パナソニックは1月28日、「冬の食器洗いと手の乾燥」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年12月25日~12月29日、全国に住む、日常的に食器を手洗いしている20歳~69歳の男女400名を対象にインターネットで行われた。
約半数が冬場に手の乾燥を「ほぼ毎日」感じている
冬場に手の乾燥・カサつきを感じる頻度をたずねたところ、「ほぼ毎日」と回答した人が47.9%、「週に数回」が19.3%となり、約7割が冬のあいだ継続的に手の乾燥を自覚していることが分かった。また「月に数回」は12.3%、「ほとんどない」は20.5%にとどまり、多くの人にとって"冬に手が乾燥している状態"はもはや例外ではなく、日常的な悩みになっていると言える。
3人に1人以上が食器洗いのたびに進む"ひび割れ"を経験
冬の食器洗いの影響として、手にどのような変化を感じているかを聞いたところ、「手がカサつく」が63.5%と最も多く、「ひび割れ」ができるが34.3%、「赤み・かゆみ」が出るが17.8%だった。一見すると"軽い乾燥"に見える「カサつく」が最多である一方で、3人に1人以上がひび割れ、約2割が"赤み"や"かゆみ"といった炎症まで経験しており、単なる美容上の悩みではなく、痛みや不快感を伴うレベルにまで症状が進行している人も少なくない。
さらに、冬場の乾燥を「ほぼ毎日」感じている人に絞ると、ひび割れは49.5%になり、半数近い人が食器を持つ・スポンジを握るといった日常の動作そのものがつらくなっている可能性が高いことが読み取れる。
平均37.5℃の"やさしい温度"が皮脂を奪う
冬の食器洗いでお湯をどの程度使うかを聞くと、「ほとんど毎回」が52.7%、「時々」が23.0%で、全体の約8割が冷たい水ではなくお湯を選んでいることが分かった。「ほとんど使わない」は14.5%、「使わない」は9.8%にとどまり、多くの人が「冬場の食器洗い=お湯で行うもの」という前提で日々の家事を行っていることがうかがえる。
実際に使っているお湯の温度を集計したところ、平均は37.5℃で、20~60代のどの年代でも大きな差は見られず、年代を問わず"ぬるめのお風呂程度"の温度が選ばれていた。この温度は、冷たさによるストレスを和らげてくれる一方で、皮脂やうるおい成分を少しずつ洗い流しやすいゾーンでもあり、「手が冷えるのはつらいから」という理由で続けている日常の選択が、結果として冬の手の乾燥をじわじわと後押ししている可能性がある。特に「乾燥をほぼ毎日感じる」層では、お湯を「ほとんど毎回」使う人の割合が高く、冷たさ回避と引き換えに、手の負担を増やしている一面も見えてくる。
根本対策ができているのは3割未満
冬の食器洗い前後で行っている手のケアを聞くと、「作業後すぐに手を拭く」が42.0%、「ハンドクリームを塗る」が48.5%、「ゴム手袋を使用する」が13.5%、「保湿洗剤・手にやさしい洗剤を使う」が5.3%という結果だった。「特に何もしていない」人も28.0%おり、約3人に1人はケア習慣がない一方で、半数近くはハンドクリームやタオルでの水分オフなど、手荒れを何とか抑えようと日常的な工夫を続けていることが分かる。
しかし、「冬の食器洗いの際に"お湯や洗剤に触れる時間を減らす"工夫をしているか」を尋ねると、「している」は28.5%にとどまり、7割以上が「していない」と回答した。
多くの人は、荒れてしまった後にハンドクリームなどで帳尻を合わせる"後追いケア"にとどまっており、手荒れの原因となる「触れる時間」「触れる回数」そのものを減らす根本的な対策には、まだ十分踏み出せていない実態が浮き彫りになっている。
医師が教える、手の乾燥対策のポイント
表参道スキンクリニックの渋谷友香医師によると、手は皮脂腺が非常に少なく、とりわけ手の甲は皮膚が薄いため、全身の中でも「年齢が顕著に現れやすい部位」だという。冬場は気温と湿度の低下によって血行が滞り、角層層の水分や皮脂が失われやすくなる。その結果、もともと脆弱なバリア機能がさらに低下し、カサつきやひび割れ、赤みといった"手荒れ"が深刻化する。また、慢性的な乾燥は角層層のキメを乱し、溝を深く見せてしまう。これが繰り返されることで細かいシワが目立ち、結果として「実年齢以上に老けて見える手元」を招く一因となる。
今回の調査でも、冬場に手の乾燥を「ほぼ毎日」感じる人が約5割、「食器洗いのたびにカサつく」人が約6割に達している。さらに冬の食器洗いでお湯を「ほぼ毎回」使う人が約半数という実態も浮き彫りになった。使用するお湯の温度が高ければ高いほど、肌の潤いを守る皮脂や細胞間脂質(セラミドなど)が溶け出しやすくなり、バリア機能がさらに弱くなることで、乾燥と手荒れの負のスパイラルに陥る。
「対策の基本は、"刺激の軽減"と"乾燥時間の短縮"です。お湯の温度をぬるま湯(33~35℃程度)に下げる、洗剤を希釈して使う、ゴム手袋で直接の接触を避けるといった工夫が不可欠です。水仕事の後はすぐに水分を優しく拭き取り、角層層が柔軟なうちにハンドクリームで油分と水分を補うことで、バリア機能の回復を助け、乾燥やシワの定着を防ぐことが期待できます。もう1つ重要なのが、"水に触れる機会そのものを減らす"という視点です。調査では、多くの方が冬の食器洗いを負担に感じていました。まとめ洗いや家族との分担、そして食器洗い乾燥機などの家電を賢く活用することは、お湯や洗剤に肌をさらす時間を物理的にカットできるため、手荒れやシワの目立ちにくい健やかな手元を保つための、合理的かつ有効な解決策と言えるでしょう」(渋谷友香医師)






