強いプロポーションに調和する鮮やかな赤色で塗装される。外装には、カーボンミラーハウジングやカーボン加飾フロントグリル、サイドスカートなどを随所に配し、ジュリアには専用のカーボンルーフを装備することで軽量化と低重心化を図っている。

足回りには、Brembo製ブラックキャリパーに、アルミニウム表面に強固な酸化皮膜を形成するアノダイズド加工(アルマイト加工)を施し、赤いブランドロゴを配置。この加工はレース由来の技術であり、マットな質感と高い放熱性・耐久性を両立させている。さらに、高速域での圧倒的な制動力を確保するためカーボンセラミックブレーキディスクを標準装備した。パワートレインは2.9L V型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力510PS、最大トルク600Nmを誇る。また、電子制御機械式セルフロッキング・ディファレンシャルにより、左右輪への最適なトルク配分を実現している。内装はドアパネルやセンターコンソールに赤いステッチを施し、ヘッドレストには「Collezione」の文字と車両ごとのシリアルナンバーを刺繍。ステアリングホイールはカーボンファイバーとレザーを組み合わせた専用品を採用している。

価格は、GIULIA Quadrifoglio Collezioneが1963万円、STELVIO Quadrifoglio Collezioneが2010万円。