「もっと認められたい」「誰かに必要とされたい」そんなふうに思うことはありませんか? それは決してわがままでも、あなたが弱いからでもありません。承認欲求は、誰にでも備わっているごく自然な感情です。

ただし、この気持ちが強くなりすぎると、他人の目を気にして疲れてしまったり、自分らしさを見失ってしまったりすることも。

この記事では、「承認欲求を満たすにはどうしたらいいのか?」という悩みに寄り添いながら、心が楽になる満たし方や考え方をわかりやすく解説します。「今の自分でも大丈夫」と思えるヒントを、ぜひ見つけてみてください。

そもそも承認欲求とは

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    あなたは承認欲求について知っていますか?

まずは承認欲求について解説していきます。

承認欲求の意味

承認欲求とは、「他人に認められたい」「価値ある存在として受け入れられたい」と願う気持ちのこと。心理学者アブラハム・マズローの「欲求の5段階説」では、上位にあたる重要な欲求として位置づけられています。

この承認欲求には、大きく分けて以下の2つがあります:

  • 外的承認:「他人から褒められたい」「注目されたい」といった、外側からの評価を求める気持ち。

  • 内的承認:「自分自身が自分を認めたい」「自分の努力や存在に納得したい」といった、内側からの評価。

どちらも、心の安定や自己肯定感を育むうえで欠かせない感情です。

「認められたい」と思うのは変?

「承認欲求が強い人って面倒くさそう」そんな印象を持たれることがあるかもしれません。ですが、誰かに認められたいと感じるのは、とても自然で健全な心の動きです。

人は他者との関わりのなかで、自分の存在価値を感じたり、自信を持ったりするもの。実際、誰かに「いいね」と言ってもらえることで、やる気が出たり、気持ちが前向きになったりしますよね。

この気持ちを「変」と否定してしまうと、自分の感情を押し殺すことになり、かえって心のバランスを崩してしまうこともあります。

承認欲求の強さには個人差がある

承認欲求の強さには個人差があります。その背景には、育ってきた環境や性格、過去の経験などが大きく影響していることが多いです。

たとえば、子どもの頃にあまり褒められずに育った人は、大人になってからも「もっと認められたい」という気持ちが強くなる傾向があります。

自分自身や身近な人の承認欲求を理解するためにも、「なぜこの人はこんなにも認められたがっているのか?」と、その背景に思いを巡らせてみることが大切です。理解しようとする姿勢が、お互いにとって心地よい関係を築く第一歩になります。

承認欲求が強すぎるとどうなる?

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    承認欲求が強いと、生きづらく感じてしまうことも

承認欲求は誰にでもある欲求ですが、それが過剰になると、自分を苦しめる原因にもなります。誰かに認められることばかりを気にしすぎると、肝心の自分の気持ちが見えなくなったり、人間関係がギクシャクしたり。

ここでは、承認欲求が強くなりすぎたときに起こりがちな問題について紹介します。

SNSの「いいね」に一喜一憂してしまう

SNSで投稿に「いいね」やコメントがつくと、誰でも嬉しいものです。しかし、それに過度に依存してしまうと「いいねが少ないと不安になる」「たくさんもらうために無理して頻繁に投稿する」といった状態に陥りやすくなります。

評価ばかりを優先すると、自分の本当の感情よりも“ウケること”が基準になり、心がどんどん疲れてしまいます。

他人の目ばかり気になって疲れる

「どう思われているだろう」と他人の視線ばかり気にしてしまうと、自分らしさを押し殺すことになります。承認欲求が強すぎると、常に評価を意識してしまい、本音を言えなかったり、必要以上に空気を読んでしまったりすることも。そうなると行動や言葉に自信が持てなくなり、日常そのものが生きづらくなってしまいます。

相手の期待に応えようと無理をする

「もっと褒められたい」「期待に応えたい」という気持ちから、頼まれごとを断れずに無理をしてしまう人もいます。本当はつらいのに笑顔をつくったり、自分の限界を超えて頑張ってしまったりすることもあるでしょう。一時的には評価されても、長く続ければ自分をすり減らすことになります。

承認欲求を満たすために自分を犠牲にしてしまっては、本末転倒です。

「自分らしさ」を見失ってしまう

承認されることばかりに意識が向くと、「自分は本当は何をしたいのか」「どんな人間なのか」がわからなくなることがあります。

誰かに合わせてばかりいるうちに、自分の価値観や信念を見失ってしまうのです。気がつけば「これは本当に自分の意思だったのかな?」と、自分自身に疑問を抱くような感覚に陥ることもあります。

