国土交通省海事局は、令和7年度海運モーダルシフト大賞を選定、3月17日に東京・千代田区の海運クラブ ホールにて海運モーダルシフト大賞及び優良事業者の表彰式を開催した

海運モーダルシフト大賞とは

CO2 削減の取組に加え、物流業界におけるトラック輸送の変容に伴うトラックドライバー不足への対応など、海上輸送へのモーダルシフトが果たす社会的役割は年々大きくなっている。

フェリー事業者やRORO船、コンテナ船及び自動車船事業者など23社が参加する「エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会」では、海上貨物輸送を一定水準以上利用してCO2削減に取り組んだ荷主・物流事業者を「エコシップマーク認定事業者」として認定し、「エコシップマーク」の使用を認め、海上輸送モーダルシフトの促進に力を入れている。

さらに、「エコシップマーク認定事業者」の中から、海上輸送へのモーダルシフトに特に貢献したと認められる荷主・物流事業者(優良事業者)及び、「優良事業者」のうち革新的な取組等により貢献度が高かったと認められる荷主・物流事業者を選定。国土交通省、一般社団法人日本長距離フェリー協会、日本内航海運組合総連合会、学識経験者等で構成されるエコシップ・モーダルシフト事業選定委員会が選定を行い、国土交通省海事局長より、前者には「優良事業者表彰」を、後者には「海運モーダルシフト大賞」を授与している。

令和7年度は、24件46社に対して優良事業者表彰を、そのうち2件4社に対して海運モーダルシフト大賞が授与された。

式の冒頭では、主催者を代表して、エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会 座長 下永智規氏より挨拶が行われた。

  • エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会 座長 下永智規氏

    エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会 座長 下永智規氏

「受賞された皆様に心よりお祝い申し上げます。エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会は、モーダルシフトにご理解のある荷主の皆様、物流事業者の皆様に支えられております。エコシップマーク認定制度は、誕生から17年になりました。また海運モーダルシフト大賞は今回で7回目です。今後も認知の向上に向け、情報発信を行ってまいります」と期待を寄せた。

  • 国土交通省海事局次長 河野順氏

    国土交通省海事局次長 河野順氏

続いて、来賓挨拶として、国土交通省海事局次長 河野順氏より挨拶が行われた。

「2030年度までの物流革新の『集中改革期間』における物流効率化等への対応から、国土交通省としては陸海空の新モーダルシフトの推進など総合物流施策大綱の策定を現在進めております。なかでもトラックと比較して、大量輸送に強みを持つ海運モーダルシフトへの期待は非常に高く、さらなる推進のために、国土交通省では大型コンテナやシャーシなど必要な設備導入への支援、また内航フェリーやRORO船等のための次世代高規格のユニットロードターミナルに取り組んでまいります。本日受賞される皆様のような革新的な取り組みを、海運モーダルシフトにかかる優良事例としてぜひ横展開を図っていきたい」とコメントを寄せた。

令和7年度海運モーダルシフト大賞は2件4社が受賞

海上輸送へのモーダルシフトに特に貢献したと認められる荷主・物流事業者(優良事業者)である「優良事業者」は24件42社(うち荷主24社、物流業者22社)、また「優良事業者」のうち革新的な取組等により貢献度が高かったと認められる荷主・物流事業者として2件4社に「海運モーダルシフト大賞」が授与された。

なお、優良事業者は総貨物量(トンキロベース)のうち50%以上を海上輸送した者、また海上輸送の利用により陸上輸送の場合と比べてCO2 排出量を15%以上削減した者が表彰基準となる。

令和7年度の海運モーダルシフト大賞は、荷主・日本製紙クレシア株式会社、物流事業者・株式会社ロジネットジャパン西日本の取り組みと、荷主・株式会社ロッテ、物流事業者・株式会社曙運輸の取り組みが受賞した。

  • 荷主・日本製紙クレシア株式会社、物流事業者・株式会社ロジネットジャパン西日本

    荷主・日本製紙クレシア株式会社、物流事業者・株式会社ロジネットジャパン西日本

荷主・日本製紙クレシア株式会社、物流事業者・株式会社ロジネットジャパン西日本の取り組みでは、「物流の2024年問題」への対応等の観点から、宮城県石巻市から関西地区まで、日本製紙クレシアの「家庭紙」輸送について、パレットの2段積載を可能とした事で、約14.3%の積載効率向上を実現。フェリー(仙台港~名古屋港:太平洋フェリー)を利用した海上輸送を継続的に実施した。

