三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、三井住友銀行、三井住友カードは、法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」の新機能および、「三井住友カード ビジネスオーナーズ」の最上位ラインナップとなる「三井住友カード ビジネスオーナーズプラチナプリファード」を発表した。
また個人向けには、国内初となる「クレジットカードによる外貨自動積立サービス」を開始する。 法人・個人双方のサービス拡充により、外貨自動積立については5年後に年間1,000億円規模の積立額を目指す。
同社では、今後もさらに法人向け、個人向けのサービスを強化していく考えだ。
請求書管理を効率化する「Trunk」の新機能
Trunk向けの新サービスとなる請求書支払い機能は、受領した請求書のPDFデータなどをアップロードまたはスマートフォンで撮影することで、振込先口座情報や請求金額、支払期日などを自動的に読み取って支払いデータをほぼ自動で作成。請求書に関する作業の負荷軽減と効率化を実現する。
作成した支払いデータに関しては、従来の振込に加えて「カード払い」を選択可能にする。クレジットカードやデビットカードなどで支払いを行うことが可能で、受取側はカード支払いに対応している必要はなく、支払い側の手数料だけで支払いが行える。
カード払い時の手数料を除くとサービスは無料で提供。三井住友銀行のホールセール統括部部付部長法人デジタル企画室副室長の矢幡重孝氏は、同サービスの強みとして、「三井住友銀行のアプリの中で請求書の支払いやカード払いまでシームレスに完結できる点」と指摘。今後はさらに、記帳処理や資金管理、資金調達の際のアドバイスなどにAIを活用し、最適なファイナンス手法を提案できるようにサービスを拡充していく予定だとした。Trunkのサービス拡充によってユーザーの利便性向上を図り、Trunkの魅力を高めてユーザーの獲得をさらに進めたい考えだ。
なお、請求書の「カード払い」機能では、インフキュリオンが提供する請求書カード払いプラットフォーム「Winvoice」を基盤として実装されており、インフキュリオンが設計・開発、決済処理に関わる仕組みの構築を担当したという。
さらに補助金サポート機能も提供する。同社によれば、「中小企業向けの公的な補助金は全国に数万件あると言われている」という規模で、経営者が自社で使える補助金を探し出して適切に活用するのが難しい現状がある。そこで、AIが会社の情報や投資目的に最適な補助金をレコメンドし、そのまま専門家による申請サポートまで申し込める機能を構築した。自社が使える補助金を探し出し、申請サポートまでワンストップで申し込める点が特徴としている。
矢幡氏はこれらの機能によって、「経営者が抱えていた従来のお金の課題を解決していける」とアピール。「法人口座を基点に、経理・支払い・資金繰りの課題に対するソリューションを1つのアプリ上でシームレスに利用できるようになる」としている。
高還元・高限度額の「ビジネスオーナーズプラチナプリファード」
三井住友カード ビジネスオーナーズは、2021年の提供以来順調に利用者を拡大。年度内には50万会員に達する見込みとなっている。Trunkのユーザーの半数が利用していると言うが、これまでゴールドカードまでの提供で、より高額の事業支払いに使いたいというニーズも多く、さらなる上位カードの提供に至った。「三井住友カード ビジネスオーナーズプラチナプリファード」は、最大9,999万円という高額の利用限度額を備え、さらに個人向けのプラチナプリファードと同様の高還元率を実現した。
Vポイントの還元率はベースで1%、さらに継続特典(100万円利用ごとに1万ポイント、最大4万ポイント)で1%、特約店で最大+9%。例えば年間700万円を利用した場合、ベース還元は7万ポイント、継続特典は4万ポイントで最低でも11万ポイントとなって年会費を除いても8万円分が得になる。特約店が加わればさらにお得になると同社ではアピールする。また、スタート時点では入会&利用特典で最大77,000ポイントも提供する。
来年度からは、新法人カードやフレキシブルファイナンス、デジタルファクタリング、AI BPOなどの機能もTrunkに追加していく予定だ。
国内初、クレカで「外貨自動積立」
個人向けOliveの新サービスとしてクレジットカードを使った外貨自動積立サービスも開始する。すでに700万アカウントを突破して好調のOliveは、SBI証券やPayPayをはじめ、幅広いパートナーシップでのサービス拡大に加え、新しい金融サービスを投入してきた。特に敷居の高かった金融サービスを利用しやすくするということに注力し、クレジットカード積立やマネーアシストによるミニローンを提供してきたという。結果として、クレジットカード積立は月間920億円、年間では1兆円規模の積立金額を達成している。
金融サービスの個人の利用が伸びている中、伸び悩んでいるのが外貨に関するサービスで、個人では4.8%しか利用されていない。ただ、外貨はテレビやネットのニュースでも頻繁に取り上げられて情報収集がしやすく、通貨という商品性がシンプルであるというメリットがあるという。
日本はここ数年、物価の上昇が続いており、その原因の1つとして三井住友フィナンシャルグループウェルスマネジメント統括本部副本部長の松井龍介氏は、「円安が物価上昇の要因の1つ」と指摘。さらにNISAを含めてオルカンやS&P500などの外国資産を対象とした運用資産への投資も増加し、「インフレに対応した資産防衛・資産形成の機運が高まっている」(松井氏)という。
こうした中で同社では、通貨分散を通じた資産価値の安定化にも繋がり、インフレ時における外貨保有にはメリットがある点をアピールし、2023年9月には米ドル外貨定期預金の標準金利を市場連動型に変更したほか、2025年11月には外貨購入時の一部為替手数料を無料化してきた。結果として、三井住友銀行とSMBC信託銀行を合計した外貨預金残高は2.7兆円に達し、トップシェアを確保している。
さらに外貨の利用者を増やすことを狙って投入するのが、クレジットカードを使った外貨自動積立サービスだ。証券積立と同様にクレジットカードで自動的に外貨積立を行え、松井氏によれば「国内初のサービス」となる。
積立金額に応じてVポイントが貯まるのも特徴で、Oliveのクレジットカードであればプラチナプリファードで3%、ゴールドで1.5%、一般カードでも1.0%の還元率となる。Vポイントアッププログラムの対象にもなり、当月中1回1万円以上の積立で+1%の還元率アップとなる。さらに米ドルやユーロなど6通貨であれば積立時の為替手数料が無料。
証券のクレカ積立と同様にコンプライアンスなども踏まえて、1回10万円までに制限。積立月の前月11日より3営業日前までに申し込むと、毎月26日に積立が行われ、「口座から資金が引き落とされてから外貨積立が行われる設計」(松井氏)とした。また、リボ払いや分割払いは非対応となっている。
外貨自動積立サービスでは、海外で積み立てた外貨預金を使った決済にも活用できるとしており、SMBC信託銀行の外貨支払い対応デビットカード「GLOBAL PASS」で、外貨通貨のままで支払いできる点も紹介。現時点では三井住友銀行の外貨預金口座からSMBC信託銀行口座に送金する必要があるが、今後は自動スイープ機能を提供する、Oliveのフレキシブルペイに外貨支払いモードを追加する、などの方向性も検討しており、より簡単に外貨決済ができるようにしたいとしている。
同社では時間分散を含めた安全性の高い外貨積立によって資産価値の安定化を図れるとして新サービスをアピールし、5年後には1,000億規模の積立金額となることを目指す。これによって利ざやなどの運用収益の拡大を目指していく考えだ。





















