
三代目 J SOUL BROTHERSのØMIが、千葉・幕張メッセでライブイベント『ØMI LIVE 2026 ~INFINITY MOON~』を開催。満ちては欠け、欠けては光を取り戻す──月の循環は、ØMIの歩みそのものでもある。過去・現在・未来を”連なり”として提示する3日間のショー。Rolling Stone Japanでは各日を「深掘りレポート」として切り分け、ØMIが何を更新し、何を手放さずにきたのかを追っていく。
2月1日(日)、同イベントの最終日となる『FINAL NIGHT~THE FUSION~』の謳い文句は『"現在"のØMIが築き上げるエンタテインメントを披露するステージ』。異色のアーティストが融合することで、新たなエンタテインメントを創造してきた『THE FUSION』を、いよいよライブステージへと昇華させた。数々のアーティストやMATEと化学反応を起こすだけに飽き足らず、これまでの軌跡を巧みに回収して魅せたのだ。
【写真】ØMI『FINAL NIGHT~THE FUSION~』
『FULL MOON』『ANSWER...』と連なるオープニング映像から、この日もスタート。赤い空のようなスクリーンに雷が這い、真紅のファーコートをまとったØMIが姿を現した。EP『THE FUSION』のタイトルソングである「THE FUSION」を投下し、いきなりフルスロットルで踏み込んでいく。圧倒的な覇気で《超越していく Borderline/混ざり合う Paradigms》と伸びやかに宣言する様は、ここから始まっていく物語のテーマをまざまざと明示しているよう。勢いのままに、葛藤の先でMATEの信頼関係を築いたØMIが、未来に残し続ける思いの丈を表した「Purple Pill feat. SKY-HI」へ。艶っぽい歌声に覚悟を滲ませ、誇らしげに狼煙を上げた。
すると、合図を待っていたかのように、「XXX feat. AK-69 & HIROOMI TOSAKA/SWAY」でSWAYが登場。期待が確信へと変わった瞬間、MATEの熱量も自然と加速していった。「LUXE/HIROOMI TOSAKA feat. CRAZYBOY」ではCBと共に、雄々しい攻撃力で魅せ、「CHAIN BREAKER」ではさらにPSYCHIC FEVERも交えてコール&レスポンスで大盛り上がり。印象的だったのは、楽曲やコラボレーション相手によって、ØMIが器用にバランスを取っていたことだ。声色や質感はもちろん、グルーヴに至るまで、常に相方との最適解を叩きだし続けるのは、並大抵のスキルではない。三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーとして、ソロアーティストのØMIとして、磨き上げてきたセンスが遺憾なく発揮されていた。
このままコラボ祭が繰り広げられていくのかと思いきや、なんとPSYCHIC FEVERのターンに突入。オープニングライブ担当として、『ANSWER...』ツアーに帯同していた彼らが、ついにステージを任されることになった事実には、胸が熱くならざるを得ない。「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」と「Whats Happenin」で堂々としたステージを展開し、しっかりと場の温度を守り抜いていた。
PSYCHIC FEVERがステージから去ると、音楽のバトンは再びØMIへ。デニムに革ジャンというラフスタイルに着替えた彼は、声高らかに「Afrojackと一緒に!」と叫び、Afrojackのクリエイティブである「PLAY THAT」「HEY」「DIAMOND SUNSET」を続けざまにドロップ。フロアが揺れ、タオルやフラッグがクルクルと天を仰いだり、会場一体となる掛け合いが生み出されたりといった光景は、まさにØMIとMATEによるフュージョンと呼ぶにふさわしい。さらには、あえて『FIRST NIGHT~FULL MOON~』と『SECOND NIGHT~ANSWER...~』で使った映像を用いることで、過去からの時間軸が今に繋がっていることさえも映し出してみせた。「BEPPING SOUND feat. HONEST BOYZ」では、曲が封切られるやいなやHONEST BOYZが「ファイナル! 調子はどうですか!」と焚きつける一幕も。兄貴ふたりに挟まれたØMIの顔つきはどこかあどけなく、楽しみながらパフォーマンスしていることが伝わってきた。