人間関係が苦しくなる

承認欲求が強すぎると、人間関係のバランスも崩れやすくなります。「認めてほしい」という気持ちが先行すると、相手に依存したり、必要以上に期待してしまったりして、関係がうまくいかなくなることもあります。

さらに、他人と自分を比べて劣等感を抱いたり、些細な言動に傷ついたりして、人間関係そのものに疲れてしまうことが増えてしまうのです。

心が軽くなる! 承認欲求の満たし方

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    健全な方法で上手に承認欲求を満たしていきましょう!

「誰かに認められたい」という気持ちは、決して悪いものではありません。むしろ人間らしく、自然な感情です。大切なのは、その気持ちに振り回されず、健全な方法で満たしていくこと。

ここでは、心が楽になる承認欲求との付き合い方を紹介します。今の自分を少しずつ認めていけるようになることで、他人の評価に依存せず、自分らしい人生を歩むヒントが見えてくるはずです。

自分で自分を認めてあげる

まず大切なのは、他人の言葉や評価を待たずに、自分で自分を認める力を育てることです。「今日もきちんと起きて出勤できた」「苦手な人に笑顔で挨拶できた」など、ほんの些細なことでかまいません。毎日、自分の中の“がんばったポイント”を見つけて、「よくやったね」「えらいね」と声をかけてあげましょう。

自分自身が自分のいちばんの理解者であること。それだけで、心は不思議と安定していきます。

小さな成功をコツコツ積み重ねる

承認欲求を安定的に満たしていくためには、「できた」という感覚を積み重ねることが重要です。大きな成果を求める必要はありません。「今日は10分でも勉強できた」「予定通りに帰宅できた」など、小さな達成を丁寧に見つけていくことで、「わたしは大丈夫」と感じられる土台が育っていきます。

この積み重ねが、他人の評価に左右されない、自分への信頼=自己肯定感へとつながります。

本音で話せる人とつながる

承認欲求が膨らみすぎてしまう背景には、「本当の自分を見せられない孤独感」が潜んでいることもあります。だからこそ、気持ちを素直に話せる相手の存在はとても貴重です。家族や友人、趣味の仲間など、どんな関係でもかまいません。「わたし、こう思ってるんだよね」と自然に話せる相手がひとりでもいるだけで、「認められたい」という思いは少しずつ落ち着いていきます。

自分の「価値観」を明確にする

他人の期待や基準に振り回されず、自分らしく生きるためには、「自分が大切にしたいことは何か?」を知ることが欠かせません。たとえば「丁寧に暮らすこと」「好奇心を大事にすること」「家族との時間を優先すること」「チャレンジし続けること」など、自分なりの価値観を明確にしておくと、他人の評価に依存しすぎなくなります。

価値観がはっきりすると、「自分が納得できるかどうか」を基準に判断できるようになり、心が楽になります。

比べる相手を減らしてみる

SNSや日常の中で、つい他人と比べてしまって落ち込んだ経験はありませんか? 「自分よりすごい人」と比べることでしか価値を見いだせなくなると、心の安定はどんどん失われてしまいます。

「比べないようにする」のは簡単ではありませんが、まずは自分が見てしんどくなる投稿をミュートしたり、人と比較しない時間をつくったりするなどの工夫をしてみてください。自分のペースを大切にすることで、「わたしはこれでいい」という安心感が少しずつ育っていきます。

これは逆効果! NGな承認欲求の満たし方

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    承認欲求の満たし方を間違えないように気を付けて

承認欲求を満たそうとするあまり、逆に孤独になったり自信を失ったりすることがあります。ここでは、気づかないうちにやってしまいがちな「NGな承認欲求の満たし方」を紹介します 。

過度に自己主張をする

「もっと注目されたい」「理解されたい」と思う気持ちは自然ですが、必要以上にアピールしてしまうと、かえって周囲との距離ができてしまいます。

自己主張は大切ですが、「押しつけがましい」「自慢っぽい」と受け取られてしまうと、相手には重たく感じられることも。自然体でいられる関係こそ、真の理解と承認を育てていく土台になります。

