
『Octane』関係者による愛車レポート。今回は、『Octane』オランダ版編集長のトンが、自身4台目となるお気に入りのアルファロメオ・ジュリア(1977年)について紹介する。
【画像】『Octane』オランダ版編集長がノックアウトされた深紫色のアルファロメオ・ジュリア(写真4点)
『Octane』オランダ版の編集長として、私は筋金入りの連続車購入者である。試したい車が次々と現れるので、一台を長く所有することはない。アルファロメオ・ジュリアには3台(すべて2.0リッターのセダン)も乗ったので、もう十分だと思い込んでいた。しかしある日のこと、エルストにあるスペシャリストのバロッコ・クラシックス社で、運命的なチャンスに遭遇した。
それは、誰もが望むような、すべてを兼ね備えたジュリアだった。ボディカラーはファッジオ(Faggio)で、秋のブナの葉を思わせる深みのある色合いだ。そして、バックデートして初期型に戻されていた。元は1977年ヌォーヴァ1300で、フラットなトランクリッドとプラスチック製グリルを装備していた。私が個人的に好感をもつ初期型モデルに似せて、リビルドされていた。最初のオランダ人オーナーが19年間所有した後、別の愛好家の手に渡った。その人物は、アルファホリックスでパーツを購入し、完全な”宝石”に仕立て上げた車両だ。決して安くはなかったが、厳選されたモディファイの内容を考えると、むしろお買い得だった。
私はつい最近、フォード・ファルコン・スプリントを売却し、BMW Z4 Mクーペを買ったばかりなのだ。M3と比べると過小評価されがちだが、素晴らしい車で、まだ手放す気にはなれなかった。ただ、この「30-YA-98」のようなアルファには、人生で二度と巡り会えるものではない。
まずはエンジンから始めよう。見た目はほぼノーマル然としているが、スカリーノ・クラシック・ガレージのヴィンセントとヨスリによって完全にリビルドされ、RS160の刻印が与えられている。これはチューニングのレベルと想定出力を示している。しかし、彼らビルダーたちは、少々控えめに表現していたようだ。ダイナモメーターの出力データには、4000rpmで168.8bhp、216Nm(159lb ft)と示されていた。
エンジンには、1.2.3イグニッションシステムと、アルファホリックス製ステンレススチールのエグゾーストが組み込まれている。また、リミテッドスリップデフと、よりロングな10:41のファイナルドライブレシオを採用している。そのため、ジュリア1300や1600と比べ、およそ1000rpm低い回転数でかなりの速度での巡航が可能だ。この速度域では、実に豊潤で響き渡るサウンドを奏でる。真のキャブレター付きアルファにふさわしい音色でありながら、快適に会話することも十分に可能だ。
アルミ製ラジエーター、軽量バッテリー、新しいステアリングラック、GTA-R用ペダルボックスとブレーキは、どれもアルファホリックス製だ。後者のブレーキは、しっかりとしたペダル踏力を要するが、微調整が容易なためロックさせずに強力な制動が可能だ。また、アルファホリックス製の7×15インチGTAアルミホイールを装着し、ファストロード用サスペンションキットによりわずかにローダウンされている。軽量のスプリングプレートや各種サスペンションのモディファイに加え、改良型のステアリングラックを装備する。これらすべてが、アルファホリックスによるものだ。シャシーにはオランダ製のパーツが起用され、フロントにはイエロー、リアにはレッドのKONIショックアブソーバーが装着されている。
購入して以来、楽しい旅をいくつも経験してきた。パリ横断レースのフランスや、グッドウッド・リバイバルの遠征もそのひとつだ。重大なトラブルは発生していない。徐々に大きな異音を発するようになったスピードメーターを除けばだが…。幸いにも、それはスカリーノで修理してもらえた。さらに、摩耗したプロペラシャフトを新しく重めのものに交換したことで、制動時の振動も解消された。
このジュリアは、私が所有してきた4台の中で、間違いなく最高の一台だ。我が家には2台分の駐車スペースしかないので、セダンとロードスターの両方を所有したい私の、もう一台のクラシックカーはMGBだ。そのレストアはほぼ完了していて、V8エンジンの搭載も含まれている…。詳細は次回に報告しよう。
文:Ton Roks