288GTO、F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリ|フェラーリ「ビッグ5」の、市場動向に左右されない価値

マラネロが生み出した”ビッグ5”は、たとえ単独であろうと5台セットであろうと、市場の動向に左右されない価値を維持している。

【画像】フェラーリの「ヘイローカー」。288GTO、F40、F50、エンツォ、そしてラ フェラーリ(写真5点)

あなたが本物のコレクターであることを証明する方法はいくつもある。世界最高峰のコンクール・デレガンスでベスト・イン・ショーを勝ち取った1台を手に入れるもいいし、かつてのワークス・レーシングカーや歴史的な名車のプロトタイプを買うのもひとつの方法だ。けれども、どちらかといえば現代的なモデルをお好みの方にも一気にコレクター仲間のトップに躍り出る方法がある。それが、フェラーリの”ヘイローカー”である288GTO、F40、F50、エンツォ、そしてラ フェラーリを買い揃えることだ。

このうちのどれか1台を所有しているだけでも「本物のコレクター」と呼んでもらえるかもしれないが、多くの場合、それだけでは不十分。これら5台はビッグ5とも呼ばれるが、ハガティが調査したグローバルな統計によると、このうちの1台でも所有しているコレクターの31%が2台以上のビッグ5をすでに手に入れていて、うち3%は5台全部を手元に揃えているという。

これは相当な力の入れようで、かなりの預金残高がなければできないことだろう。昨年6月、RMサザビーズはカナダのトロントで開いたオークションで5台すべてを揃えてみせたが、その合計金額は2000万ドル(約1600万ポンド)を少し下回っただけだ。これには、ある種の”オークション熱”も影響したはずで、UKハガティのプライスガイドによると、素晴らしいコンディションの車でも5台の合計金額は1510万ポンドとされている。もっとも、これは予想された結果といえないこともない。なぜなら、過去3年間でビッグ5の5台は平均で50%ほど取引価格が高騰しており、F40にいたっては67%も跳ね上がっているからだ。

5台の価格が揃って高騰しているのは、1946年から1965年までに生まれたベイビー・ブーマーが買い手の中心だからとされる。ただし、そのなかでも異例といえるのがF50で、ベイビー・ブーマーとジェネレーションXが、いずれもオーナーの27.8%を占めているという。また、F50はそれ以外の世代からも幅広い支持を受けている。

ちなみに、2015年5月の段階では5台中もっとも価値が低いのがF50だったが、現在では5台中もっとも価値が高いモデルとされている。エンジン・サイズ、文化的背景、売却予想額を上回る価格でも手に入れたいか、などをファクターとするハガティのコレクタブル・アルゴリズムによると、2800台以上の車のなかでF50は上位1.4%に含まれるという。それを上回るのがF40とエンツォで、いずれも上位1.0%に含まれている。

将来的な予想価値の点でも5台は堅調といえる。ハガティ・プライス・ガイドに記載されているモデルのうち、およそ1/3が過去12ヵ月間に価値を落したにもかかわらず、フェラーリの各モデルは高い水準を維持している。昨夏にモントレーで行われたオークションを例にとると、フェラーリの販売は合計で7%低下したのに対し、ポルシェは41%、メルセデス・ベンツにいたっては60%も落ち込んだのである。1年ごとの価格推移でも、フェラーリがたったの5%しか落ちなかったのに比べると、車全体では10%で、ポルシェに限っていえば11%、メルセデス・ベンツでいえば19%も値崩れを起こしたのだ。これらを見ても、ビッグ5が「地球上でもっとも手に入れたい車」であり続けていることは間違いないだろう。

編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI

Words:John Mayhead Photography: Ferrari Data and graphics: Hagerty