人の自慢話を聞いて、「すごいとは思うけれど、正直、聞いているだけで疲れる……」と感じたことはありませんか。今回は、そんなときの上手な対応法をご紹介します。※サムネイル画像:amanaimages

人の自慢話を聞いて、「すごいとは思うけれど、正直、聞いているだけで疲れる……」と感じたことはありませんか。

1億円という大きな資産を築いた人に対しても、「きっと華やかな経歴や成功体験を語るのだろう」と、つい先入観を持ってしまいがちです。しかし、以前営業でお会いした、ある会社経営者の方は、そうしたイメージとは違っていました。

その方との何気ない雑談から見えてきたのは、豊かな人が自然と身につけている、人の話との向き合い方でした。

◆自慢話は、「いったん休憩」の合図

ある日、会社を経営されている方のお宅を訪問し、「人と接する中で、どんな場面が大変か」という話題になったことがありました。

そのとき私は、「自慢話が長引くと、ちょっと疲れてしまうことがあって……」と、つい本音をこぼしてしまいました。すると、その方はうなずきながら、こんなふうに話してくれました。

「そういうときは、真面目に聞かなくていいんだよ。自分の中で“今は一休みモード”って決めて、のんびり聞いていればいいの」

この一言は、とても印象に残りました。相手が気分よく話しているからといって、こちらも全力で向き合わなければいけないわけではない。だからといって、露骨に話を遮ったり、無愛想に振る舞ったりする必要もない。

相手には気持ちよく話してもらいながら、自分は肩の力を抜いて聞き流す。そのちょうどよい距離感が、多くの人と接する場面でも疲れ過ぎずに対応できる、ちょっとしたコツなのだと感じました。

◆「失敗」と「立ち直り」の過程にこそ意味がある

一方で、その経営者の方は、失敗というものに対して2つのすてきなとらえ方を話してくれました。

◇他人の失敗談を聞くとき

「もしその人が失敗した話をしてくれるなら、それはぜひ聞きたくなる。どんな失敗をして、どうやって立ち直ったのか。その過程には、その人らしさや実際に役立つ知恵が詰まっているから面白い。聞いていて、ついつい引き込まれてしまうんだ」

その方は、失敗をただの笑い話で終わらせません。見落としや勘違い、ときには慢心や思慮の浅さなど、原因はさまざまですが、そこから得た「気付き」こそが、何にも代えがたい価値のあるものだといいます。

◇自分が失敗談を語るとき

「私も失敗談を語ることがあるけれど、『それ、分かる!』って共感してもらえることも多いし、決して悪いものじゃない。意外と場が盛り上がって、話している自分までうれしくなってしまうんだよね」その言葉どおり、その方の表情はとても柔らかでした。

1億円という資産を築くような方でも、最初から全てが順調だったわけではありません。むしろ、自分の失敗を隠さずに受け止め、それを大らかに語れる姿勢があるからこそ、周囲に人が集まり、自然と道が開けていくのかもしれません。

失敗は、次の一歩を踏み出すための一段階に過ぎない。そう考えると、今抱えている不安も少しだけ軽くなって、前を向く勇気が湧いてくる気がします。

◆1億円を築く人の「聞き方」に共通するもの

このエピソードから見えてくるのは、資産を築く人ほど「自分の気力をどこに使うか」を意識しているという点です。

自慢話に対しては、「今は受け流そう」と気持ちを切り替え、無理に付き合わない。

一方で失敗談に対しては、「何か学べるかもしれない」と耳を傾け、自分の経験として受け取る。

こうした聞き分けができるからこそ、人間関係で消耗し過ぎることなく、必要な学びだけを積み重ねていけるのでしょう。

もし誰かの自慢話に少し疲れたときは、無理せず距離を置いてみてください。そして、誰かが失敗について話してくれたなら、そこには何か役立つヒントが隠れているかもしれません。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)