マイナビはこのほど、「アルバイト従業員へのカスタマーハラスメント実態調査(2026年版)」の結果を発表した。調査は2025年12月5日~12月10日、直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業含む)1,500名を対象にインターネットで行われた。

「アルバイト従業員がカスハラを受けた」企業41.9%

企業のアルバイト採用担当者に、「直近1年以内に、自社のアルバイト従業員が顧客からハラスメント疑惑のある被害を受けたか」を聞くと、41.9%が「何らかの被害があった」と回答した。被害の認知は4割を超える水準であるが、前年(45.7%)からは3.8pt減少している。

業種別では「販売・接客(パチンコ・カラオケ等)(73.0%)」が最も高く、次いで「販売・接客(コンビニ・スーパー)(64.0%)」となり、前年と同一の順位だったものの、全体傾向と同様に、販売・接客業や飲食業では前年から減少している。

  • アルバイト勤務者の直近1年以内カスタマーハラスメント被害

    アルバイト勤務者の直近1年以内カスタマーハラスメント被害

個人に向けたセクハラ被害が増加

カスタマーハラスメント被害があった企業の具体的な内容では、「大きな怒鳴り声を上げられた」が34.2%(前年比2.1pt減)で2年連続最多だった。また、「理不尽な要望を繰り返し問い合わせられた」は26.0%(前年比6.1pt減)、「SNSに悪い口コミを書くなどブランドイメージを下げるような脅しをされた」は19.2%(前年比4.1pt減)で、発生率は依然として高いものの、いずれも前年から減少する結果となった。

一方で「性的な冗談など、顧客からのセクハラ被害があった(前年比2.5pt増)」や「人格の否定・侮辱的発言をされた(前年比2.4pt増)」は前年から増加した。業務に関連した理不尽な要求などのカスタマーハラスメントは減少傾向が見られるものの、性的発言や人格否定など、個人に向けられるハラスメントは増加しており、発生を未然に防ぐための啓発活動や対応施策について、引き続き検討が必要だと考えられる。

  • 直近1年間にアルバイトが顧客から受けた被害

    直近1年間にアルバイトが顧客から受けた被害

カスハラ対策を「行っている」企業は65.4%

カスタマーハラスメントの防止や対策に向けた取り組みを行っている企業は65.4%となり、前年(63.3%)から2.1pt微増した。一方で、「行っていない」割合は34.6%と依然として3割を超える。

実施されている取り組みでは「会社としてカスタマーハラスメントに関する基本方針を策定する」および「再発防止のために事例を社内で共有する」が同率25.3%で最も高く、「正社員に対し、カスタマーハラスメント対応の研修を行う」といった施策が続いた。

また、効果を感じた取り組みでは「再発防止のために事例を社内で共有する」が9.6%で最も高く、「正社員に対し、カスタマーハラスメント対応の研修を行う(7.9%)」が続いた。

さらに、「アルバイトとの面談でハラスメント発生状況を把握する(7.5%)」は、実施割合は方針策定などと比べると高くないものの、効果を実感している割合が高く、被害の発生状況を早期に把握し、深刻化を防ぐ上で有効な取り組みである可能性がうかがえる。

  • カスタマーハラスメントの防止や対策の取り組み有無

    カスタマーハラスメントの防止や対策の取り組み有無

  • カスタマーハラスメントの防止や対策のために行っている取り組み

    カスタマーハラスメントの防止や対策のために行っている取り組み

早期離職やメンタル不調による休職・退職

アルバイト従業員の1カ月以内の早期離職の有無をみると、カスタマーハラスメント被害があった企業では「早期離職があった」割合が36.7%となり、被害がなかった企業と比べて17.9pt高い結果となった。

さらに、「メンタル不調による休職・退職があった」割合についても、カスタマーハラスメント被害があった企業では48.8%と、被害がなかった企業を36.2pt上回っている。

カスタマーハラスメントの発生はアルバイト従業員の心理的負担を高め、早期離職や休職・退職といった形で定着や就業継続を阻んでいる可能性が示唆される。

  • <カスタマーハラスメント被害有無別>アルバイトの早期離職とメンタル不調による休職・退職

    <カスタマーハラスメント被害有無別>アルバイトの早期離職とメンタル不調による休職・退職