「第56回 日本海洋少年団 全国大会『競技の部』東日本地区会場 令和7年度海っ子の祭典」が、8月9日〜10日の日程でホテルマリナーズコート東京にて開催された。日本海洋少年団連盟に加盟する団から約200名の団員と指導者、保護者などの関係者が参加した本大会。8月9日、1日目に実施された手旗の競技の様子を取材した。

日本海洋少年団連盟と全国大会の歩み

1951年に設立された日本海洋少年団連盟は、手旗やロープワーク、カッターや水泳といった海上生活に必要な知識や技術を習得させ、団体生活を通して社会生活に必要な徳性を養うことを目的に活動する公益社団法人。全国に約90の単位団が存在し、約4000名の団員が活動している。

8月9日に行われた本大会には、八戸、天王、酒田、千葉中央、千葉北部、船橋、横浜、横須賀、清水、深沢、目白台、大田区、杉並、葛飾、目黒区、新潟(※友情参加:札幌団)の各団から約200名が参加した。

東日本の各地から海洋少年団の仲間が集まり、開会式では日本海洋少年団連盟歌「みどりの広場」を斉唱と団員宣誓が執り行われ、大会実行委員長の藤田光信氏が登壇。

「海洋少年団の活動の中で、全国大会はたいへん大きな意義を持つイベントのひとつ。こうした大会や平素の団活動を通じ、70有余年の伝統をつくり上げて参りました」と、挨拶した。

「かつてこの全国大会は毎年開催されていましたが、2年に一度の大会となり、コロナ禍で第55回大会が中止になるという経験もしました。昨年には「第56回日本海洋少年団全国大会競技の部」の開催し、今年度は「競技の部」というかたちで第56回大会を開催するというかたちになっています」(藤田氏)

海洋少年団の活動は月2回程度。土曜日か日曜日に半日程度の訓練を通じて、社会に貢献する青少年の育成することを掲げている。

「かつては競技として優劣を競う大会でしたが、今回の大会はこれまでの活動で学んで培ってきた自分の力を試す場、自分はここまでできたということを発表する場として開催しています。私たちは団活動を通じて、簡単に数値化できる成果を求めているわけではありません。今日は団員一人ひとりが自分の持っている力と技量を精一杯、発揮してください。そうした団活動の先に将来の社会貢献につながるような力、例えばコミュニケーション力や自分で発想する力といったものが、きっと自然に身についていくだろうと考えています」(藤田氏)

続いて、日本海洋少年団連盟会長の内藤忠顕氏は「昨年は式典の部、今年は競技の部というという新しい形式で始まりました。宿泊を伴う全国大会ということで、とても楽しい大会になると思います。競技の順位はつけませんが、優秀な方には「満点パッチ」がもらえるともお聞きしているので、ぜひみなさん目指してみてください」と、団員たちにエールを送っていた。

「海洋少年団連盟の会員もなかなか増加に転じるまでには至っていませんが、今年から新たな活性化プロジェクトを始めているところです。日頃ご支援いただいている指導者、保護者の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。この大会が皆さんの夏休みの思い出として残る、良い大会になることをお祈り申し上げます」(内藤氏)

3クラスに分かれて手旗信号競技を実施

その後は全日本海員組合の組合長である松浦満晴氏が登壇し、「本大会の会場であるマリナーズコート東京は、海員福祉研修会館、船員の研修施設としても利用されている施設です」と説明。

2日間にわたって手旗信号競技やロープワーク競技が行われる本大会では、各地の団員同士で親交を深める交流会のプログラムも用意されていることなども紹介し、次のように語っていた。

「東日本の各地から集まられたみなさんには、「海に親しみ、海に学び、海にきたえること」という海洋少年団のモットーを胸に、普段の練習の成果を十二分に発揮して、団員同士で友情の輪を広げていただければと思います」

開会式の後、休憩を挟んで実施された「手旗信号競技」は、手旗を使って文字や信号を送受信する技術を測る競技。手旗信号は2本の旗(通常は赤と白)を使い、特定の姿勢や動きで文字などを表す通信方法で、海上では遠く離れた場所にいる人に、正確かつ迅速に情報を伝えるため使用される。

本大会ではA〜 Cの3クラスに分かれて競技が実施された。日本海洋少年団の団員は入団後、教育・訓練システムの習得状況に応じて「ラッコ級」「教育級」「初等級」「中等級」「高等級」と進級する。本大会の競技のクラス分けも競技参加者の級や難易度に応じているという。

競技は参加者への受信用紙・回答用紙の配布、通信文の原稿の開封、試し打ち(受信しづらくないかの確認)、「無意味」の送信、「有意味」の送信という流れ。受信競技では送信者が送信する信号文を競技参加者が一斉に受信する。

無意味では5文字ごと、有意味では区切りの良いところで区切り、補助員がホイッスルを吹鳴。通信文はそれぞれ5分ほどで打たれ、その後は誤字などを確認する1分間の清書時間も設けられる。未就学児や小学校低学年を主な対象となるCクラスも、基本的には同じ流れになっており、参加者たちの真剣な眼差しが印象的だった。

手旗信号競技の終了後は「ラッコ級」「教育級」「初等級」の団員による交流会が同会場で行われたという。

海洋少年団の団員資格は、男女とも幼稚園児から高校生(同年齢を含む)まで。団費のほか、制服、制帽、手旗、ロープ、き章などの費用が必要だが、各団の指導者がボランティアで活動に寄与しているため、比較的少額とのことだ。