
ビクターエンタテインメントが送る、”POP”の可能性を拡張するライブイベント・VICTERA。その3回目となる公演「VICTERA EXA」が2026年2月28日(土)、Zepp Shinjukuにて開催された。今回の出演アクトは、長谷川白紙、PAS TASTA、Peterparker69、six impalaという強力な4組。なかでもsix impalaは、日本では初のリアル出演だ。開場前からVICTERAの限定マーチを買い求める列がどんどん伸びていき、フロアには次々と観客が集まっていく。チケットは完売。押しつぶされそうな熱気の中、いよいよ次世代のPOPを占う祭典が幕を開けた。
Peterparker69
一組目はPeterparker69。軽やかなステップでJeterがステージに現れると、エレクトロニックなビートに乗って観客が一斉に跳ね始める。「music」からスタートしたパフォーマンスで、フロアの笑顔も弾け飛ぶ。「loloi」から「loloi - Aamourocean Remix」へとダンサブルに変貌していくビートが、会場の熱を一気に引き上げていく。「今日、俺は楽しみに来たから。皆も楽しもう!」と話すJeterは、いつも以上にくだけた表情。「fallpoi」や「cu」、「Monkey See」といった人気曲が続き、終盤の「Hey phone」「@location」ではバックにMVが流れる中、軽快なラップを畳みかける。MCではファンとの親密なやり取りも見せ、スター性あふれるライブに熱気は高まるばかりだ。
Photo by 寺﨑知喜
長谷川白紙
次に現れたのは長谷川白紙。凄まじい爆音の電子音が降り注ぐと、観客の身体が自然と揺れ始める。不規則なトラックに呼応するように、それぞれがそれぞれのノリで身体を揺らす中、長谷川白紙もステージをぐるぐると歩きながら歌う。同じ音楽を共有しながら、各々が自由に楽しんでいる光景が実に面白い。暗闇の中で点滅するライトに照らされながらコミカルに動き回る姿は、どこかマスコットのようでもある。未発表曲も披露される中、ハイライトとなった「口の花火」では、鍵盤を弾きながらのアレンジで魅せた。その後も、Zepp Shinjukuの空間そのものがねじ曲がるのではと思うほどの音圧が場を包み込む。いたずらのようなサウンドで観客を混乱させながらも笑顔にしてしまう、唯一無二の不思議なバイブスが生まれていた。
Photo by 寺﨑知喜
six impala
さて、いよいよsix impalaの出番だ。ソロアーティストたちが集まり、オンラインで楽曲制作を進めてきたハイパーポップの先駆的グループ。メンバーのうちSCRIPTはあいにく来日が叶わなかったが、K//////ATT、underscores名義でも知られるMilkfish、Helvetican、そしてNEUTRAがステージに現れる。自作のボーカルシンセキャラクター・NEUTRAは、モニターに映し出される形で登場した。バキバキのエレクトロサウンドに乗ってK//////ATTがノイジーなギターを鳴らし、まずはヘヴィなロックサウンドで攻めるsix impala。観客の身体が徐々に揺れ始めると、次はダンサブルなDJタイムへ。途中、「Tokyo Drift」のフレーズまで飛び出し、フロアは大盛り上がりだ。海外のインターネット発ハイパーポップという、日本に影響を受けて生まれた音楽が、日本に戻ってきて東京を象徴する曲を鳴らすという逆輸入のジェスチャーに胸が熱くなる。ジャパンカルチャーに造詣の深いsix impalaならではのプレイだ。
Photo by 寺﨑知喜
PAS TASTA
熱狂的なパフォーマンスで観客の心を一気に掴んだsix impalaに続き、彼らからの影響を公言するPAS TASTAが登場する。「six impalaがいなかったらPAS TASTAは生まれていなかったかもしれない」と本人たちが語るように、このリレーには大きな意味がある。まずは「GRAND POP!!!!!!」「BULLDOZER+」をはじめ、バンド形態でライブは華々しくスタート。中央でボーカルを務めるウ山あまねを中心に、6人がポジションを固めるフォーメーションが実にかっこいい。次々とヘンテコな音が飛び出すが、その一つひとつがポップなのもさすがだ。ライブ中盤では「byun G」や「B.B.M.」でDJ形態にトランスフォーム。hirihiriのプレイに、観客が歓声を上げる。さらに初披露された新曲では、なんとKabanaguが歌声を聴かせた。ファンも驚きの様子で、これもまたPAS TASTAらしいポップソングに心が躍る。続く「ピュア」ではphritzがバイオリンを奏で、グループの多彩な面を見せつけた。全編を通して、tsuchifumazuによるVJも音楽のポップネスを増幅させており、相乗効果を生んでいたと思う。
Photo by 寺﨑知喜
夢の共演が実現
そしてイベントはフィナーレへ。ここで、six impalaとPAS TASTAによる夢の共演が実現する。「peanut phenomenon」にK//////ATTがジョインしたのだ。ギターを鳴らしながら歌うK//////ATTはとても楽しそうで、予想外の展開にフロア前線はもみくちゃに。最後はunderscoresの「Spoiled little brat」をPAS TASTAがカバーし、Milkfishことunderscoresもステージに登場。サウンドのテクスチャは尖っているが、この曲もやはりポップ。最高のサプライズに、会場全体がお祭りムードに包まれ、ライブはフィニッシュを迎えた。
six impalaとPAS TASTAの共演は、国境を越えて影響を与え合う両者がコラボレーションするという、まさに夢のような時間だった。こうしたサプライズが実現したのも、「VICTERA」の思想が演者に共感され、そこから両者の共鳴が生まれた証だろう。こうした文脈を生み出せたこと自体が、このイベントの成功を物語っている。”POP”の可能性を拡張するというコンセプトを掲げた「VICTERA EXA」は、その役割を十分に果たしたのではないだろうか。三回目を充実した形で終えたこのイベントが、今後どのような進化を遂げていくのか楽しみだ。次世代の”POP”を占う最前線は、間違いなくここにある──そんな確信を得た、素晴らしい一夜だった。
※six impalaの来日独占インタビューが実現、Rolling Stone Japanで近日公開予定
2026.02.28 @新宿Zepp Shinjuku
『VICTERA EXA』 @victera_info
VJ: tsuchifumazu @tsuchifumazu412
PAS TASTA with underscores
Spoiled little brat
PAS TASTA with KATT
peanut phenomenon ft.ピーナッツくん
six impala remix
WE LOVE SIX IMPALA @siximpalasix pic.twitter.com/CUdPWV1YET — PAS TASTA (@pas_tasta) February 28, 2026



