東京・高輪の「物流博物館」にて、小学生とその保護者を対象としたイベント「内航船ペーパークラフトを作ろう!」が8月19日に行われました。

今回のイベントは、日本内航海運組合総連合会が共催して実施されたもの。日本の港から港へ貨物を運び、くらしと産業に欠かせない貨物をたくさん運ぶ内航船に関するお話とペーパークラフト工作を教えてもらいます。

「RORO船」ってどんな船?

イベントの先生は、工作ユニット「オトウカトウ」の二人。児童書編集者のおとうとしゆきさんと、イラストレーターのかとうとおるさんによる工作ユニットです。

「今日はみんなのために船を取材してきましたよ!」と、写真を見せてくれるおとうさん。港では様々な船が見られたようです。

自動車を運ぶ自動車専用船、たくさんのコンテナを運ぶコンテナ船、クレーンが乗っている砂・砂利・石材専用船、そして石油などをはこぶ油送船(オイルタンカー)、化学薬品を運ぶケミカル船など、ひとつひとつ船の特徴をおとうさん・かとうさんと一緒に見ていきます。

そこに突然現れたのは、かとうさん……ではなく、船長の格好をした「キャプテンRORO(ローロー)」!

今回ペーパークラフトでつくるのは「RORO船(ローローせん)」。「RORO船、知っている人いますか?」と聞いても、みんな知らない様子……。

「RORO船」は、荷物を積んだトラックなどがそのまま乗り降りできる船のことで、"Roll-on(乗り)/Roll-off(降り)"が名前の由来です。北海道の生産地で牛乳を積んだタンクトレーラーがRORO船に乗り込み、目的の港から加工工場へ向かう様子の動画を、キャプテンROROと見ていきました。「みんなが大好きな牛乳やソフトクリームも、こうやって船で遠いところから運んでくれているんだね」とキャプテンRORO。

船で荷物を運ぶメリットは?

もうひとつ、キャプテンROROは「内航海運」という言葉も教えてくれます。「『内航海運』っていうのは、日本の国内の港から港へ荷物を運ぶこと。この時に使う船を『内航船』と言うんだって」。反対に日本と海外を船で運ぶことは「外航海運」と呼ぶそうです。

そしてここからは、みんなでクイズに挑戦!

「日本国内で、どれが一番多く荷物を運んでいるでしょうか?」とキャプテンRORO。内航海運の内航船、トラック、貨物列車、飛行機のうち、一番多く荷物を運んでいるのは……?

答えは「トラックなど(自動車)」、続いて「内航海運の内航船(内航)」。この2つで約95%近い荷物を運んでいます。

続いて「ある荷物を運ぶときに使うエネルギーは、どれが一番少ないでしょうか?」というクイズも。普段あまり考える機会がない質問ですが、時間がかからない飛行機が一番少ないかも……?

このクイズの答え、一番少ないエネルギーで荷物を運べるのは「貨物列車」、その次が「内航海運」でした。飛行機やトラックは、同じ荷物を運ぶ場合、より多くのエネルギーを使うようです。

さらに船は、燃料を燃やしたときに出る二酸化炭素もトラックと比較して少なく、地球にやさしい荷物の運び方。キャプテンROROは、「船は一度に多くの荷物を運べるから省エネルギーだし、地震などの災害で道路や線路が壊れてしまった場合でも、海上を進む内航船は活躍できます」とまとめました。

また、内航船に乗って全国の港を回る「内航船員」の働き方や、船員になるためにどこで学べばいい? といったことの紹介もされました。

RORO船のペーパークラフトを作ってみよう!

内航海運やRORO船について勉強したあとは、ペーパークラフト工作の時間! 今回作るのは、先ほど学んだ「RORO船」。1/800サイズの本格的なペーパークラフトです。

見本と見比べて、説明書を読みながら、プチプチと台紙から外していき……難しいところはお母さんやお父さんと一緒にチャレンジしていきます。

今回のペーパークラフトで一番難しいポイントは、RORO船の特徴である「ランプウェイ」。

ランプウェイはトラックが船に出入りするための走路で、船尾や船側にあり、このペーパークラフトでももちろん再現されています。

細かいパーツやちょっと複雑な組み合わせ方があっても、みんな見本や説明書を見ながら丁寧に組み立てて成功していた様子。港で本物を見るとあまりの巨大さに圧倒されるRORO船ですが、ペーパークラフトでひとつひとつパーツを作っていくと、こんな作りになっているのか! と発見がありそう。

おとうさんやキャプテンROROのアドバイスを受けながら……

完成! ランプウェイもしっかりとできたようです。

自分だけのRORO船ができたあとは、キャプテンRORO……ではなく、イラストレーターのかとうさんが子どもたちの似顔絵と将来の夢をイラストにしてくれました。

今回ペーパークラフト工作のイベントが行われた物流博物館は、物流を専門に扱う日本唯一の博物館です。物流のしくみや歴史について、映像や展示資料で紹介するだけでなく、空港・港湾・鉄道・トラックの各ターミナルを再現したジオラマ模型も。RORO船のペーパークラフトを作り内航海運について学んだ後の子どもたちは、興味津々の様子でジオラマを見ていました。