星野リゾートが展開する「リゾナーレ熱海」(静岡県熱海市)は7月14日より、「Fisherman's Academy ~夏休みの自由研究~」を開催する。
漁師の仕事から未利用魚の活用まで学ぶ体験プログラム
リゾナーレ熱海が位置する静岡県は、変化に富んだ海域を有し、豊かな森林を源とする河川の流入や沖合に流れる黒潮など、恵まれた地形や海象条件を背景に、特色ある多種多様な漁業が各地域で発達している。この立地を活かし、同ホテルでは2020年より本プログラムを開催している。近年では、世界の大半の地域で漁獲量の30~35%が未利用魚(サイズが不揃い、漁獲量が少ない、鮮度が落ちやすいなどの理由で市場に出回らずに利用されない魚)として廃棄されている実態が明らかになっており、今回は、本格的な体験を通じて漁師の仕事を学ぶだけでなく、未利用魚についての理解を深め、廃棄削減の工夫を知る機会として、より多様な活用方法を学ぶ内容となっている。
開催期間は2025年7月14日から8月25日までの毎週月曜日、1泊2日の日程で実施される。料金は親子2名で50,000円、追加1名につき10,000円となる。漁体験、魚屋からの未利用魚に関するレクチャー、調理体験、朝食、ワークシート、レンタルウェア(つなぎ・ライフジャケット)が含まれる。定員は1日1組(2~4名)であり、対象は小学生以上の宿泊者で、7~11歳が推奨されている。予約は公式サイトより、7日前の17:00まで受け付けている。なお、天候や波の状況により中止となる場合がある。
ステップ1.漁の準備と、魚屋から未利用魚について学ぶ
港に到着したら、翌日の漁に向け、現役漁師と一緒に獲れる魚を予想するところからスタートする。翌日の天候や波の状況から網を仕掛けるポイントを決めたら、漁船に乗って実際に網を仕掛ける。今回は、昨年も実施していた学習に加えて、未利用魚の廃棄を減らそうと取り組む地元の魚屋から、未利用魚について直接学ぶ体験が加わる。実際に魚を触ったり、チャートを使用したりして、多様な活用方法を知り、市場に出回らず廃棄されてしまう魚について学び尽くす体験ができる。
ステップ2.漁師の一日を本格的に体験する
前日に仕掛けておいた網を引いて魚を獲る、刺し網漁に挑戦する。漁師にコツを教わりながら、魚を獲る喜びを味わうことができる。
漁から港に戻った後は、獲った魚を卸すため市場へ移動。魚の重さを量り、商品として出荷する荷揚げ作業も体験する。自分が獲った魚に値がつき、競り落とされる瞬間を目の前で見ることで、普段食べている魚の流通について、さらに理解を深めることができる。
競り見学の後は、港に戻り、モーニングプレートを作る。今回は、調理する魚に未利用魚だけを使い、それぞれの特徴を活かした方法で調理。例えば、サイズが小さいものはフライドフィッシュに、骨が多いものはハンバーガーのパティに使用する。市場に出回らず、廃棄されてしまう魚を調理し、余すことなく存分に味わい尽くすことで、食へのありがたみを感じるきっかけになる。
ステップ3.ワークシートにまとめる
体験後は、本プログラム専用のワークシートに、体験を通してわかったことや気付いたことなどを項目に沿ってまとめていく。体験中にスタッフが撮影した写真をシートに貼り、1泊2日を振り返りながら、自由研究を完成させることができる。