写真:産経新聞社

プロ野球 最新情報

 埼玉西武ライオンズの今井達也が、驚異的な投球を見せている。5月に月間MVPを獲得し、6月17日のDeNA戦では、松坂大輔の球団記録を更新する17奪三振を記録した。ファンを大切にする姿勢と、ライオンズのエースの系譜を受け継ぐ今井が、チームを「最下位からの逆襲」へと導く。(文・羽中田)

 
 背番号「48」の今井達也は、我々の想像を遥かに超える快投を続けている。
 
 オールスターゲーム先発投手部門のファン投票で、堂々の上位3人に名を連ねる剛腕だ。特に5月の活躍は圧巻だった。5試合に登板し、合計37イニングを投げ、驚異の43奪三振を記録。3勝0敗と抜群の安定感を見せた。その活躍は高く評価され、同僚のタイラー・ネビンとともに月間MVPを受賞。まさに名実ともに「大エース」への階段を一歩一歩登っている。
 

 
 その右腕が、6月17日に行われた横浜DeNAベイスターズ戦で記録を作った。松坂大輔が保持していた「1試合最多奪三振」の球団記録を更新したのだ。試合では3回、6回、9回と、節目のイニングでそれぞれ三者連続三振を奪い、合計17奪三振という圧巻の投球内容を披露した。
 
 今井の強さ、成長の背景に迫ると、ライオンズが誇ってきた「エースの系譜」が見えてくる。西口文也(現:西武監督)、松坂(現:野球解説者)、涌井秀章(現:ドラゴンズ)、菊池雄星(現:エンゼルス)──。これまで球団を支えてきたそうそうたる顔ぶれに、今井も確実に肩を並べつつある。
 

どのチームにとっても「今井=脅威」
 
 彼らに共通するのは「勝ちを計算できる投手」であること。今井も、今季は左のエース・隅田知一郎とともにリーグ2位タイとなる6勝をマーク。昨季、チームは91敗を喫して苦しいシーズンを送っただけに、エースが投げる日に「勝てる」と計算できるのは、チームにとって非常に大きなプラス材料だ。
 
 それだけの信頼があるからこそ、今井は2年連続で開幕投手を任されている。昨季は松井稼頭央監督が、今季は西口監督が、開幕を任せた。その抜擢には、チームを背負う投手としての期待が込められている。今井は昨季、チームが苦手としていたロッテ戦で2戦2勝を挙げ、首位を走る日本ハム戦でも3試合に登板し、1勝1完投と堂々たる成績を残している。もはやどのチームにとっても「今井=脅威」と認識されていることは間違いない。
 
 その今井の姿は、ファンの目にも深く焼き付いている。本拠地・ベルーナドームでの試合前、ベンチからブルペンへ向かう彼の堂々たる後ろ姿に合わせて、レフトスタンドには「今井タオル」や横断幕がずらりと並ぶ。試合開始直前、女房役の捕手・古賀悠斗とともにブルペンから姿を現すと、三塁側全体が割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。この光景はベルーナドームだけでなく、6月17日の横浜スタジアムでも同様だった。平日の試合にもかかわらず、三塁側には大勢のライオンズファンが駆けつけ、今井が三振を奪うたびに、スタンドからは大歓声が巻き起こった。
 
 今井の右腕、マウンドさばき、そして野球に対する真摯な姿勢──。全てが今、ライオンズの浮沈を左右する時代になりつつある。
 
 チームは、2019年のリーグ連覇以来となる交流戦勝ち越しを決めた。2019年当時の今井は、才能の片鱗を見せながらも制球難に悩み、不安定さと常に隣り合わせだった。誰もがそのポテンシャルを認めていたが、ローテーションに定着できるかは未知数だった。
 

試合を支配できる投手へ
 
 しかし今井は、課題だった四死球を減らすためにフォーム改良と筋力強化に取り組み、2021年には自身初となる規定投球回をクリア。そして、最も大きな成長は「メンタル」だった。強い気持ちを持ち続けることで、試合を支配できる投手へと進化した。
 
 今季、交流戦終了時点での成績は6勝2敗、防御率1.17、104奪三振、2完投と他を圧倒する内容を誇る。圧巻の数字が物語るように、相手打者は完全に今井を攻略できずにいる。
 
 6月27日(金)からは、本拠地で首位・日本ハムを迎える大一番が控えている。今井の得意とする夏場、そして勝負の9月に向けて、勢いをさらに加速させたいところだ。
 
 リーグ連覇時に届かなかったクライマックスシリーズ制覇、そして2008年以来となる日本一へと突き進む未来が、いよいよ現実味を帯びてきている。
 
 今井の心、技、体──そのすべてがファンを魅了し、スタンドを熱狂させる。 「最下位からの逆襲」へ。タテガミを靡かせ、ファンとともに最後の一球まで戦い抜く。





【動画】今井達也、今季初完封の瞬間がこちら!
DAZN Japan BASEBALLの公式Xより

 

 

これが“エースの矜持”

最後は3者連続三振締め!
今井達也 自己最多「17」奪三振で今季初完封 「DAZN BASEBALL」
月々2,300円 (年間プラン・月々払い)
年間契約の初月無料

登録はこちら⏬

⚾プロ野球(2025/6/17)
🆚DeNA×西武
📱Live on DAZN

— DAZN Japan BASEBALL⚾️ (@DAZNJPNBaseball)



 
【関連記事】




 
【了】