Honda F1初勝利から60年|英国グッドウッドで、マンセルと共に伝説のFW11が蘇る

2025年、HondaはF1世界選手権で初勝利を収めてから60周年という記念すべき節目を迎える。この歴史的なアニバーサリーを祝して、Hondaは世界屈指のヒストリックイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2025」(開催日:現地時間7月10日〜13日)にて、往年の名車「Williams Honda FW11」のデモンストレーション走行を実施する。

【画像】FW11をドライブするナイジェル・マンセルと、FW11に搭載されたRA166Eエンジン(写真2点)

このFW11は、1986年シーズンにHondaにとって初のF1コンストラクターズタイトルをもたらした伝説のマシン。搭載されるのは、1,050馬力以上を誇るHonda製1.5L V6ツインターボエンジン「RA166E」だ。全16戦中9勝という圧倒的な成績を記録し、HondaのF1史における栄光の礎を築いた一台である。

注目すべきは、このデモ走行でステアリングを握るのが、当時のレギュラードライバーであるナイジェル・マンセル氏であることだ。当時の熱狂がそのまま蘇るかのようなこの演出には、Williams Heritageの協力のもと、車体とエンジンに特別なメンテナンスが施されるという。

さらに、このFW11は8月に米国カリフォルニア州で開催されるMonterey Car Week 2025でもデモ走行を予定しており、世界のクラシックカーイベントの舞台を横断してHondaのレーシングスピリットを世界中に届けていく。

2025年のグッドウッドは、F1誕生75周年とモータースポーツ125周年を祝し、「The Winning Formula – Champions and Challengers」をテーマに掲げており、FW11の登場はその象徴ともいえる存在になるだろう。

また、60周年を締めくくる特別企画として、1965年10月24日のメキシコGPでHondaがF1初優勝を遂げたマシン「RA272」も再び脚光を浴びる。2025年10月24日〜26日に開催されるF1メキシコグランプリにて、かつての舞台=エルマノス・ロドリゲス・サーキットでデモ走行が実施されることが決定している。

Hondaは創業当初より、レースを人と技術の研鑽の場と位置づけ、数々の勝利と挑戦を重ねてきた。今回の一連の企画は、その歩みと精神を次世代へと受け継ぐ重要なメッセージでもある。

Honda Racing代表取締役社長・渡辺康治氏は、次のようにコメントしている。

「グッドウッドでのFW11のデモ走行が決まり大変うれしく思います。今回、走行をお披露目するFW11は、Honda F1に初の栄冠をもたらしたかけがえのない存在です。この特別なマシンをレストアした関係者の技術を称えるとともに、この走行の機会を与えてくださった皆様に感謝を申し上げます。そして、グッドウッドに加え、それ以降に計画している”Honda F1初勝利60周年”を記念した企画においても、ファンの皆様に楽しんでいただけるよう準備を進めていきます」

今後も、世界最高峰のレース、F1におけるHondaの挑戦と革新から目が離せない。