主力に”異変”…?今シーズン不振に苦しむ大物選手6人。実力を発揮できてい…

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 一流選手同士が熱い戦いを繰り広げるプロ野球の世界においては、どれだけ実力のある選手でも、安定した成績を残し続けるのは容易ではない。今シーズンのプロ野球でも、十分な実績を持ちながら、不振に悩まされている選手がいる。そこで今回は、不振に苦しむ大物選手を取り上げたい。(今季成績は6月18日時点)

戸郷翔征

・投打:右投右打

・身長/体重:187cm/85kg

・生年月日:2000年4月4日

・経歴:聖心ウルスラ学園高

・ドラフト:2018年ドラフト6位

 

 徐々に本来のピッチングを取り戻しつつある戸郷翔征だが、完全復活とは言えない状況が続いている。

 

 聖心ウルスラ学園高を卒業後、2018年ドラフト6位で読売ジャイアンツに入団。2019年には高卒1年目にして一軍マウンドを経験、プロ初勝利もマークした。

 

 

 プロ2年目となる2020年には大きな飛躍を見せ、9勝をマーク。2021年は防御率4.27に終わったが、2022年には自身初の2桁勝利となる12勝を記録し、最多奪三振のタイトルを獲得した。

 

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表に選出され、好投を見せた戸郷。昨季も勝ち星を積み重ね、最終的に3年連続の12勝をマークするなど、球界を代表する選手になった。

 

 しかし、今季は開幕から不調に苦しみ、勝ち星が付かない期間が続いた中、4月に二軍降格。5月に一軍復帰を果たし、ヤクルト戦で今季初白星をマークした。

 

 6月8日の楽天戦でも7回3安打無失点で2勝目を上げ、復調気配を見せていたが、同15日のオリックス戦では5回5失点と、波に乗り切れない投球が続いている。巨人の命運を握っている選手だけに、復調が望まれる。

田口麗斗

・投打:左投左打

・身長/体重:171cm/79kg

・生年月日:1995年9月14日

・経歴:広島新庄高

・ドラフト:2013年ドラフト3位

 

 歯車が噛み合わない状態の東京ヤクルトスワローズ。安定感抜群の田口麗斗も、今季は開幕から波に乗れていない。

 

 広島新庄高から2013年ドラフト3位で読売ジャイアンツに入団。高卒2年目に一軍マウンドを経験すると、2016年から先発ローテーションの一角として活躍し、10勝をマーク。

 

 

 翌2017年には自己最多となる13勝をマーク、防御率も3.01と安定した成績を残し、巨人の先発ローテーションに欠かせない選手になったかに見えた。

 

 しかし、2018年は16試合の登板で2勝8敗と大きく負け越し、成績が低迷。翌年以降も復活の糸口を掴めず、2021年シーズンの開幕前にトレードが発表され、ヤクルトに移籍した。

 

 新天地では先発、中継ぎをこなし、本格的にリリーフとして起用された2022年は45試合の登板で防御率1.25、18ホールドの成績を記録。翌年は抑えに転向し、50試合登板で防御率1.86、33セーブの好成績を収めた。

 

 昨季も一定の成績を残したが、今季は開幕から不振に陥っている。対右打者への被打率が3割を大きく超えているため、改善が急務となっている。

梅野隆太郎

・投打:右投右打

・身長/体重:173cm/77kg

・生年月日:1991年6月17日

・経歴:福岡工大城東高 - 福岡大

・ドラフト:2013年ドラフト4位

 

 昨シーズンに引き続き、不振に苦しんでいるのが阪神タイガースの梅野隆太郎だ。

 

 福岡工大城東高から福岡大に進学し、日米大学野球ではキャプテンを務めた経歴がある梅野。2013年ドラフト4位で阪神に入団した。

 

 

 ルーキーイヤーは92試合に出場すると、打率は1割台に沈むも、7本塁打を放つパンチ力を見せた。翌年以降は伸び悩む時期もあったが、2017年から徐々に出場機会を増やした。

 

 2018年にはレギュラーの座を掴み取り、132試合に出場。打率.259、8本塁打の成績を残し、打撃・守備の両面でチームに貢献。

 

 しかし、2022年からはチームの方針で坂本誠志郎との併用でのスタメン起用が増え、持ち味のバッティングも精彩を欠くシーズンが続いた。

 

