2026年2月25日、マイナビによる「企業版ふるさと納税」の寄附金受納式が甲府市役所で行われた。マイナビと甲府市は業務提携関係にあり、今回の寄附金は、市立小中学校の屋内運動場に空調設備(エアコン)を整備するための費用に充てられる。
日本有数の暑さを記録する甲府市にとって、夏場の教育環境改善は喫緊の課題。体育館は災害時の避難所としての役割も担う。猛暑と災害リスクという二重の課題に対応する意味でも、今回の寄附は大きな意義を持つ。
マイナビが甲府市に「企業版ふるさと納税」でエアコンを寄附!
受納式ではマイナビ執行役員の曽我則幸氏が寄附の背景を説明した。両者は2023年6月、「甲府ジュエリーの認知度向上及び地域活力の増進に関する協定」を締結。観光振興や地域経済の活性化に取り組んできた経緯がある。
「甲府市が持つ歴史や文化、産業の価値を次世代へつなげていく取り組みは、地域とともに未来を作っていくという我々の思いと一致しています」と曽我氏。さらに「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる」というマイナビのパーパスに触れつつ、「若い世代が安心して学び、活躍できる社会づくりの一助となれればと思っています」と語った。
甲府市では令和8年度以降、小中学校の屋内運動施設への空調整備の整備を進める方針だという。児童生徒の熱中症対策とともに、災害時の避難所機能強化も目的のひとつだ。蘇我氏は「今回の寄附が子どもたちの安全と健康を守り、学びや地域活動の場をより良いものにできれば」と期待をにじませた。
これを受け、甲府市の樋口雄一市長は「企業版ふるさと納税として本市の教育環境充実にご寄附を賜り、深く感謝申し上げます」と謝意を表す。
そのうえで樋口市長は昨夏を振り返り、「昨年の夏は猛暑日が1か月以上も続きました。全国では想定外の地震や豪雨も頻発しています」と指摘。「いち早く子どもたちの学習環境、そして避難所環境を整備したいと考えています」と語り、「すべての市民が子どもたちを育てていこうという中で、マイナビや民間の皆様にご賛同いただけることは本当にありがたく思っています」と述べた。
式後の懇談では、ジュエリーを軸としたこれまでの連携や、今後の展望についても意見が交わされた。市長は直前に訪れていたタイ・バンコクでのジュエリーフェア出張に触れ、「東南アジアの活力はすごい。協定を機に出展数も増え、有意義な出張になりました」と報告。マイナビ側も「今後、さらに一緒に取り組めることを考えて行きたいと思います」と応じた。
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高校生を対象としたジュエリーのデザインコンテスト「甲府ジュエリー甲子園」で最優秀賞デザインを受賞したワイングラスデザインのピンバッジ。この日、市役所を訪問したマイナビ役員らも着用の上で市長との会談に臨んだ)
さらに話題は、マイナビ主催の高校生ビジネスコンテスト「キャリア甲子園」にも及んだ。自治体として初めて甲府市にテーマ提供を打診していることが明かされ、市長も次年度以降の参加に前向きな姿勢を示した。
ジュエリー振興から教育支援へ。マイナビと甲府市のパートナーシップは、着実に広がりを見せている。
今回の寄附は社会的責任(CSR)の文脈にとどまらない戦略的意義も持つ。市の広報誌やホームページでの周知などに加え、整備後の空調設備には企業版ふるさと納税による寄附であることを示す銘板が設置される予定だ。若年層やその保護者への認知拡大、防災訓練などを通じた市民への周知なども見込まれる。
企業版ふるさと納税制度は、企業が地方創生事業に寄附した場合に税制上の優遇を受けられる仕組みで、公共性の高い教育・防災分野への支援は、マイナビのサステナビリティ方針とも合致する。
受納式の締めくくりに、樋口市長は「明日からの議会で議案として提出させていただきます。前向きな議論が喚起されると思います。ジュエリーについても、おかげさまでジュエリー協会や商工会議所とともに新規事業にも取り組んでいきたいと思っているので、またご指導いただけたらありがたく思います」と語った。
教育と防災という地域の根幹を支える分野で、官民が手を携える。今回マイナビが行った次世代への投資は、地方創生の新たなモデルを示す一歩となった。甲府から発信されたこの取り組みは、他自治体にとっても示唆に富む事例となりそうだ。