主要輸送品目が軽量な家庭紙である事から、積載効率の最大化を目的として、内寸高さ2,620mmを確保できる40フィート背高コンテナシャーシを採用。通常の国内ウイングシャーシでは4段積みと3段積みの2種類が必要となるパレタイズを、製品高さと車両内寸に基づき「4段積み×2段」の1種類に統一し、積付け手順の標準化と作業負荷の軽減を図ることが可能となった。さらに、1車36パレットの固定ロット化により、出荷計画および在庫管理の安定化を実現した。

  • 荷主・株式会社ロッテ、物流事業者・株式会社曙運輸の取り組み

    荷主・株式会社ロッテ、物流事業者・株式会社曙運輸の取り組み

荷主・株式会社ロッテ、物流事業者・株式会社曙運輸の取り組みでは、「電源使用の無人トラック」を乗船させるスタイルを2007年から確立していること、また有明港~博多港において海上輸送を継続的に活用し、2007年から2024年までは上下それぞれ1日1台の乗船のみだったが、2024年7月からは、1日3台ずつと大幅に乗船台数の増加を図ったことが挙げられた。

また、輸送時に発生するCO2だけでなく、船内電源を活用することで、冷凍機から発生するCO2の削減にも貢献。車両の延命化だけでなく、冷凍機の発電機の稼働時間軽減にも繋がり、SDGsになっている。さらに輸送効率を高めるために低床の10トン車を導入するとともに、シートパレットも採用。庫内を最大限に活用することで、1運行あたりの輸送量を最大化し、製品1つあたりのCO2排出量を最小限になるよう積極的に工夫したことが評価された。

優良事業者は24件46社が受賞

優良事業者は下記の企業が受賞した。

  • サンヨー食品販売株式会社(インスタント食品)
  • 株式会社蒼天(ミネラルウォーター)
  • 株式会社ファーマインド(青果物)/物流事業者:全日本ライン株式会社札幌支店
  • 興人フィルム &ケミカルズ株式会社八代工場(フィルム)/物流事業者:有限会社八代運送
  • ダイキン工業株式会社 滋賀製作所(空調機器 パッケージエアコン)/物流事業者:トランコム株式会社物流情報サービスグループ 大阪エリア大阪情報センター
  • 株式会社ラオフインターナショナル(繊維くず)/物流事業者:宮崎幸和運輸有限会社
  • 東洋冷蔵株式会社 経営企画部(冷凍魚 主にカツオ)/物流事業者:東洋冷蔵フード&ロジスティクス株式会社ロジスティクス事業部営業課
  • 丸全昭和運輸株式会社 関西支店 レゾナック龍野出張所(業務用ボンド 化学製品)/物流事業者:株式会社マテリアルデポット
  • フジクラ物流株式会社 九州支店(電線ケーブル)/物流事業者:九州バイパス運輸株式会社
  • 株式会社協和(卵)/物流事業者:豊後通運株式会社
  • JPロジスティクス株式会社(一般雑貨)/物流事業者:JPロジスティクス株式会社
  • 森永乳業株式会社 西日本市乳センター(乳製品)/物流事業者:阪神トランスポート株式会社
  • 菅公学生服株式会社 都城ロジセンター(学生服)/物流事業者:株式会社新生運輸
  • 日本冶金工業株式会社 川崎製造所(ステンレス)/物流事業者:株式会社サンキュウ・トランスポート・東京
  • 株式会社梅里物流サービス九州営業所(一般雑貨)/物流事業者:株式会社梅里物流サービス 九州営業所
  • アルマティス株式会社(アルミナ)/物流事業者:佐川急便株式会社 岩国営業所
  • 株式会社KOKUSAIELECTRIC 富山事業所(半導体製造装置)/物流事業者:ロジスティード中部株式会社八尾営業所 株式会社新陸運輸
  • ヤクルトロジスティクス株式会社(乳製品)/物流事業者:幸運トラック株式会社
  • MEC Industry株式会社(建築用木材)/物流事業者:鈴与株式会社 運輸事業部
  • チタン工業株式会社(酸化鉄)/物流事業者:鈴与株式会社 運輸事業部
  • 島村楽器株式会社(楽器)/物流事業者:ホットラインミュージック株式会社 三菱商事ロジスティクス株式会社
  • カゴメ株式会社(飲料)/物流事業者:F-LINE株式会社 常温本部 栃木県北通運株式会社