写真:産経新聞社

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 今では聞かれることも少なくなった「2年目のジンクス」。ただ、実質2年目と言える選手の中には、昨季と比較して成績が伸び悩んでいるケースも見られている。活躍し続けるというのは、この世界では難しいことなのだ。今回は、2年目のジンクスに苦しんでいる選手を取り上げる。

泉圭輔

・投打:右投右打

・身長/体重:188cm/82kg

・生年月日:1997年3月2日

・経歴:金沢西高 - 金沢星稜大

・ドラフト:2018年ドラフト6位

 

 読売ジャイアンツに移籍し、復活を遂げたかに思えた泉圭輔。ところが、移籍2年目の今季は精彩を欠く投球が続いている。

 

 金沢西高から金沢星稜大に進学すると、4年春にベストナインを受賞するなど活躍。十分な実績を収めた泉に対し、福岡ソフトバンクホークスが2018年ドラフト6位で指名した。

 

 

 入団後はリリーフとして起用され、2020年にキャリアハイの40試合に登板。同年は防御率2.08と安定した投球を見せ、勝ちパターンでの起用が増えていた。

 

 そんな中、2023年はわずか3試合の一軍登板にとどまり、同年オフに巨人へトレード移籍。新天地での復活を誓った中、昨季は35試合の登板で防御率1.93の好成績を残し、移籍前年の不振から見事に立ち直った。

 

 しかし、より重要な場面での活躍が予想された今季は、ここまで5試合の登板で防御率7.94という状況。チームのリリーフ陣は強力だが、這い上がっていけるか注目だ。

水谷瞬

・投打:右投右打

・身長/体重:193cm/100kg

・生年月日:2001年3月9日

・経歴:石見智翠館高

・ドラフト:2018年ドラフト5位

 

 今季、開幕前に日本代表メンバーに選出された水谷瞬も、今季は調子が上がっていない。

 

 石見智翠館高では、高校通算21本塁打をマーク。将来性を高く期待され、2018年ドラフト5位で福岡ソフトバンクホークスに入団した。

 

 

 入団後は二軍、三軍で経験を積み、2021年はファームで69試合に出場し、打率.276をマーク。しかし、戦力が充実しているソフトバンクにおいて、一軍出場は叶わない日々が続いた。

 

 そんな中、2023年オフの現役ドラフトで、北海道日本ハムファイターズに指名された水谷。この移籍が功を奏し、昨季の交流戦では史上最高打率となる.438をマークし、交流戦MVPを獲得した。

 

 最終的に、同年は一軍で97試合に出場し、打率.287(規定未満)、9本塁打、39打点の成績を記録。まさにブレイクを果たしたシーズンとなった。

 

 今季は開幕前に実施された「侍ジャパンシリーズ2025」の日本代表に選出され、先頭打者アーチを記録した。

 

 また、シーズン入り後は不調だったが、交流戦では安打が生まれている。今後の打棒爆発に期待だ。

前川右京

・投打:左投左打

・身長/体重:176cm/86kg

・生年月日:2003年5月18日

・経歴:智弁学園高

・ドラフト:2021年ドラフト4位

 

 まさかの不振に悩まされているのが、高卒4年目を迎えた前川右京だ。

 

 智弁学園高時代から注目される存在で、甲子園でも大活躍した。その後にプロ志望届を提出し、2021年ドラフト4位で阪神タイガースから指名を受けた。

 

 

 ルーキーイヤーは一軍出場こそ叶わなかったが、翌2023年に一軍デビュー。同年は一軍で33試合に出場し、打率.255、7打点をマークした。

 

 昨季は、さらに出場機会が増加した。同年は116試合の出場で打率.269(規定未満)、4本塁打、42打点の成績を残した。

 

 また、今季はオープン戦で3本のアーチを描き、本格覚醒が期待された。しかし、4月は月間打率が3割を超えた一方、5月はまさかの月間打率.093に沈む事態に。ファームでの再調整を余儀なくされた。

 

 二軍では圧倒的な成績を残しているだけに、早期の一軍復帰を期待したい。

梶原昂希

・投打:右投左打

・身長/体重:189cm/90kg

・生年月日:1999年9月19日

・経歴:大分雄城台高 - 神奈川大

・ドラフト:2021年ドラフト6位

 

 開幕から期待され続けた梶原昂希だったが、今季は存在感を発揮できていない。

 

 大分雄城台高から神奈川大に進み、1年秋には首位打者を獲得。俊足強打の外野手として注目を集め、2021年ドラフト6位で横浜DeNAベイスターズに入団した。

 

 

 プロ1年目はファームを主戦場としつつ、一軍の試合にも出場した。プロ2年目にはファームで打率3割を大きく超える成績を残し、あとは一軍で結果を残すのみとなっていた。

 

 昨季はシーズン序盤こそ苦しむも、徐々に本領を発揮。同年は自己最高となる91試合に出場し、打率.292(規定未満)4本塁打、30打点、16盗塁をマークし、走攻守でチームに貢献した。

 

 しかし、今季は開幕から起用され続けるも、状態が上がらずに苦戦。5月上旬にはファーム降格となった。

 

 5月30日には再昇格を果たしたが、やや伸び悩んでいる状況にある。ここからどう巻き返すのか注目したい。

岡留英貴

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/95kg

・生年月日:1999年11月7日

・経歴:沖縄尚学高 - 亜細亜大

・ドラフト:2021年ドラフト5位

 

 昨季以上の成績を望まれている岡留英貴は、今後の巻き返しが注目される選手だ。

 

 沖縄尚学高では甲子園出場を果たせず、亜細亜大に進学。その後、2021年のドラフト会議で阪神タイガースから5位指名を受け、入団を果たした。

 

 

 ルーキーイヤーはファームで積極的に起用され、36試合の登板で防御率1.54と活躍。翌2023年に一軍初登板を果たすと、8試合の登板ながらも防御率1.29の好成績を残した。

 

 昨季はリリーフとしてより多くの登板機会を獲得すると、35試合の登板で防御率2.84をマーク。強力リリーフ陣の一角を担う立場に成長した。

 

 迎えた今季、4月は6試合の登板で無失点だったが、5月1日に一軍登録を抹消。ファームでの調整期間を過ごし、今月5日に再昇格を果たしたが、同9日に再び抹消された。

 

 チームの投手陣は、先発、リリーフともに豊富な状況だ。一軍に定着できない日々が続くが、今後もアピールを続けるしかない。

田宮裕涼

・投打:右投左打

・身長/体重:175cm/84kg

・生年月日:2000年6月13日

・経歴:成田高

・ドラフト:2018年ドラフト6位

 

 昨季にブレイクを果たした田宮裕涼だが、今季は数字が上がってこない状況だ。

 

 高校時代は成田高でプレーし、強打の捕手として活躍。その後、2018年ドラフト6位で北海道日本ハムファイターズから指名を受け、プロ入りを実現させた。

 

 

 プロ1年目は二軍で経験を積み、一軍出場なし。プロ2年目に初の一軍出場が叶うも、レギュラーを脅かす存在にはなれなかった。

 

 一軍定着に時間を要していた中、昨季は開幕から正捕手としてスタメンマスクをかぶり、打撃成績が大きく向上した。

 

 同年は109試合の出場で打率.277(規定未満)、3本塁打、30打点をマーク。キャリアハイのシーズンを過ごした。

 

 しかし、今季は開幕直後こそ打撃好調だったが、徐々に打率が低下。引き続き正捕手として期待されていたが、5月19日に一軍登録を抹消された。

 

 それでも、今月13日に一軍再昇格。ここから巻き返していきたい。

 

 

【了】