
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。高校時代に、甲子園V経験のあるドラ1左腕の成長にも注目だ。(文・シモ)[1/6ページ]
甲子園V腕、一軍での現在地
前田悠伍
[caption id="attachment_248802" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの前田悠伍(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:左投左打
・年齢:20歳
・経歴:大阪桐蔭高
・ドラフト:2023年ドラフト1位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:3試合登板、1勝1敗、防御率3.97
最速140キロ超の直球に、チェンジアップ、スライダーが武器の前田悠伍。今季の台頭が期待できる選手の一人だ。
大阪桐蔭高時代の2年春に出場した選抜甲子園では、近江高との決勝で先発。7回2安打1失点の好投でチームを優勝に導き、ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに入団した。
ルーキーイヤーは、二軍戦で12試合に登板して4勝1敗1セーブ、防御率1.94の成績を上げると、10月1日に一軍昇格を果たした。
しかし、同日のオリックス戦で先発登板するも、3回8安打6失点のほろ苦デビュー。
迎えた昨季は、二軍戦で11試合に登板して5勝2敗、防御率1.07の成績を残すと、7月13日の楽天戦で先発。6回を投げて4安打無失点に抑えてプロ初勝利を挙げた。
落ち着いたマウンドさばきで、楽天打線を抑えこむ姿には、未来を感じさせた。昨季はこの試合を含め、一軍で3試合に登板して1勝1敗、防御率3.97の成績を残した。
シーズン終盤の9月に受けた左肘関節のクリーニング手術の経過が気になるところだが、直球の質に磨きをかけて、一軍での登板経験を増やしたいところだ。
冷静なマウンドさばきと甲子園を3度経験した強心臓で、前田悠伍旋風を起こしたい。
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。育成10位から這い上がった左腕も、ブレイクが期待される選手の一人だろう。(文・シモ)[2/6ページ]
育成10位から見えた確かな武器
前田純
[caption id="attachment_248801" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの前田純(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:左投左打
・年齢:25歳
・経歴:中部商 - 日本文理大
・ドラフト:2022年育成選手ドラフト10位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:10試合登板、2勝2敗、防御率3.12
プロ4年目の前田純も、ブレイクしそうな一人だ。
育成ドラフト10位で入団した前田純は、キレのある直球と、鋭い曲がりの変化球を武器に、ルーキーイヤーは三軍と四軍戦で計27試合に登板。113回を投げて11勝4敗1セーブ、防御率3.03の成績を残した。
2024年は二軍が主戦場となり、7月までに12試合に登板して7勝1敗、防御率1.46を記録すると、同月24日に支配下登録。
9月29日に一軍昇格を果たすと、同日の日本ハム戦で初先発。6回3安打無失点に抑えて、プロ初勝利をマークした。
迎えた昨季は、4月2日に一軍登録されて先発したものの、なかなか勝ち星が付かず。
初勝利を挙げたのは、5月15日の西武戦。7回2安打無失点の好投で勝利に貢献した。
続く6月4日の中日戦では、8回2安打無失点の好投で2勝目をマーク。しかし、後半戦は左肘の炎症もあり、以降は一軍登板なしに終わった。
昨季は10試合の登板で2勝2敗、防御率3.12の成績でフィニッシュ。前年に比べ登板数こそ増やしたが、大きく成績は伸ばせなかった。
それでも、球速より速く感じられる直球の威力は、何より脅威。育成ドラフト10位・前田純の這い上がりストーリーをもっと見たい今季である。
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。抜群のポテンシャルを誇るドラ1内野手の存在も見逃せない。(文・シモ)[3/6ページ]
ファームで磨かれた素材力
イヒネ・イツア
[caption id="attachment_248798" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスのイヒネ・イツア(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・年齢:21歳
・経歴:誉高
・ドラフト:2022年ドラフト1位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:1試合出場、打率.000、0打点
高いポテンシャルを備えるプロ4年目のイヒネ・イツアには、そろそろ覚醒してもらいたいところだ。
プロ入り後2年間は、怪我の影響、や打撃や守備の不安定さで苦しみ、思いう通りの成績を残せずに終わっていたイヒネ。
迎えた昨季は5月27日にプロ初の一軍昇格を果たしに登録され、同月30日の楽天戦で代走としてプロ初出場を果たした。すも、一軍での出場はこの試合のみに終わった。
昨季今季のイヒネは、二軍戦で110試合に出場して打率.259、5本塁打、44打点、30盗塁。
二軍戦では、7月に打率.338、23安打、7盗塁をマークして、ファームの月間MVPも獲得している。しかし、が、一軍のライバルを脅かす存在にはなっていない。
課題は、二軍戦で94個もの三振を喫している打撃の荒さと送球面か。2024年に比べて打率は大幅に改善されたが、まだ伸びる余地はありそうだ。
高い壁を乗り越えた先に、イヒネの選手としての未来が見えるだろう。
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。育成から這い上がり、昨季一軍で存在感を見せた若手外野手にも注目だ。(文・シモ)[4/6ページ]
