“電撃引退”の可能性が浮上するムニアイン [写真]=Getty Images

 サン・ロレンソに所属するMFイケル・ムニアインが、現役引退を決断する可能性が高まっているようだ。16日、アルゼンチンメディア『TyCスポーツ』を筆頭に、スペイン紙『アス』などの複数メディアが報じている。

 バスクの王様が32歳の若さでスパイクを脱ぐことになるかもしれない。40年ぶりとなるコパ・デル・レイ(国王杯)優勝と、クラブ神話に登場する“青いはしけ船”の再降臨に貢献した後、15年間過ごしたアスレティック・ビルバオを離れたイケル・ムニアインは、昨夏よりサン・ロレンソでプレー。約1年で公式戦26試合に出場し4得点1アシストを記録したほか、優れた人間性からキャプテンを任される存在に。すでに、“ロス・クエルボス(ファンの愛称)”から愛される選手となっている。

 そんなムニアインは現役引退を視野に入れているようだ。『TyCスポーツ』によると、サン・ロレンソとの現行契約を今年12月まで残しているが、同選手は今夏に「引退を真剣に検討している」とのこと。決断の背景には、故郷ビルバオに住む子供たちと近い距離を保ちたいことが挙げられており、関係者が「彼は家族をとても恋しく思っている」と語っているとのこと。また、数日前にムニアインとダミアン・アユデ新監督の話し合いが行われ、家族との時間を優先したいという意向が伝えられたことも明らかにした。

 ただ一方で『TyCスポーツ』は、あくまでもキャリアを一時中断するだけで、数年後に復帰する可能性もあると指摘。が、少なくともこの夏、サン・ロレンソを退団して“休養”に入ることは確実視しており、「アスルグラーナのユニフォームを身にまとった激動の1年を終え、彼はフットボールの喧騒から少し離れ、気分転換を図るだろう。その後、この先に何をするのかを決めることになる。新たなクラブでの挑戦か、それとも完全に引退するのか」と見解。続けて「前者よりも後者の可能性が高いとみられている」と、それでも現時点では引退が濃厚と併せて伝えている。

 アスレティック・ビルバオでワン・クラブ・マンになることよりも、「心はここに残れと叫んでいるけど、頭と足はそれ以上のものを求めている」と多くの出場機会を求めて、アルゼンチン行きを決めた昨夏に、それがラストダンスになることを予想していたものはいるだろうか…。報道によると、ムニアインは来週の金曜日か土曜日(詳細は未定)に故郷で記者会見を開き、今後について自身の口から発表する予定とのことだ。