反町隆史、大森南朋、津田健次郎のトリプル主演で、“こんなはずじゃなかった”大人たちの再会と再生を描いた「1988青春回収ヒューマンコメディ」のフジテレビ系ドラマ『ラムネモンキー』(毎週水曜22:00~ ※TVer、FODで配信/FODで次話先行配信)の第2話が、21日に放送された。
中学時代の学園のマドンナが、なぜオタク化する主人公に危機を持ったのか。その時代背景について解説する。
【第2話あらすじ】曖昧な記憶が交錯する中、また新たな情報が
中学の同級生・吉井雄太(反町)、藤巻肇(大森)、菊原紀介(津田)の3人は、カフェの店員・西野白馬(福本莉子)とともに人骨が発見された工事現場に忍び込む。そこで発見したのは、中学時代の臨時教師・マチルダこと宮下未散(木竜麻生)が使っていたのと同じボールペンだった。
雄太たちは地元の警察署へ行き、鶴見巡査(濱尾ノリタカ)にマチルダの殺人について捜査するよう訴えるが、相手にされない。自分たちで事件を調べようとするが、他に当時からの友人もおらず、記憶もあやふや。途方に暮れる3人を見かねた白馬はSNSで情報を求める。
一方、贈賄事件の容疑がかけられた雄太は謹慎が解けたものの、閑職に追いやられてしまう。料理研究家である妻の絵美(野波麻帆)や高校生の娘・綾(三浦舞華)も事件の影響を受け、家の中は重たい空気に。
白馬のSNSに元クラスメートの石井洋子(島崎和歌子)から連絡があった。4人は白馬が働くカフェで対面する。再会を懐かしむ洋子だが、雄太たちは彼女を全く思い出せない。雄太がマチルダについて尋ねると、洋子いわく、彼女はアダルトビデオに出たり、愛人バンクをしていた過去があり、それが学校にバレて辞めさせられたという。
あまりの話にぼう然とする3人。そして、雄太の脳裏には妙な記憶が浮かぶ。当時、雄太と親しかったミンメイこと大葉灯里(泉有乃 ※中学時代)とマチルダが決闘し、マチルダは殺されて沼に沈められたというのだ。
やがて白馬のSNSに現代のミンメイ(西田尚美)の情報が寄せられる。ミンメイは路地裏でお好み焼き店を営んでいた。3人と白馬は、そのお好み焼き店へ。ミンメイはしっかりと3人のことを記憶していた。
その後、ミンメイから連絡が入る。実は、洋子が言った噂はミンメイが周囲に触れ回った嘘だったということ。雄太を盗られたと思い、嫉妬しての行動だった。そして、ミンメイが何者かに襲われたのを目撃したという記憶も…。謎が深まる中、帰宅する雄太。そこで雄太は、妻の絵美から離婚を切り出される。
反町隆史&西田尚美の芝居にリアルも重ねる
第1話冒頭はUFO、第2話は中学時代のミンメイとマチルダのカンフーアクションと、脚本の古沢良太氏は「何のドラマが始まったんだ!?」という驚きを作るのが上手い。そして中学時代、ミンメイが雄太に伝えた「マチルダと決着をつける」という言葉が、何だったのか。雄太の、ミンメイがマチルダを殺害したという妄想とどうつながるのか、というテーマへとつなげていく手腕は、相変わらずの筆の冴えだった。
ちなみに、ミンメイとは、アニメ『超時空要塞マクロス』(1982年~)のヒロインの1人、リン・ミンメイから。80年代アニメ界を代表するほどの大人気キャラだが、そうした80年代サブカルチャー回顧が、今回もふんだんにちりばめられ、それでいながら、ヒューマンドラマとしても魅せた回だった。
中学時代、学園のマドンナと言われていたミンメイも、もう51歳。酔客を相手に立ち回る肝っ玉女将としてお好み焼き店を経営しているが、自身のことを「おばさん」「がっかりしたでしょ」と雄太らに自虐する。だが、雄太は言う。「ミンメイは、俺たちの中では、いつまで経ってもミンメイ(=大人気ヒロイン)なんだ」と。同時にミンメイも言う。閑職に追いやられ、「俺の人生は終わったんだ」という雄太に、「終わったなんて言わないでよ」と。
この名優同士のやり取りは、約35年という時間の流れを感じさせながらも、「青春」、そして「淡い初恋」という細い線でつながっている関係性を浮き彫りにした。実際、演じている大西と反町は10代の頃からの知人だ。その時の流れも、2人の芝居に乗っていたのか、この懐かしさとセンチメンタルは本物以上に本物に感じられた。ここで涙ぐんだ視聴者も少なくないのではないだろうか。
本ドラマは、「1988青春回収ヒューマンコメディ」となっている。決して80年代サブカルの回顧や、奇抜な映像、そしてマチルダ殺害の犯人当てだけではなく、こうした人間ドラマも本筋の大きなテーマとなっている。失われたと思っていた、中学時代の「青春の輝き」。その鮮烈な光が、今の時代に今の形として、次は何色で輝き始めるのか──。
主人公たちは、初期の就職氷河期世代だ。つまり「失われた30年」の「フル」とも言える「30年分」を経験してきている。多くの挫折、人生の行き詰まり…他の世代とはやや毛色が違う多くの「諦め」を感じながら、それでも歩いてきた世代ならではの物語が、今後、それぞれのキャラに描かれるはずだ。
彼らが青春時代を歩んでいたのは、ちょうど高度成長期とバブル世代。あの明るかった時代に感じていた「輝き」を取り戻せるのだろうか?


