あすか製薬は9月19日、「働く女性を対象とした月経随伴症状のセルフケアに関する実態調査」の結果を発表した。調査は2025年8月6日~8月7日、全国の15~44歳の月経があり働いている女性1,000人を対象にインターネットで行われた。
月経随伴症状がありながら「我慢した経験がある」約8割
月経随伴症状とは、月経周期に関連して起こる肉体的・精神的諸症状のこと。一般に月経困難症、過多月経、およびPMS(月経前症候群)を指す。過去1年間に経験した最もあてはまる症状について尋ねたところ、回答者全員が何らかの症状を自覚しており、最も多かったものは「生理痛(腹痛・腰痛)」(52.1%)で、次いで「感情的な変化(イライラや気分の落ち込みなど)」(19.5%)、「疲れやすい・眠気」(17.2%)が続いた。
月経による何らかの症状がありながらも「我慢した経験がある」と答えた人は78.6%にのぼり、8割の女性は不調があっても我慢して日常生活を送っていることがわかった。
月経随伴症状の対処方法は
月経随伴症状に対する具体的な対処法として最も当てはまるものを聞いたところ、「市販薬(鎮痛剤・漢方など)の服用」(46.6%)が最も多く、次いで「休養をとる/安静にする」(16.9%)、「我慢する」(15.1%)、「婦人科を受診する」(9.6%)と続いた。一方で、症状があるにもかかわらず医療機関の受診や薬の服用に頼らない人は43.8%と、半数近くを占める結果となった。
また、対処法別の満足度では「市販薬(鎮痛剤・漢方など)の服用」(77.6%)、「婦人科を受診する」(65.5%)、「休養をとる/安静にする」(61.3%)が高い結果となった。産婦人科受診の満足度は高いものの、多くの人が市販薬や休養などの身近な方法で対応しており、症状の背景にある病気に気づかないまま過ごしている可能性も考えられる。
月経に関する情報の入手方法と信頼性について
月経や月経随伴症状に関する情報を入手する方法を源として最も多かったのは「インターネット検索」(57.9%)で、次いで「SNS」(35.7%)、「生理管理アプリ」(22.3%)と続いた。また、「家族」(17.9%)や「友人」(14.5%)といった身近な人から情報を得ているケースもみられた。
情報の信頼性を判断する基準については、「発信源が信頼できる(自治体・医療機関など)」が47.0%と最も多く、次いで「自分の経験や知識と一致している」(29.5%)、「専門家の監修やコメントがある」(29.4%)、「根拠となるデータが明記されている」(26.5%)という結果だった。インターネットやSNSが主要な情報源である一方で、多くの人が信頼性や根拠を意識して情報を求める傾向があるようだ。
月経随伴症状の就労への影響は?
月経による不調で休暇を取得した人は「有給休暇」(11.9%)、「無給の休暇」(5.6%)、「生理休暇」(4.6%)と、全体で22.1%にとどまった。直近3か月間以内に月経随伴症状による不調で仕事を休んだ日数をもとに、年間の日数を算出したところ、正規雇用は平均7.1日、非正規雇用では平均9.4日という結果となった。
一方で月経随伴症状があっても「休んだことはない」と回答した人は77.9%にのぼった。その779人のうち、95.8%が月経により仕事のパフォーマンスに影響があると回答している。
さらに、「月経がない時の仕事のパフォーマンスを100点」とした場合、月経がある時は平均59.8点にとどまり、40.2%のパフォーマンス低下が認められた。加えて、年間で月経随伴症状により仕事に影響を受ける日数は、正規雇用では平均18.7日、非正規雇用では平均18.2日という結果となり、就労への負担が大きいことがうかがえる。
月経随伴症状に対して必要な支援と期待
近年は女性活躍推進が進み、月経に関する社会的理解も広がりつつあるが、全体的にみると依然として十分とは言えない。月経に伴う不調による離職経験の有無を聞いたところ、6.4%(64人)が「はい」と回答した。理由として、「業務内容が身体的に負担だった」(68.8%)が最も多く、次いで「在宅勤務や休暇制度など、柔軟な働き方ができる体制・環境が整っていなかった」(37.5%)、「相談できる相手がおらず、職場の理解を得られなかった」(26.6%)が挙げられた。
月経時の仕事のパフォーマンスを高めるために必要だと思うことを聞くと、「市販薬(鎮痛剤・漢方等)の服用」(58.4%)、「休養をとる/安静にする」(54.3%)、「お腹や腰を温める」(35.9%)、「婦人科を受診する」(34.7%)といった月経随伴症状へのセルフケアや医療機関への受診が多く挙げられた。一方で、「周囲の理解」(27.3%)、「周囲のサポート」(22.5%)という職場環境への期待や、「自身のヘルスリテラシー向上」(16.4%)、「職場での生理に関する研修」(10.6%)といった教育的な取り組みを求める声も寄せられた。
職場や社会に対して求めたいサポートとしては、「生理休暇・体調不良時の柔軟な休暇取得制度の整備」が52.3%と最も多く、次いで「在宅勤務や時差出勤など柔軟な働き方の選択肢」(38.2%)、「生理用品や痛み止め等の無償提供・設置」(36.0%)と続いた。制度や環境面での改善を望む人が多いようだ。
最後に、今回の調査結果を社会に発信することで期待される変化を聞いた。すると、「月経随伴症状が『甘え』ではなく健康課題として認識されること」(52.5%)、「月経や女性の健康に対する理解が社会全体で深まること」(50.9%)が多く挙げられた。加えて、職場での制度・環境改善や、男性を含む社会全体の理解促進を望む声も多く、月経に関する課題は個々の問題にとどまらず、社会全体で取り組むべきテーマであることがうかがえる。