それぞれのコラボレーションに想いを馳せるVTRを挟み、いよいよライブは後半戦。赤いレザージャケットに衣装チェンジしたØMIは、「Feel Gold feat. 山下智久」を先導し、ストーリーテリングに歌い踊っていく。クライマックスを直前に控え、ファンや応援してくれるすべての人に向けたメッセージソングである「You(Prod. SUGA from BTS)」、ファンと曲を縮めるために作った「Just the way you are」と相次いで披露しているのも、特筆すべき点のひとつだろう。現在のØMIを落としこんだ『THE FUSION』においても、彼は今一度「目の前のあなたが大切なんだ」と手渡すことを選んだのだ。さらには、《lets make love》と繰り返される「One Last Time」へ繋げるなんて、どれほどロマンチックなことか。しかも、この日は『FIRST NIGHT~FULL MOON~』では不在だったBENIも駆けつけたのである。一連の流れは曲中に描かれているふたりが、時を越えて再会できたと謳っているかのようだ。併せて、再び巡り逢えたふたりは、短くない時間を越えて『FULL MOON』を迎えたØMIとMATEにも重なる。彼は感謝のみならず、「人生が交わればまた会える」という希望も形にしたかったのではないだろうか。
ついに『THE FUSION』もフィナーレへ。ピアノの伴奏に誘われ、暗闇の奥から三浦大知が姿を見せる。「To be feat. 三浦大知」の冒頭をアカペラで優しく歌い上げ、一瞬にしてガラッと空気を変えた。胸をノックしながら《希望はココにある》と紡ぐ表情も穏やかで、音に身を委ねていると俗世から浄化されるような感覚になっていく。その波動を引き継いだØMIも、深く豊かに、言葉を編みあげる。視線を交わらせながら声を重ねるふたりの佇まいは、強い結びつきを感じさせた。すでに”最高”と呼ぶしかない時間が作り上げられているにも関わらず、高揚感はまだまだ更新されていく。なにせ大トリを飾ったのは、TAKAHIROとの「THE RED RAIN」だ。興奮を抑えるほうがよほど難しい。ステージ下のポップアップからTAKAHIROが現れると、すかさずオーディエンスは大熱狂。約4ヶ月ぶりとなる”雨宮兄弟”の君臨に、『THE FUSION』は紛れもないハイライトを迎える。表現に宿る圧倒的な説得力は、音楽シーンの荒波を生き抜いてきた彼らだからこそだろう。最後にはふたりが抱き寄せ合い、眩い光のなかで本編の幕を下ろした。
アンコールでは、「僕のメッセージソングとして届けたいと思います」と宣言し、「HEART of GOLD」を投入。『FIRST NIGHT~FULL MOON~』と『SECOND NIGHT~ANSWER...~』で大トリを飾ってきたナンバーを導き、目の前にいる一人ひとりに向かって言葉を送っていく。そして、『THE FUSION』のエンディング曲であり、2026年現在の心境を歌った「LASTING FOREVER」へ。吸い込まれるように聴き入るMATEの様子は、しっかりと重心の乗ったØMIの歌声を受け取ろうとしているよう。《君がいてくれるならForever/もう夜が明けるよ》と刻み、《痛くないこんなくらい》と自らを鼓舞する先の世界を浮かび上がらせたのだった。
ØMIが去ったあと、スクリーンには『FINAL NIGHT~THE FUSION~』を締めくくるVTRが。「THE FUSIONはPhase2へ続く…」のメッセージを残し、エンドロールと共に壮大な物語を結んだのだった。
しかし、『ØMI LIVE 2026 ~INFINITY MOON~』は、まだまだ終わらない。過去、現在、未来と繋いできた3DAYSの締めくくりとして『AFTER PARTY』を開催。「Q&Aコーナー」や「プレゼントコーナー」を通して、MATEとコミュニケーションを取っていく。そして、三代目 J SOUL BROTHERSが10周年を迎えた当日にInstagramに公開した「Love Letter」を歌唱。月明かりのようなスポットライトが降り注ぐなか、朗らかに”ありがとう”と語りかける。温かなムードで包み込み、多幸感溢れるフィナーレを作り出したのだった。