 昨季は95試合に出場し打率.209、0本塁打、盗塁阻止率2割台と、全体的に苦しい1年を過ごした。今季も思うような成績を残せておらず、攻守での成績向上が求められる。

タイラー・オースティン

・投打:右投右打

・身長/体重:188cm/100kg

・生年月日:1991年9月6日

・経歴:ヘリテージ高 - ヤンキース - ツインズ - ジャイアンツ - ブルワーズ

 

 昨季のセ・リーグ首位打者であるタイラー・オースティンだが、今季は故障に苦しみ、実戦復帰のメドが立っていない状況にある。

 

 ニューヨーク・ヤンキースやミネソタ・ツインズなどでプレーし、2019年シーズンオフに横浜DeNAベイスターズが獲得を発表。長距離砲としての期待がかけられていた。

 

 

 来日1年目の2020年は怪我の影響もあり、65試合の出場にとどまったが、打率.286、20本塁打の成績を収めるなど、持ち前の長打力を披露。

 

 翌2021年には107試合の出場で28本塁打を放ったが、2022年、2023年は怪我に悩まされるシーズンに。2シーズンで合計1本塁打に終わり、存在感が薄くなっていた。

 

 背水の陣で迎えた昨季は、106試合に出場し、自身初の規定打席に到達。打率.316をマークし首位打者に輝き、日本シリーズでも決勝ホームランを放つなど、チームの日本一に貢献。

 

 今季も昨季同様のパフォーマンスを期待されていたが、怪我での離脱が増えており、規定打席到達は難しい状況だ。なんとか巻き返し、チームを勝利に導きたい。

山川穂高

・投打:右投右打

・身長/体重:177cm/114kg

・生年月日:1991年11月23日

・経歴:中部商 - 富士大

・ドラフト:2013年ドラフト2位

 

 昨季の2冠王、福岡ソフトバンクホークスの山川穂高も今季は状態が上がらず、移籍後初の一軍登録抹消となった。

 

 2013年のドラフト2位で埼玉西武ライオンズに入団し、プロ1年目にファームで21本塁打を記録。その後もファームでは敵なし状態が続き、2016年から一軍での出番が増えていった。

 

 

 西武が優勝を果たした2018年は、全試合に出場し47本塁打を放って大ブレイク。最多本塁打のタイトルを獲得した。翌2019年も43本塁打を放ち最多本塁打王に輝き、2年連続で圧巻の成績を残した。

 

 2023年にフリーエージェント(FA)権を行使し、ソフトバンクに移籍。移籍初年度の昨季は全143試合の出場で34本塁打、99打点の好成績を収め、本塁打王、打点王の2冠に輝いた。

 

 しかし、今季は開幕から不調が続き、スタメン落ちも経験。6月15日までで打率.204と低迷し、同16日に一軍登録を抹消された。

 

 ソフトバンクの優勝には欠かせない重要な存在なだけに、ファームでしっかりと調子を整え、万全な状態で一軍復帰を果たしたい。

グレゴリー・ポランコ

・投打:左投左打

・身長/体重:196cm/108kg

・生年月日:1991年9月14日

・経歴:セナペック高 - パイレーツ

 

 3年続けて20本塁打以上の実績を残したグレゴリー・ポランコ。しかし、今季のホームランのペースは低調だ。

 

 2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にドミニカ共和国代表として出場したポランコは、ピッツバーグ・パイレーツで長きにわたってプレー。2022年のシーズン開幕前に来日し、読売ジャイアンツに入団した。

 

 

 2022年は138試合に出場し、打率.240、24本塁打を記録。しかし、守備範囲の狭さなどが原因となったのか、契約延長とはならず、同年オフに千葉ロッテマリーンズが獲得した。

 

 2023年は125試合の出場で26本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得。球団では落合博満以来、37年ぶりの快挙を成し遂げた。

 

 また、昨季は118試合に出場。23本塁打と本数を減らしたが、3年連続で20本塁打以上をマークした。

 

 しかし、今季は開幕から打率1割台と調子が上がらず、二軍降格に。ファームではホームランを連発するなど長打力を披露しているだけに、一軍の舞台でも打棒を発揮したいところだ。

 

 

【了】