NHKは11月30日午後9時より、NHKスペシャル「独自調査 "クマ異常事態"の真相」を放送する。

  • 集落に出没した親子グマ(秋田市内)

    集落に出没した親子グマ(秋田市内)

クマによる被害が後を絶たない。今年度の死傷者の数は220人以上。亡くなった人も最多だった2023年度(6人)の2倍を超えるなど、統計が始まって以降、過去最悪のペースで推移している。出没は県庁所在地の中心部や家屋の中にまでおよんでおり、これまでにない異常な事態である。実はこうした人里に現れるクマの生態は、まだほとんど研究が進んでいない。NHKは1年半にわたって自治体や大学と共同で人里周辺のクマを追跡調査。その行動を分析すると変容を遂げつつあるクマの"真の姿"が見えてきたという。

  • 住宅街に出没したクマ(盛岡市内)

    住宅街に出没したクマ(盛岡市内)

今回番組が追跡調査を行ったのは秋田県北部、鹿角市の人里近くに現れた4頭のクマ。装着したGPSやカメラを使ってその行動を追っていくと、研究者も驚くような行動をしていた。見えてきたのは学習能力の高いクマが、人の暮らす場所にどう侵出を始めているのかという実態だ。最新研究では、環境変化でクマの多産化や長寿命化が指摘される一方、私たち人間社会の側の変容もまた、今の状況を招いてしまっている事が分かってきた。

  • 秋田県で行動追跡調査しているクマ

    秋田県で行動追跡調査しているクマ

  • 秋田県での行動追跡調査 わなを設置してもクマはなかなか中に入らない

    秋田県での行動追跡調査 わなを設置してもクマはなかなか中に入らない

  • 行動追跡調査用のわなに入ったクマ

    行動追跡調査用のわなに入ったクマ

このほか番組では10月に81歳の女性がクマに襲われて死亡した秋田県の現地を取材。猟師でもある女性の弟は苦悩にさいなまれながら、その捕獲に乗り出す。「クマが怖くて外に出られない」という声は、市街地中心部でも。相次ぐ出没と被害に、国は緊急対策を打ち出した。私たちはいま、かつてなく人の力が弱く、かつてなく野生動物の力の強い時代に生きている。こうした中で、クマとどう向き合い、安心できる暮らしをどう取り戻していくのか? その道筋を考える。

  • 秋田でクマの調査をおこなう専門家 東京農業大学 山﨑晃司教授

    秋田でクマの調査をおこなう専門家 東京農業大学 山﨑晃司教授

  • クマの個体数管理について長年研究している 兵庫県立大学横山真弓教授(左)

    クマの個体数管理について長年研究している 兵庫県立大学横山真弓教授(左)

  • 集落にクマが現れたときの様子を語る男性(秋田市内)

    集落にクマが現れたときの様子を語る男性(秋田市内)

番組は2025年11月30日午後9時~9時49分放送予定。NHK ONE(新NHKプラス)でも同時配信され、12月7日まで見逃し配信が予定されている。