大王製紙は1月20日、生理中の不調と食べ物に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2025年10月1日~10月7日、10代以上の女性654名を対象にインターネットで行われた。また、八丁堀さとうクリニック副院長・佐藤杏月氏の監修のもと、生理中に積極的にとりたい食べ物や栄養素、反対に控えた方がよい食品について、理由とともに解説する。
生理中のつらい症状
「腹痛・腰痛・頭痛など体の痛み」と回答した人が77.5%で一番多い結果となった。それ以外にも「イライラ・気分の落ち込み」「便秘・下痢など胃腸の不調」などにも多くの回答が集まり、さまざまな症状で悩んでいることがわかる。
また「その他」と答えた人からは、眠気が強くなる、貧血症状が出る、肌荒れやかぶれが出る、肩こりや首こりの症状が強くなる、といった声が寄せられた。
生理中の痛みや体調不良はなぜ起こる?
生理中に現れる体の痛みや不調には、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなど、いくつかの原因がある。
プロスタグランジンの分泌やホルモンバランスの変化
生理中に体調が悪くなる大きな原因のひとつが、「プロスタグランジン」と呼ばれる物質の分泌。プロスタグランジンは子宮を収縮させて経血を排出する働きをもつ一方で、過剰に分泌されると腹痛や腰痛、頭痛などを引き起こす原因になる。また、生理に伴って女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)のバランスが大きく変動する。このホルモンの変化により、自律神経が乱れやすくなり、気分の落ち込みやイライラ、だるさ、眠気などの不調が現れることもある。
血行不良や冷え、栄養の偏り
生理中の体調不良には、血行不良や冷え、そして栄養の偏りも関わっている。まず、体が冷えると血管が収縮し、子宮まわりの血流が悪化する。血行不良になることで、プロスタグランジンの働きが強まり、生理痛が悪化する可能性がある。また、冷えは代謝を低下させ、疲れやすくなったり、むくみが生じやすくなったりする原因にもなる。
さらに、生理中は経血の排出によって鉄分が失われるため、鉄分不足に陥りがち。鉄分が不足すると、酸素を全身に運ぶ力が弱まり、疲労感や立ちくらみ、めまいなどを引き起こすこともある。また、マグネシウム不足は筋肉の緊張を高め、子宮の過度な収縮につながるため、こちらも生理痛が悪化する要因になる。
こうした生理中のつらい症状を少しでも緩和するために、食べ物に気をつけている人も多い。次に、生理中の食べ物について聞いてみた。
生理中、食べ物で気をつけていること
「温かいスープや飲み物をとる」「鉄分などを意識してとる」などに多くの回答が集まる一方で、「特に気をつけていない」という方も33.6%という結果になった。
その他、「辛い物、脂っこい物を控える」「豆乳やあんこなど、イソフラボンの豊富な豆製品をとるようにしている」「甘い物が無性に食べたくなるが、大量に食べると体調が崩れるので控えるようにしている」「疲れたら栄養ドリンクを飲む」といった回答も寄せられた。
生理中にとりたい食べ物と栄養素
生理中は体調が不安定になりやすく、栄養バランスのとれた食事がいつも以上に重要になる。失われがちな栄養素を補い、体を内側から整えることが大切。
生理中に積極的にとりたい栄養素として、「鉄分」がある。生理中は経血の排出によって鉄分が多く失われる。鉄分が不足すると、貧血や立ちくらみ、集中力の低下、全身のだるさなどの症状が現れることがある。特に吸収率の高い「ヘム鉄」を多く含む動物性食品が推奨されている。レバーや赤身の肉、かつお、いわしなどの魚類は効率良く鉄分を補給できる。また、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」も大切な栄養素になる。日常的に取り入れやすい非ヘム鉄を含む食材は、ほうれん草や小松菜、ひじき、納豆など。さらに、ビタミンCを一緒にとることで、鉄分の吸収率が高まるため、ブロッコリーやピーマン、果物などと組み合わせて摂取するとさらに効果的とされる。
