
現役時代に高収入だった人は、その分受け取れる年金額も多くなるため、「老後は年金で何とかなる」と考えてしまうことがあります。
とはいえ、現役時代と老後では生活の前提が大きく異なります。年金を過信して現役時代と同じ生活を続けていると、家計が苦しくなる可能性もあります。
年金が多くもらえるからこそ、物価上昇も考慮しながら慎重に使い方を考える必要があるのです。
◆年金生活と現役時代の生活は違う
「年金があるから大丈夫」と考えること自体は間違いではありません。問題は、年金だけで現役時代と同じ生活を続けられると思い込んでしまうことです。
年金を多く受け取れる人は、現役時代に高収入を得ていた人が多いでしょう。そして高収入の人ほど交友関係が広く、出費も多い傾向があります。
現役時代であれば、交際費や趣味にかけるお金も給与収入で賄えたかもしれません。しかし年金生活では、同じ支出を続けることは難しくなります。
老後に何にいくら必要なのかを知り、本当に使うべき支出なのかを見直していくことが大切です。
退職した途端に生活を大きく変えるのは簡単ではありません。だからこそ現役時代のうちから、年金生活を意識した暮らしを少しずつ取り入れておくとよいでしょう。
そうすることで、無理なく年金生活へ移行でき、精神的な負担も軽くなります。
◆物価が上がっても年金は大きく増えない
公的年金は物価が上昇すると支給額も調整されます。ただし、物価上昇と同じ割合で年金額が増えるわけではありません。
「年金があるから大丈夫」と過信していると、しっかり受け取っているつもりでも生活が苦しくなり、最悪の場合、老後破産に陥ることもあり得ます。物価高が続く場合には、節約など支出の見直しが必要になります。
今の自分たちにとって必要なお金は何かを改めて考え、何に使うべきかを整理していきましょう。
そのためにはライフプランを明確にし、家族で今後の生活について話し合いながら、予算内で暮らすことを実践することが大切です。
特に交友関係が広い人の場合、おつきあいにかかるコストだけでも高額になります。年金生活でも必要な交流なのかを見直し、お金のかからない形で続けられないか考えてみるのもよいでしょう。
◆元銀行員として伝えたいこと
年金は、老後を支える大切な収入です。
しかし、「あるから安心」と思い込むのではなく、「限られた収入の中でどう守っていくか」という視点を持つことが、老後破産を防ぐ第一歩になりますよ。
文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
文=飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)