
自動車と時計——この二つの精密機械を愛する者にとって、両者の融合ほど心躍るものはない。ショパールとザガートが三度目のコラボレーションで生み出した「ザガート ラボ ワン コンセプト」は、世界限定19本という希少性とともに、レーシングカーの設計思想を時計製造に昇華させた野心作である。
【画像】ショパールとザガートデザインスタジオとの3度目のコラボレーションで誕生したタイムピース(写真10点)
自動車のシャシー構造を時計の骨格へ
本作の最も革新的な特徴は、レーシングカーのシャシーに見られるチューブラー構造をウォッチデザインに取り入れた点にある。ムーブメントを支えるチューブ状のフレームは、最適な剛性を確保しながら極限まで軽量化を図るという、モータースポーツで実証された工学的原理そのものだ。衝撃を受けた際の機械的応力を分散させるこの設計思想は、まさにザガートが100年以上にわたって追求してきた「機能美」の時計的解釈といえよう。
驚異の軽さ——43.20グラムの革新
ストラップを含めてわずか43.20グラム。ショパールがこれまでに製作したチタン製ウォッチの中で最軽量となるこの数字を実現したのが、セラマイズドチタンという素材だ。エレクトロプラズマ技術によってチタンを酸化処理することで、1000ビッカース(ステンレスは約200)に達する硬度と、セラミックに匹敵する耐傷性を獲得。この先進素材がケース、ブリッジ、地板のすべてに採用されている。
キャリバー「L.U.C 04.04-L」には、自動車のエンジンマウントと同じ原理のサイレントブロック耐衝撃システムを搭載。フューエルゲージを模したパワーリザーブ表示は、クラシックレーシングカーのダッシュボードを眺めているかのような高揚感を与えてくれる。6時位置には60秒トゥールビヨンが収められ、COSC認定クロノメーターとしての精度も折り紙付きだ。
ザガートのDNAが息づくディテール
文字盤の役割を担う地板には、ザガートのアイコニックな"Z"の反復モチーフが浮彫であしらわれている。従来のラグに代わるオープンループは左右それぞれ約45度の可動域を持ち、手首への完璧なフィット感を実現。リューズにはデファレンシャルギアをモチーフとしたデザインが施されている。
ショパール共同社長のカール‐フリードリッヒ・ショイフレとザガート社長とアンドレア・ミケーレ・ザガートの出会いは、ミッレ ミリアのコース上だった。19本という限定数は、1919年4月19日のザガート創業日に由来する。一世紀を超える歴史への敬意と未来への可能性を同時に示すこのタイムピースは、自動車と時計を愛する者だけが真に理解できる究極のコンセプトウォッチである。
ザガート ラボ ワン コンセプト Ref. 168636-3001
セラマイズドチタン製、直径42.00mm、厚さ11.15mm/手巻きL.U.C 04.04-L、60時間パワーリザーブ/60秒トゥールビヨン、パワーリザーブインジケーター/防水50m/世界限定19本