褒められるために無理をし続ける

「すごいね」と言われたくて、キャパシティ以上にがんばってしまうことはありませんか? 一時的に評価されても、無理が続くと心も体も疲れ果ててしまいます。さらに、その努力を誰にも気づいてもらえなかったとき、自分の価値そのものを否定されたように感じて深く落ち込んでしまうことも。

大切なのは、他人ではなく自分自身が「よくがんばった」と認めてあげることです。

相手の期待に合わせすぎる

「期待に応えたい」という気持ちは、承認欲求に根ざしたものですが、それが行きすぎると自分の意思や感情を後回しにしてしまうことがあります。

その結果、「本当はしたくなかったのに」「なんでこんなに無理してるんだろう」と、後から苦しくなることも。できないことは「できない」と、正直に伝える勇気を持つことも、自分を守る大切な行動です。

他人の反応を求めすぎる

LINEの既読やSNSの「いいね」、ちょっとした言動の反応などを過剰に気にしてしまうと、心の安定が失われやすくなります。「反応がない=自分に価値がない」と思い込んでしまうのは危険です。他人の反応はコントロールできません。

大切なのは、「反応があってもなくても、自分の価値は変わらない」と自分に言い聞かせること。自然体でいられることが、最終的には信頼や安心につながります。

認められたいとアピールする

「がんばってる私を見て」「もっと評価されたい」という気持ちがにじみ出すぎると、相手にはプレッシャーとして伝わってしまうことがあります。

その人の魅力は、無理にアピールしなくても自然に伝わるものです。あなたのまっすぐな行動や優しさは、きっと誰かの心に届いています。焦らなくて大丈夫。自分らしくあることが、もっとも確実で心地よい承認につながっていきます。

承認欲求が満たされない時の対処法

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    誰かに話を聞いてもらうのもおすすめです

「誰かに認められたいのに、誰もわかってくれない」と感じてしまうときもありますよね。そんなとき、無理にポジティブになろうとするのではなく、「今の自分の気持ち」に目を向けてあげることが大切です。

ここでは、承認欲求が満たされずにモヤモヤしたときに試してほしい、心を落ち着かせる方法を紹介します。

自分の気持ちを言葉にする

「わかってほしいのに、誰にも伝えられない」という思いは、胸の中でため込むほど苦しくなっていきます。まずは、自分が何を感じているのかを言葉にしてみましょう。 「わたしは今、寂しいんだな」「認めてもらえなくて悔しいんだな」このように言葉にするだけで、気持ちを少し客観的に見られるようになります。

信頼できる人に打ち明ける

気持ちを話せる相手がいると、それだけで心が軽くなります。「こんなことで悩むなんて情けない」と思う必要はありません。信頼できる人は、あなたを責めることなく耳を傾けてくれるはずです。人に頼ることは弱さではなく大切な強さです。

SNSなどからちょっと距離を置く

「他人の目」を意識しすぎる環境に長くいると、知らず知らずのうちに心が疲れてしまいます。そんなときは、スマホを置いて散歩をしたり、義務感で続けていることを一時的に休んだりしてみましょう。

空を眺める、好きな音楽を聴くなど「自分だけの世界」に浸る時間を持つことで、心がリセットされます。

紙に書き出して気持ちを整理する

頭の中で考えているだけだと、気持ちは絡まっていきやすいもの。ノートやメモに思いを全部書き出してみましょう。「誰にも見せない」と思えば、自由に書けますよね。書くうちに「本当はこう思っていたんだ」「ここは気にしすぎかも」と気づけて、自然と心の整理が進みます。

専門家に頼る

どうしても気持ちが晴れないときは、心の専門家に相談するのもひとつの選択肢です。カウンセラーや心理士は、安心して話せる環境を整えてくれる“話し相手のプロ”。「話すことで楽になるなら、試してみてもいいかも」と思える自分を、ぜひ大事にしてください。あなたの気持ちを受けとめてくれる専門家を探して相談してみましょう。

自分に優しくなって承認欲求とうまく付き合おう

  • 承認欲求を満たすには? 心がラクになる承認欲求の満たし方

    承認欲求を味方につけよう!

承認欲求は誰の心にもある自然な感情です。それに振り回されず、自分の心と丁寧に向き合っていくことで、自分のなかに「大丈夫」の軸を育てていくことができます。

他人の目に頼らなくても、自分を認められる力があれば、もっと自由に、自分らしく生きられるはずです。