支配下1年目で示した存在感
山本恵大
[caption id="attachment_217647" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの山本恵大(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・年齢:26歳
・経歴:国士舘高 - 明星大
・ドラフト:2021年育成選手ドラフト9位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:25試合出場、打率.214、2本塁打、6打点
昨季、プロ4年目にして支配下登録を果たした山本恵大。彼の伸びしろにも期待だ。
昨季、二軍戦で14試合に出場して打率.486(37打数18安打)、2本塁打、8打点の成績を残し、4月12日に支配下登録を勝ち取った山本。
ところが、一軍では9打数0安打と結果を残せず、同月26日に登録抹消。それでも、山本はその後も二軍で結果を残し続けた。
7月3日に一軍再昇格を果たすと、同日の日本ハム戦で「6番・右翼」でスタメン出場。プロ入り初安打を記録するなど、3安打猛打賞の活躍で勝利に貢献した。
また、同月15日のロッテ戦では「5番・右翼」で先発出場。3回表の2死一、二塁の場面でプロ初本塁打を左翼に放ち、初のお立ち台にも上がった。
続く8月2日の楽天戦では、7回裏にソロ本塁打をマーク。外角低めの直球に力負けせず、うまく左翼に運ぶ2号本塁打であった。
しかし、そのあとが続かない。打率を.167まで落とすと、同月15日に一軍登録抹消。そのままシーズン終了となった。
昨季の山本の一軍成績は、25試合に出場して打率.214、2本塁打、6打点。得点圏で打率.154と、チャンスに弱い打撃が課題だ。
また、昨季に山本が記録した2本塁打は、いずれも左翼への本塁打。逆方向へ運ぶ打撃技術を磨くことが、今季に飛躍するヒントになるはずだ。
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。ホークスが誇る将来の“スラッガー候補”は、今季の飛躍が期待される一人だ。(文・シモ)[5/6ページ]
打撃力で活路を切り開けるか
石塚綜一郎
[caption id="attachment_248799" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの石塚綜一郎(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投右打
・年齢:24歳
・経歴:黒沢尻工
・ドラフト:2019年育成選手ドラフト1位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:24試合出場、打率.236、6打点
入団から着実に成長を遂げている石塚綜一郎。今季は一気に突き抜けたいところだ。
一昨年の2024年7月24日に支配下登録されると、打撃力を活かして、本来の捕手ではなく代打や一塁手としての起用が増えた。
8月21日の楽天戦では、「7番・DH」として先発出場。2回にプロ初安打、5回にはプロ初本塁打を放ち、強烈な印象を残した。
同年は一軍で15試合に出場し、打率.194、1本塁打、6打点の成績を残した。
迎えた昨季は、4月19日、6月17日、9月5日と3度一軍登録され、5月3日のロッテ戦では「6番・左翼」で出場。6回裏の2死一、二塁で2点タイムリーツーベースを放ち、勝利に貢献した。
6月20日の阪神戦では、10回に代打で登場して決勝タイムリーツーベースをマーク。9月5日の楽天戦では、「7番・左翼」で先発出場し、プロ初の3安打を記録している。
結果、昨季は24試合の出場で打率.236、6打点の成績をマーク。二軍では54試合出場で打率.352、4本塁打、31打点と無双した。
パンチ力を生かした打撃で、同じ一塁手の山川穂高に追いつけ追い越せでブレイクを果たせるか。スラッガー候補・石塚の今季に期待したい。
昨季の福岡ソフトバンクホークスは、怪我人の影響でレギュラー陣が1年通して活躍できない年だった。主力の高齢化が進みつつあるソフトバンクの中にあって、若手の台頭は急務である。25歳の若き“奪三振マシン”は、今季の一軍定着が期待される。(文・シモ)[6/6ページ]
ブルペンを支える存在へ
木村光
[caption id="attachment_248800" align="alignnone" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの木村光(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・年齢:25歳
・経歴:奈良大付高 - 佛教大
・ドラフト:2022年育成選手ドラフト3位(ソフトバンク)
・2025年一軍成績:13試合登板、1セーブ、防御率1.02
プロ4年目の木村光は、今季さらなる飛躍が期待される選手である。
最速150キロ超の直球を武器にする木村は、ルーキーイヤーの2023年7月17日に支配下登録されるも、胸椎分離症を発症。同年は一軍登板なしに終わった。
しかし、プロ2年目の9月3日に日本ハム戦でプロ初登板を果たすと、2回2安打無失点と好リリーフ。同年は一軍で計5試合に登板し、1ホールド、防御率1.50の好成績をマークした。
迎えた昨季は、6月5日に一軍登録されると、同11日の巨人戦の5回に登板。1失点を喫したものの、2回を投げて4奪三振を奪ってみせた。
9月28日の西武戦では、4-1と3点リードした8回に登板。2回を1安打無失点に抑えて、プロ初セーブを挙げている。
結果、昨季は13試合の登板で1セーブ、防御率1.02の好成績をマーク。奪三振数は17回2/3を投げて17奪三振、失点はわずか2でリリーフとして十分な成績を残している。
8.66と高い三振率を誇る木村の課題は、右打者への内角の被打率。左打者が.000なのに対して、右打者への内角の被打率.667と高い。
全体を通して投球割合の少ないシュートボールを、右打者対策として投げても面白いかもしれない。
【了】