雨の日のライドを、どう楽しくできるか。

真夏ならともかく、今は一雨ごとに寒くなる季節。わざわざ雨の日に積極的に走りたい人は多くない。でも、自転車は一年中楽しめるスポーツ。天候や季節に合わせて多くのアイテムが用意されており、工夫次第で快適性は大きく変わる。

そこで今回はメインのレインウエアではなく、あると快適性が上がる名脇役を紹介しよう。

アスセーバー

  • アスセーバーはスウェーデンで生まれた簡易泥よけ。レギュラーモデルはシンプルな構造で軽量

    アスセーバーはスウェーデンで生まれた簡易泥よけ。レギュラーモデルはシンプルな構造で軽量

その名の通り、お尻(アス)を路面から巻き上げるしぶきから守るのが「アスセーバー・レギュラー」だ。ポリプロピレンという柔軟性のあるプラスチック製で、手で軽く曲げて十数秒でサドルの裏側に装着できる。簡単に脱着できるので自転車のスタイリングを乱すこともなく、軽いのも特長である。

アスセーバーが活躍するのは、途中で雨が降り出したときや、雨上がりで路面が濡れているときだ。土砂降りの中を走りはじめるなら、スタートするときからレインウエアをしっかり着込める。だが、途中で雨が降るなど、対策をしないままだと、後輪で巻き上げた水でお尻&背中に黒い筋ができる。この筋は洗濯してもなかなかきれいにならないので、自転車通勤&通学の人も用意しておくといい。

少々の雨なら自転車で……という人なら、前輪用の「アスセーバー・フロントフェンダー」もある。これはダウンチューブに装着して、シューズが濡れたり汚れたりするのを防いでくれる。さらに後輪用もシートステーに取り付け、後続するライダーに泥水がかからない「Win Wing」シリーズも登場している。

スポルファ レインホッパーストロング

  • ナノ突起によって水を弾く超撥水フィルム

    ナノ突起によって水を弾く超撥水フィルム

  • 違いの差は歴然

    違いの差は歴然

クリアな視界の重要性は改めて言うまでもない。雨の日にワイパーを動かさずクルマで走るのを想像すれば、クリアな視界が得られない危険性は誰でもわかるだろう。それはサイクリングも一緒。空から雨、前からは他のライダーが巻き上げた水…… 雨の日のサイクリングにアイウエアは欠かせない。

最近は雨や汚れを弾くコーティングや防曇機能付きレンズも増え、重要性が認められつつあるが、コスト面から採用されていないモデルも多い。また、コーティングは使用しているうちに撥水や疎水効果が薄れてしまうので、性能をキープ&向上するためチューンナップを施そう。

ソフト99「スポルファ レインホッパーストロング」は、アイウエアのレンズに貼る超撥水フィルムだ。表面に特殊なナノ突起を形成する凹凸加工が施されており、水滴がレンズ表面に留まることがない。一般的なスプレータイプも十分な撥水効果を得られるが、弱点はコーティング部分に触れると効果が落ちてしまう。その点、フィルムタイプは半年間は性能をキープできる。

  • レンズ曇りを抑える「スポルファ フォグシールド」

    レンズ曇りを抑える「スポルファ フォグシールド」

視界が悪いのは、不快なだけでなく危険を伴う。何度となく峠の下りで怖い思いをしたが、視界不良は走行速度を落としても解決しない。

アイウエアやヘルメットはメンテナンスを怠りがちのアクセサリーだが、中性洗剤でフレームやノーズパッドを軽く洗うだけで傷みを防げる。レンズはメーカーによって手入れ方法が異なるので、メーカーの指定する方法でクリーニングしよう。

これからの季節、フェイスガードをするようになるとレンズが曇ることも多くなるので、「スポルファ レインホッパー ストロング」を外側に、「スポルファ フォグシールド」を内側に施工しておくとレンズの曇りも防げる。

防水ソックス

  • 用途に応じて、様々な種類があるDexshell

    用途に応じて、様々な種類があるDexshell

  • 3層構造で足が濡れない

    3層構造で足が濡れない

雨の中を走っても足が濡れない快適さは、想像以上である。サイクリング専用ソックスは生地が薄く、それを前提にサイクリング用シューズを選んでいるので、防水ソックスを選ぶのは簡単ではない。

サイクリングはシューズもソックスも個性的だ。多くのスポーツはシューズが着地するが、サイクリングは着地しない。そのためソールにクッション性は求められないし、ペダルを踏んだときのダイレクト感を損なわないようにシューズのソールは高く、ソックスも薄くなっている。また、他のスポーツと比べてペダリングは回転数が多く、運動時間も長いのが特長だ。

足が濡れると不快なのは、どのスポーツでも一緒。また、足が濡れて皮膚が蒸れるとマメや靴擦れが起こりやすくなる。ペダリングはランニングよりも足の回転が速いので、足とシューズが擦れる回数が多く、しかも長時間だ。その不安を解消してくれるのが防水ソックスである。

デクシェル/ウルトラシン クルーソックスは、登山やトレイルランなどでも評価の高い防水ソックスだ。外側に耐摩耗性に優れたナイロンニット、中間層に防水透湿膜「ポレール」、内側に抗菌・防臭効果を持つ竹レーヨン素材を採用している。この3層構造により外部からの水の侵入を防ぎつつ、内側の湿気は逃がして長時間のライドでも足をドライに保つ。

防水ソックスは防水層があるため薄手の製品がなく、サイクリング用ソックスでサイズ合わせしてあるシューズと組み合わせるのが難しい。しかし、極薄設計のため、ビンディングペダル用シューズと組み合わせても違和感がない。

装備が揃っていればという前提であるが、サイクリングは雨の日も楽しい。億劫に感じるのは玄関を出るまでの話だ。無理に走る必要はないが、乗りたいと思うなら、雨に怯むことなく走りに出てみよう。路面が滑りやすくなっているので、タイヤの空気圧を晴天時よりも落とすのを忘れずに。