自然食研は10月15日、「お酒に強い人・弱い人の飲酒習慣と飲酒後のケア」に関する調査結果を発表した。調査は2025年10月3日~10月6日、週1回以上飲酒する20~60代の男女545人および内科医522人の計1,067人を対象に、インターネットで行われた。

自分はお酒に強いと思う人は約6割

  • 自分はお酒に強いと思いますか? / お酒を飲んだとき、出やすい体の反応は何ですか?

    自分はお酒に強いと思いますか? / お酒を飲んだとき、出やすい体の反応は何ですか?

「自分はお酒に強いと思うか」について尋ねたところ、約6割が「とてもそう思う(13.9%)」「ややそう思う(48.1%)」と回答した。

自身を「お酒に強い」と認識している人が多いことがわかった。日常的な飲酒に慣れており、お酒を飲んだ際の体調の変化をあまり感じていない様子がうかがえる。

次に、「お酒を飲んだとき、出やすい体の反応」について尋ねたところ、「顔が赤くなる(30.5%)」と回答した人が最も多く、「強い眠気(17.8%)」「頭がボーッとする(9.0%)」となった。

「顔が赤くなる」や「眠気」といった反応が上位になり、アルコール代謝の過程で生じるアセトアルデヒドの影響によるものと考えられる。また、「動悸や息苦しさ」という回答も少数見られ、軽視できない生理的反応といえる。飲酒時のこうした反応は、体が「負担を感じている」サインとして捉える必要がありそうだ。

  • 二日酔いになる頻度はどれくらいですか?

    二日酔いになる頻度はどれくらいですか?

「二日酔いになる頻度はどれくらいか」質問した。二日酔いに「全くならない」と回答した人が約4割となり、飲酒翌日の不調を感じにくい人が多数派となった。しかし、症状が出ないからといって体に負担がないとは限らず、見えない肝機能低下や疲労の蓄積にも注意が必要だといえる。

お酒に強い=健康への影響は少ない?

「お酒が強い人ほど、お酒を飲んでも健康への影響は少ないと思うか」質問した。

  • お酒に強い人ほど、お酒を飲んでも健康への影響は少ないと思いますか?

    お酒に強い人ほど、お酒を飲んでも健康への影響は少ないと思いますか?

「お酒に強い=健康的」という誤解に対し、慎重な見方をする方が約7割を占めた。これは、アルコール耐性と健康状態は別問題であるという理解が広まりつつあるといえる。しかしながら、「そう思う」と回答した人が約3割いることから、アルコール耐性と健康を混同する認識は完全には払拭されていないようだ。

お酒に強い人ほど、お酒を飲んでも健康への影響は少ないと思う・思わない理由について具体的に聞いた。

非常にそう思う/ややそう思う

  • 「体に反応が出にくいので」(40代/男性/東京都)
  • 「今が健康だから」(50代/男性/兵庫県)
  • 「酔っても普通の行動ができるから」(50代/男性/静岡県)
  • 「アセトアルデヒド分解力があるから」(60代/女性/兵庫県)

あまりそう思わない/全くそう思わない

  • 「内臓にダメージがくると思うから」(20代/女性/東京都)
  • 「肝臓に負担がかかるし、目に見えてすぐではなく徐々に進行するから」(50代/女性/福岡県)
  • 「お酒に対する耐性と健康は関係ない」(60代/男性/神奈川県)
  • 「強い人ほど飲酒量が多いと思うので健康への負担は大きいと思う」(60代/男性/神奈川県)

お酒に強い人ほど、お酒を飲んでも健康への影響は少ないと思う人の回答は、「体に反応が出にくい」「酔っても普通に過ごせる」といった"実感ベース"の理由が中心だった。

一方で、否定的な回答では「肝臓への負担」や「耐性と健康は無関係」といった医学的視点が目立ち、体感の強さと実際の健康への影響をわけて考える意識が定着しつつあるといえそうだ。

「お酒に強い人も飲酒後のケアが必要」と思う医師は約9割

お酒の強さと健康への影響を別のものと捉える傾向が見られたが、そもそも「お酒に強い・弱い」はどのような要素で決まるのか。ここからは内科医に聞いた。

  • お酒の強い・弱い(アルコール耐性)を決定づける大きな要素は何だとお考えですか? / お酒に強いから飲酒しても大丈夫と認識している人には、"実は見落とされがちな健康リスク"としてどのようなものがあると思いますか?