「マグネシウム」は、筋肉の収縮を調整し、生理痛の原因となる子宮の過度な収縮をやわらげる働きがある。また、神経の興奮を抑える作用もあり、気分の安定にも役立つミネラルである。マグネシウムを多く含む食材には、海藻類(わかめ・昆布・ひじきなど)、ナッツ類(アーモンド・くるみなど)、豆類(大豆・黒豆など)、そして玄米や全粒粉パンなどがある。日常の食事に少し加えるだけでも、栄養バランスが整う。加熱によって失われにくい栄養素なので、スープやみそ汁、炊き込みごはんなどに取り入れると手軽にとることができる。
大豆に含まれる「イソフラボン」は、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きを持つことで知られている。ホルモンバランスが乱れがちな生理中に、大豆イソフラボンをとることで、不調をやわらげる働きが期待できる。豆腐や納豆、豆乳、おから、厚揚げなどの大豆製品は、毎日の食事に取り入れやすい食材。ただし、とりすぎは良くないため、1日の目安量(おおよそ70~75mg)を意識し、バランスよくとることが勧められている。
生理中の冷えは血流を悪化させ、生理痛や不調の原因になることがある。そこで意識したいのが「体を内側から温めてくれる食材」だ。しょうが、にんにく、ねぎ、ごぼう、にんじん、かぼちゃ、黒豆などは、体を温める働きがあるとされる。これらの野菜を使ったスープやみそ汁、煮物は、胃腸にもやさしく、不調になりやすい生理中にもぴったりのメニューといえる。
生理中に控えたい食べ物や飲み物
生理中は、体の冷えやホルモンバランスの乱れにより、さまざまな不調が起こりやすくなる。こうした時期には、体に負担をかける食品や飲み物を避けることも大切。
まず控えたいのが、冷たい飲み物や体を冷やす食材。氷入りの飲料や冷たいデザート、生野菜などは体を内側から冷やし、血行を悪化させるおそれがある。血流が滞ると、生理痛が悪化する原因となるため、できるだけ温かい食事や飲み物を選ぶようにしたい。
また、カフェインのとりすぎにも注意が必要とされる。コーヒーや紅茶、緑茶、チョコレートなどに含まれるカフェインは、血管を収縮させる作用があり、痛みを強める可能性がある。特に空腹時の摂取や過剰摂取は避け、ノンカフェイン飲料への切り替えが推奨される。
さらに、塩分や糖分の多い加工食品をたくさんとると、むくみや血糖値の上昇で、体調に影響を与えることがある。生理中は無性にお菓子が食べたくなるときもあるが、スナック菓子やインスタント食品は控えめにしたほうがよい。
生理中に見直したい食べ物と生活習慣
生理中は体調が不安定になりがちなため、毎日の食事や習慣を見直し、日常生活において無理なくセルフケアをしていくことが大切。とくに「朝食」は、眠っていた体を目覚めさせ、体内時計を整える重要な役割を果たす。特に、生理中はエネルギー源となる炭水化物に加え、たんぱく質、ビタミン・ミネラルを意識的に摂取することが推奨されている。ごはんやパンなどの主食以外に、卵、納豆、野菜、果物などを組み合わせて、バランスのとれた朝食を心掛けることが大切。
忙しい日や、食事を準備する時間がないときは、コンビニエンスストアを活用するのもひとつの手だ。最近では、栄養バランスを考慮した商品が多く販売されており、組み合わせ次第で手軽に体調管理ができる。例えば、サラダチキンやゆで卵、豆腐、納豆、ヨーグルト、豆乳などは、たんぱく質やミネラルを効率よく補える食品。雑穀入りおにぎりや野菜のスープなどと組み合わせれば、栄養バランスのとれた食事となる。また、スイーツを選ぶ場合は、栄養価の高いナッツ入りや低糖質タイプを選ぶことができる。
「生活を見直しても不調が続く場合は受診の検討を
生理中の不調は、食生活や生活習慣の見直しでやわらぐこともあるが、それでも症状がつらく、日常生活に支障をきたすような場合は、早めに婦人科の受診を検討する必要がある。例えば、生理痛が毎回強い、経血量が極端に多い、周期が安定しないといった場合には、婦人科系疾患が隠れている可能性もある。



