ちょっと面倒くさい。けど、そんなもんでしょ。

自転車に纏わる小さな面倒や、分かってはいるけど、できないこと。そんな小さなストレスを解消する方法を紹介しよう。

  • クリック感があって操作感に優れている専用ヘッド

    クリック感があって操作感に優れている専用ヘッド

空気入れの面倒を軽減

大げさに思うかもしれないが、ほとんどの自転車は整備不良である。そして、その原因の大半はタイヤの空気圧が不足している。これを解消できれば、かなり快適性が向上すると言っても過言ではない。だが、解決策の前に、空気圧の重要性を知るため、タイヤの役割を知っておこう。機能は大きく分けて4種類ある。

1.車体を支える
2.力を伝える(走る・止まる)
3.曲がる(バランスとグリップ)
4.振動をやわらげる(快適性)

たまにしか入れないから、多めに入れておいて……という人はたくさんいる。残念ながら、空気を入れすぎても、少なすぎても性能は発揮されない。

車体の支えられない状態は、いわゆるパンクしている状態。言うまでもなく、不快である。力を伝えるというのは、加速したりブレーキしたりするときの性能だ。カーブを曲がるときのフィーリングやデコボコ道の走行感も、タイヤの空気圧によって大きく変わる。振動の伝わり方が違うのも、改めて説明する必要もないだろう。

解決策となるのがバルブ(コア)の交換。タイヤに空気を入れるバルブには種類が3つある。シティサイクル(ママチャリ)は英式、安価なクロスバイクやMTBで使われているのは米式、そしてスポーツバイクで使われている仏式である。

  • 英式バルブは微調整がしづらく、空気圧も正確に測定できない

    英式バルブは微調整がしづらく、空気圧も正確に測定できない

  • 取付けは極めて簡単

    取付けは極めて簡単

  • クリックバルブ

    クリックバルブ

シティサイクルであれば、英式バルブがほぼ100%を占める。このバルブシステムは空気入れの入手が容易で、補修部品も簡単に入手できるのが長所だ。ただし構造上、空気圧の調整&正確な測定ができないという弱点もある。これが、空気を入れるのが面倒かつ、正しい空気圧にしづらい要因だ。

このストレスを解消するのがジョン・キンタナが考案した“クリックバルブ”だ。「子供が従来のバルブだと扱いにくかった」と開発されただけあって、専用のポンプヘッドを使えば脱着が確実、簡単に行える。

ドイツのタイヤメーカー“シュワルベ”がパートナーとなり、英式、米式、仏式のすべてのバルブ用にアダプターが販売されている。既存のバルブコアを外し、アダプターを嵌めるだけなので作業時間は5分。スポーツバイクを持っている人なら、すべてのホイールでバルブを統一することも魅力となる。

手やパンツが汚れないチェーンワックス

  • フィニッシュラインの最高級潤滑シリーズHALO

    フィニッシュラインの最高級潤滑シリーズHALO

クロスバイクで通勤している人なら、チェーンでパンツの裾やソックスを汚してしまったことがあるだろう。それを解消できるのがフィニッシュライン社の“ヘイロー・ホットワックス”だ。

チェーンの潤滑方法には、一般的なオイルを差す方法とワックス処理をする方法がある。後者であるヘイロー・ホットワックスは高精製パラフィン、球状タングステン、セラミック粒子(窒化ホウ素)を配合し、強固なドライコーティングを形成。摩擦低減と耐久性に優れた最高級の潤滑性能を誇る。

汚れや水分を防ぐ効果によって、チェーンは通常のオイルよりもきれいな状態が続く。そのためパンツの裾やソックスに触れても汚れることがなく、自転車通勤でもメリットが得られる。というわけで、クロスバイクを購入した人たちからも人気を集めているという。

施工方法を簡単に紹介すると…… チェーンを外して洗浄。ペレット状ワックスを湯煎で溶かして3分ほどチェーンを漬ける。引き上げて30分乾燥させ、余分なワックスを揉んで落とせば完了である。ただ、文章でサラッと読むよりも手間がかかる。また、ワックスは25本分を処理できる量なので、6,300円とそれなりに費用もかかる。

  • 熱したベレットに3分ほど漬ける

    熱したベレットに3分ほど漬ける

専門店の中にはワックス処理を施工したり、処理済みのチェーンを販売したりするショップもあるので、プロに依頼するのが簡単でオススメだ。ちなみに工賃はチェーンの状態やショップによっても違うが、新品チェーンなら3,000円プラスアルファが相場。距離は800㎞ほどの耐久性がある。さらに、走行しているとギヤの歯先にもワックスが馴染み、走行音も小さくなるというメリットもある。

スマホアプリで解錠

  • アプリで解錠操作ができる

    アプリで解錠操作ができる

施錠を忘れると5分もあれば、簡単に盗まれる。週に1回以上自転車を利用している人の40.9%が自転車の盗難経験がある(au損保2022年調査)という。盗難防止には駐輪場所、施錠方法などいくつかの工夫もあるが、何と言っても、施錠することが大切だ。

鞄の中から自転車用の鍵を探したり、鍵を会社や家に忘れたりしてイラッとした経験は誰にでもあるはず。もし、不便だと思わないなら、駅の改札を切符で通過するときと、ICカードの違いを思い出してほしい。一度、利便性に触れたら、元に戻れないだろう。

セサミサイクル2は、住宅用のスマートロックを手がけるCANDY HOUSE JAPANの自転車用スマートロックだ。スマホのアプリとブルートゥースで接続し、物理鍵を使うことなくスマートフォンから自転車の鍵を解錠できる。

  • セサミサイクル2。色は白と黒がある

    セサミサイクル2。色は白と黒がある

取付けはプラスドライバー1本で簡単に行える。筆者のシティサイクルは買い物カゴやキャリアの位置を動かさないといけなかったが、15分程度で作業は完了。シンプルなシティサイクルなら5分もあれば十分だ。

使い始めて重宝しているのが、家族共有ができること。駅前駐輪場などに家族が駐めた自転車も、アプリで鍵が解錠して使えるのは、想像以上に便利な機能だ。自転車の酒気帯び運転が厳しく取り締まられるようになり、駅から家に帰る途中で免停になる人が激増しているので、お酒を飲む日は家族にピックアップしてもらうことも簡単にできる。

ちょっと離れた距離から、ワイヤレスで解錠できるだけでも満足だが、よりスマート感を味わうなら追加オプションで指紋認証やNFC解錠も可能になる。

今回紹介した3つのストレスの他にも、地味に不便なことはある。すべてとは言わないが、多くは解消できる。「こんなもん」と諦めず、もっと良くなる部分を探しながら走ってみよう。