• 松坂桃李

雄太を演じていて、どのシーンも感情が動かされたというが、特に「ラストシーンは感情を抑えきれなかった」と言い、俳優人生で初めての感覚を味わったという。

「僕はまだお芝居をやり始めて16年ぐらいですけど、こんなに感情があふれてくるような経験は生まれて初めてでした。寺尾さんに引き出していただいたような感じで、寺尾さんの声、空気感、眼差しなど、そのすべてが僕自身の心を溶かすような、そういった体験でした。お芝居を超えるような、そういった時間が一瞬流れて、それは初めての感覚でした」

そして、「寺尾さんの人柄もそうですけど、お芝居に対する向き合い方が改めて唯一無二だなと思いました」と敬意を表した松坂。

「撮影の合間も、黒澤映画に参加したときのお話だったり、今やったら怒られるんじゃないかというようなことを平気でやってのけてしまうような感じが、とてもじゃないけど真似できないなと思いました(笑)」

さらに、「あれだけ僕の感情を引き出してもらったのは、本当に生まれて初めてだったので、自分も相手の役者さんの感情を引き出せるような、そういう人になりたいです」と寺尾から刺激を受けたようで、「そうなれるように頑張ります」と力強く話していた。

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■松坂桃李
1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。2009年俳優デビュー。その後、映画、ドラマ、舞台など多数出演。『孤狼の血』シリーズで第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、第45回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、『新聞記者』(19)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。近年の主な出演作は映画『スオミの話をしよう』(24)、『雪の花 ―ともに在りて―』(25)、ドラマ『VIVANT』(23)、『御上先生』(25)など。映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』(声の出演)が公開中。映画『父と僕の終わらない歌』が5月23日公開、『フロントライン』が6月13日公開。2027年のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主演を務める。
■『父と僕の終わらない歌』
監督:小泉徳宏 出演者:寺尾聰 松坂桃李 佐藤栞里 副島淳 大島美幸(森三中) 齋藤飛鳥/ディーン・フジオカ 三宅裕司 石倉三郎/佐藤浩市(友情出演)/松坂慶子 原案:『父と僕の終わらない歌』サイモン・マクダーモット著 浅倉卓弥訳(ハーパーコリンズ・ジャパン) 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

(C)2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会