MLSのアトランタ・ユナイテッドに所属するFW富樫敬真

 北米の地で盛り上がりを見せるメジャーリーグサッカー(MLS)が、いよいよ現地時間21日に30年目のシーズンを迎える。その開幕を目前に控え、アトランタ・ユナイテッドに所属するFW富樫敬真が、オンラインインタビューに応じ、MLSならではの文化や自身の挑戦について語った。

 欧州やJリーグとは異なるサッカー文化を形成するMLSには現在、30チームが所属しているが、昇格・降格制度がないことも影響し、ファンは「勝敗の結果にかかわらず、毎試合を純粋に楽しむ空気がスタジアムに充満している」と、富樫は語る。キックオフ前の工夫を凝らしたイベントもそのひとつだ。

 昨季からMLSでプレーする富樫は、北米の地で感銘を受けた出来事に「毎試合、必ず行われる国歌斉唱」を挙げた。多国籍な選手が集うリーグでありながら、試合前には全員が星条旗にリスペクトを示し、ゲストの独唱でスタジアム全体が一体となる光景は、「非常に印象的だった」と振り返る。

■規格外のスケール

 また、富樫が所属するアトランタ・ユナイテッドは、MLS屈指のビッグクラブでもあるという。開幕戦には6万5000人もの観客が集まり、その規模は世界トップクラスの集客力を誇る。環境面も規格外だ。設備も充実し、広大なアメリカ国内でのアウェイ遠征は「すべてプライベートジェットを利用する」とのこと。

 さらに、「選手たちをカッコよく見せるため」の“クリエイティブチーム”には20人以上のスタッフと6〜7人の専属カメラマンが在籍。こうしたスポーツを「盛り上げるための投資」は、日本との大きな違いを痛感する部分だと指摘する。

 チームは想像以上にインターナショナルで、アタランタ・ユナイテッドには16カ国の選手が在籍。アトランタは南部に位置するため、「特に南米出身の選手が多く、スタッフも全員スペイン語を話す」という。そのため、「英語を頑張っていましたが、今はスペイン語も勉強しなければならない状況(笑)」と、笑みを浮かべながら思わぬ苦闘も明かした。

 そんな刺激的な環境で過ごした1年目は7試合、94分間の出場にとどまり、「正直、想像以上に難しいシーズンだった」と振り返る。しかし、その苦悩の中で、Jリーグ時代よりも自分の立ち位置や足りないものが明確になったと語る。「2年目はその経験を活かし、より結果にこだわって、試合に絡んでいきたい」。規格外のスケールと熱気を誇るMLSの舞台で、自身の成長を結果で示すべく、富樫敬真の新たなシーズンが幕を開ける。