テレビ宮崎の新社長に、現在取締役の榎木田朱美アナウンサーが就任することが内定した。6月20日の株主総会で決定する。
今後のレギュラー番組出演は未定
榎木田氏は92年、テレビ宮崎にアナウンサーとして入社し、夕方ニュース番組『UMKスーパーニュース』を長年担当。アナウンス部部長、編成業務局局長、メディア推進局局長、報道制作局長、コンテンツプロデュース局長などを歴任し、開局50周年プロジェクト総合プロデューサーとして、同局初の自社制作ドラマ『ひまわりっ~宮崎レジェンド~』(東村アキコ原作、平祐奈主演)も実現させた。
2023年に取締役に就任したが、現在もアナウンサーとして『Mama talk TV ママテレ』(毎週土曜11:00~)に出演している。社長就任後の同番組への出演については、「現在のところ未確認です」(同局)という。
民放テレビ局ではこれまで、岐阜放送(独立局)の森田順子氏を皮切りに、新潟テレビ21(テレビ朝日系)の桒原美樹氏、石川テレビ(フジテレビ系)の林寛子氏、そして現任のテレビ岩手(日本テレビ系)の福士千恵子氏、長崎文化放送(テレビ朝日系)の大西弘美氏、TOKYO MX(独立局)の佐藤真紀氏と、各地で女性社長が誕生。その多くが新聞社やキー局の出身者である一方、榎木田氏は生え抜きでの就任となる。
また女性アナウンサー出身の社長も、「これまでの事例で聞いたことはない」(民放関係者)とのことだ。
経営改革進むフジ、女性取締役3割超を実現
民放労連女性協議会が調査した、2022年度の全国の民放テレビ局の女性役員割合(※監査役は含み、顧問・執行役員は含まず)の平均は、わずか3.0%。だが、一連の問題を受けたフジテレビは、経営改革の一環で女性取締役の比率を36.4%に、親会社フジ・メディア・ホールディングスでも45.5%に引き上げる方針(※6月25日株主総会)を示しており、この流れが今後業界全体に波及していく可能性もありそうだ。
「メディアの女性役員比率を3割に」とインターネット署名を呼びかけていた民放労連女性協議会は、フジテレビの方針を受け、「これまで女性役員割合の調査をして遅々として進まなかった様子を見てきましたが、ここまで急激な変化があったことに、驚きを隠せません」と受け止めつつ、「取締役の多様性をイノベーションにつなげ、企業価値を高めることを期待しています。また、執行役員、局長、部長、などすべての役職での女性3割を実現し、それを持続することによって、恒久的にジェンダー平等に取り組み続けることを望みます」としている。