    お酒の強い・弱い(アルコール耐性)を決定づける大きな要素は何だとお考えですか? / お酒に強いから飲酒しても大丈夫と認識している人には、"実は見落とされがちな健康リスク"としてどのようなものがあると思いますか?

「お酒の強い・弱い(アルコール耐性)を決定づける大きな要素」について尋ねたところ、「遺伝的要素(ALDH2、ADH1Bなどアルコール代謝酵素の多型)(68.6%)」と回答した人が最も多く、「年齢(肝機能・代謝能力の加齢変化)(40.8%)」「性別(体内水分量やホルモンの違い)(40.2%)」となった。

約7割が「遺伝的要素」が大きいと捉えており、体質の個人差が科学的根拠に基づくものであることを示している。また、「年齢」や「性別」といった要素も上位になり、自分の体質を理解した上で、飲酒量や頻度を見直すことが重要であると考えられる。

では、「お酒に強い人」にはどのような健康上の落とし穴があるのだろうか。

「お酒に強いから飲酒しても大丈夫と認識している人には、"実は見落とされがちな健康リスク"としてどのようなものがあるか」について尋ねたところ、「認知症リスクの上昇(アルコール性認知症など)(42.2%)」と回答した人が最も多く、「免疫力低下による感染症リスクの増加(37.2%)」「うつ病や不安障害などのメンタル不調(36.4%)」となった。

この結果から、アルコール耐性が高い人ほど、短期的な不調を感じにくい分、慢性的なリスクがあるといえる。特に、「認知症」や「メンタル不調」など、蓄積して進行する健康リスクの認識が薄いことが懸念される。

  • お酒に強い人が、飲酒に関して自分の健康を過信してしまう原因は何だと考えますか?

    お酒に強い人が、飲酒に関して自分の健康を過信してしまう原因は何だと考えますか?

そこで、「お酒に強い人が、飲酒に関して自分の健康を過信してしまう原因」について尋ねたところ、「若いうちは大丈夫だと思ってしまうから(47.5%)」と回答した人が最も多く、「飲酒後も普段通りに生活できるから(44.4%)」「自覚症状が出にくいから(39.1%)」となった。

お酒に強い人が健康を過信してしまう理由として、「若いうちは大丈夫」「飲酒後も普段通りに生活できる」といった"体感的な安心感"が多く挙げられた。また、自覚症状の出にくさや、肝臓の不調が目に見えにくい点も油断につながっていると考えられる。

では、実際の医療現場では、お酒に強い人・弱い人のどちらに健康トラブルが多いのだろうか。

  • 飲酒による健康トラブルについて、臨床の現場で多いのはどれですか?/お酒に強い人も飲酒後のケアをすべきだと思いますか?

    飲酒による健康トラブルについて、臨床の現場で多いのはどれですか?/お酒に強い人も飲酒後のケアをすべきだと思いますか?

「飲酒による健康トラブルについて、臨床の現場で多いのはどれか」尋ねたところ、内科医の約半数が「お酒が強い人の健康トラブルが多い」と回答した。耐性が高い人ほど飲酒量が増えやすく、結果的に肝臓や循環器への負担が大きくなる可能性がある。体調の変化を感じにくい分、発見や対応が遅れることも考えられ、「飲める=健康」とは限らない現実が示されたといえる。

では、内科医は飲酒後のケアについてどう考えているのだろうか。

「お酒に強い人も飲酒後のケアをすべきだと思うか」について尋ねたところ、約9割が「とてもそう思う(48.1%)」「ややそう思う(46.4%)」と回答した。大多数が飲酒後のケアの必要性を認めており、アルコール耐性の有無にかかわらず、飲酒後の健康管理は欠かせないという共通認識がうかがえる。