無関係の人を切りつけるなどの無差別的な犯行が目立つようになった近年の状況を踏まえ、三井不動産が商業施設「コレド室町テラス」で本格的な対策訓練を行った。
実施されたのは10月21日の午前中。訓練には警察庁中央警察署、東京消防庁日本橋消防署、日本橋消防団などが参加し、商業施設内において不審者が刃物を振り回し来館者を刺したことに加え、施設内を放火したという想定で行われた。
■商業施設と警察、消防が連携を取りながら、現実さながらの事件を再現
事件は商業施設1階で発生。刃物を持った男が突然周囲の人間を切つけ、さらに放火。事件に気づいた店舗スタッフがすぐさま防災センターに通報し、警備員が来館者を避難させながら、犯人をさすまたで制圧する。その後、警察が通報から約5分で現場に到着し、商業施設外で取り押さえられるという流れ。
訓練は本格的で、犯人役は警察官が担当。エキストラによる来館者が逃げ惑う様子や、警備員と犯人の攻防が臨場感たっぷりに再現されながら、「不審者が刃物を持っている場合などは、絶対に近づかず、大きな声で周りの人にも危険を伝えて避難するとともに助けを求めること」など注意点がアナウンスされた。
訓練は施設外でも行われ、大屋根広場にはパトカーや消防車、大型救急車「スーパーアンビュランス」も実際に出動。犯人確保後には消防隊による消火のシミュレーションや救命救護までを行い、警察と消防、警備員らが連携の取れた動きを見せた。
■官民連携が連携することで、町の安心安全を高める
訓練終了後には関係者による講評が行われた。中央署の中島勝仁署長は「不審なものや不審な人物を見たらすぐに110番してほしい。また、さすまたなどすぐに取り出せるのかなど普段から考えながらマニュアルの見直しをしっかりして、安心安全を高めてもらいたい」とコメント。
日本橋消防署の石澤幸洋署長は「再開発により町に多くの人が訪れるようになり、年末年始に向けてはさらに訪れる方が増加すると考えられる。同時にこういった事件が起きるリスクも高まる中、官民連携して大規模な訓練ができたことは非常に有意義」と語った。
最後に三井不動産ビルディング本部運営企画一部の中原修部長は「昨今、日本全国で凶悪な犯罪のニュースを目にする機会が多数あると感じる中、防犯の面でも自助、共助、公助という観念で常日頃から意識を高めて実践をしていくことが大事。そういう面で、本日、こうして関係者が一同に集まって共同で訓練を実施できたのは大変貴重な機会だ」と強調した。
稼働中のビルでこのような大規模な犯罪対策訓練を実施するのは初めてということ。現場で連携を確認し合う訓練は、何よりも実践的な学びの場となった。警察・消防・商業施設、それぞれの力が交わることで、地域全体の防犯意識をさらに高めるきっかけとなりそうだ。












