サントリー食品インターナショナルは、「GREEN DA・KA・RA」ブランドの熱中症対策啓発活動の一環として、地面の照り返しの影響差などにより、子どもの高さで計測した温度が大人と比較して+7℃程度※1にもなる、子ども特有の暑熱環境を「こども気温」と称し、2023年より子どもの熱中症対策に関する啓発活動を行っている。

  • サントリー 熱中症対策啓発活動

サントリー食品インターナショナルは、東京都の後援を受け、「こども気温」や「いい日陰」の見つけ方を学べる「2025年『こども気温』啓発イベント ~夏休みに親子で“いい日陰”ハンティング体験~」を、7月23日~25日まで、猿江恩賜公園(東京都江東区)で開催する。

サントリーとウェザーマップ社の共同実験にて、「こども気温」のような、子ども特有の暑熱のリスクから逃げられる「いい日陰」の条件を検証するために、子どもたちの遊び場である公園内のさまざまな「日陰」の暑さ指数(WBGT)を、子どもの高さで測定・比較した。本検証実験は、「まちなかの日陰・暑さの専門家」でもある武蔵野大学教授・三坂育正先生の監修・立ち会いのもとで実施し、考察している。

  • 日陰での暑さの違い

検証実験概要は以下の通り。

・日時:2025年6月30日11:45~14:10

・場所:猿江恩賜公園(東京都江東区)

・天気:晴後薄曇(はれのちうすぐもり)、東京都心の最高気温33.2℃

・概要:公園内の日陰4カ所と日向1カ所にて、各地点の暑さ指数(WBGT)を黒球式熱中症指数計にて計測。熱中症指数計は、子どもの熱中症リスク軽減につながるような「いい日陰」の条件を検証する目的で、子どもの胸の高さとして地面から80cmの高さに設置。また、各地点の表面温度について、赤外線サーモグラフィーにて撮影した。なお、以下に示す暑さ指数の計測結果は、計測時間内で日向の暑さ指数の5分間の平均値が最も高くなった、11:53~11:58の値。

  • 検証実験結果

今回検証した日陰スポットの中で、最も暑さ指数が低かったのは「5 大きなイチョウの木陰」で、「1 広場中央の日向」と4.2℃の差がついた。「5 大きなイチョウの木陰」は、複数並ぶ樹高の高いイチョウが大きな濃い日陰を長時間保ち続けることや、周囲に広がる植物の蒸散効果(葉から水分が蒸発する際の気化熱で周囲の空気や植物自体の温度を下げる)により、暑さ指数が低くなったと考えられる。

「1 広場中央の日向」は暑さ指数31.2℃と、熱中症警戒レベルで「危険」の水準であるところ、「5 大きなイチョウの木陰」は暑さ指数27.0℃と、「警戒」の水準であった。これは「危険」より2段階低いレベルであり、熱中症予防における暑熱リスク低減への効果が期待される。

遊具の下や木陰など、複数の日陰で測定を行った結果、「2 遊具の下の小さな日陰」と前述の「5 大きなイチョウの木陰」では、暑さ指数で2.9℃の差が確認された。熱中症警戒レベルにおいても、「2 遊具の下の小さな日陰」は暑さ指数29.9℃で「厳重警戒」なのに対し、「5 大きなイチョウの木陰」は「警戒」と、1段階低い水準であった。

「2 遊具の下の小さな日陰」は、「1 広場中央の日向」の次に暑さ指数が高く出ており、周囲にある砂・小石の地面や頭上にある遊具自体が熱を持ち、そこからの放射熱の影響で日陰の効果が低かったと推察される。このように、一口に日陰と言っても、熱中症警戒レベルの区分が変わるほど、条件により良し悪しがあることが明らかとなった。

暑さ指数の低かった「5 大きなイチョウの木陰」と「4 建物のそばの木陰」では、いずれも大きな日陰があり、周囲に自然が多く、日陰の地面や周囲からの放射熱が比較的弱いことが、日陰の効果を高めた要因の一つとして考えられる。特に身長の低い子どもは、地面からの放射熱の影響を受けやすく、「こども気温」のような大人以上に暑熱リスクの高い環境に置かれているため、日陰の大きさや地面素材、植物の有無に注意しながら、暑さから逃げられる日陰を選ぶことを推奨したい。

「まちなかの日陰・暑さの専門家」でもある三坂先生監修のもと、子どもに「いい日陰」を見つけてもらうためのキーワードとして、「夏の『お・か・し』」を作成した。このキーワードは、前述の検証実験結果も参考に、「こども気温」のような暑熱リスクを下げることができる「いい日陰」の条件の中から、特に子どもが見分けやすく、覚えやすい3つのポイントを選び、誰でも親しめる形にまとめたもの。

特に「お・か・し」の「お」と「し」は、子ども特有の暑熱リスクに影響する、放射熱を少なくするためのポイントとなっている。

1.「お」:「おおきいひかげ」であること

大きな日陰は、体全体を覆い、太陽の直射日光を妨げられるだけでなく、日向の地面からの放射熱を効果的に避けることができる。

2.「か」:「かぜがとおる」こと

風が通ることで、空気がこもりにくく、体感温度が下がります。また、風通しの良い場所では、汗が蒸発しやすくなり、体の熱を逃がしやすくなる。

3.「し」:「しぜんのちかく」であること

植物が葉や茎などの表面から水分を蒸発させること(蒸散作用)で、周りの気化熱を奪い、周囲の温度を下げる効果があります。また、葉の温度が下がることで、葉から放射される赤外線(熱放射)も抑えられるため、熱がこもりにくくなる。芝生など地面が植物の場所は、放射熱が少ないと言える。

  • 夏の「お・か・し」

※1 子どもと大人それぞれの高さでの空気の温度差(輻射[ふくしゃ]熱の影響を含む)を、晴天時・無風・30℃以上の環境下・市販の測器によって日向で計測しました。検証実験の概要・結果については「『こども気温』検証実験についてを参照。