定年を迎えた後の「自由な時間」。避けたいのは、生活のリズムが崩れ、日々を漫然と過ごしてしまうこと。そうならないためにはどのように過ごせばよいのでしょうか。※サムネイル画像:amanaimages

定年を迎えた後の「自由な時間」。趣味や学びなど、取り組みたいことが明確な人にとっては有意義な時間となりますが、「なんとかなるだろう」と準備をしていなかった人にとっては、一転して「明日からどう過ごせばいいのか……」と途方に暮れる日々の始まりになるかもしれません。そうした時間が続くと、孤独を感じやすくなることもあります。

特に避けたいのは、生活のリズムが崩れ、日々を漫然と過ごしてしまうこと。そうならないためには、自分なりのペースを見つけ、暮らしにリズムをつくることが大切です。今回は、自分らしい時間の使い方を考えるうえで参考になる「ルーティンづくり」のポイントをご紹介します。

◆暮らしを整える「老後ルーティン」5つのポイント

ルーティンは自分を縛る「規則」ではなく、毎日を心地よく過ごすための「時間割」です。以下の5つのポイントを意識して、自分だけの時間割をつくってみましょう。

◇ポイント1:「起きる時間」と「寝る時間」を決める

生活リズムの基本は、就寝と起床の時間を安定させることです。現役時代と全く同じである必要はありませんが、朝は一定の時間に起きて朝日を浴びることを意識しましょう。これだけで昼夜逆転を防ぎ、心身の健康を保つ土台ができます。

◇ポイント2:「やること」を細かく決めすぎない

1日の予定を分刻みで詰め込むと、かえって負担になってしまいます。ルーティンはあくまで“枠”です。「午前中は体を動かす」「午後は読書や学びの時間」といった、ざっくりとした区切りを持つだけでも、一日の密度は劇的に変わります。

◇ポイント3:「体を動かす時間」を必ず入れる

15分程度のストレッチや、近所を一周する散歩など、軽く体を動かす習慣を組み込みましょう。外の空気を吸うだけで気分転換になりますし、近所の人とのあいさつなど、小さな交流が生まれるきっかけにもなります。

◇ポイント4:「楽しみの時間」もルーティンに組み込む

好きなテレビ番組や動画視聴をする、新聞を読む、趣味に取り組むなど、心が安らぐ時間を「予定」として組み込みます。あらかじめ楽しみが控えていると思うだけで、午前中の家事や散歩にも適度なハリが生まれます。

◇ポイント5:「やらなくてもいい日」をつくる

週に1~2日は「何もしない日」があっても大丈夫です。体調や気分に合わせて、ルーティンをお休みする柔軟さも大切。無理に縛られず、自分のペースで調整しましょう。

◆ルーティンを定着させることでどのような「ムダ遣い」が減るのか

生活に一定のリズムがあると、「なんとなくの支出」が減っていきます。なんとなくの支出とは、やることがなく、なんとなく街を歩いて目についたものを買ってしまう、あるいはテレビショッピングやネット通販を眺めて不要なものをつい注文をしてしまうというもの。

こうした支出の多くは「心の空白や意味のない焦り」を埋めるために発生します。自分なりの時間割があれば、そうした「なんとなく買い」の誘惑を自然に遠ざけることができます。

また、日々の軽い運動やバランスのよい食事を習慣化することで、健康を維持しやすくなり、将来的な医療費や介護費の抑制にもつながる可能性があります。

ルーティンは、あくまでも「過ごし方の目安」です。堅苦しく考える必要はなく、自分が心地よく過ごせる時間の使い方を見つけることが目的です。まずは朝の散歩や読書など、取り入れやすいことから始めてみましょう。毎日の積み重ねが、生活全体に安心感と落ち着きをもたらしてくれるでしょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)