地震や台風によって「下水道」が使えなくなったら…私たちが事前にできる“備え”を紹介
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。5月10日(土)の放送では「下水道が使えなくなった場合の行動や事前にできる備え」について取り上げました。

※写真はイメージです

地震や大雨などの災害が起きたとき、下水道が使えなくなったり、自治体から使うことを自粛するよう要請されることがあります。また、大きな地震が起きると、地中にある下水道管が破損したり、下水処理施設が被災して使えなくなる場合もあります。実際に東日本大震災で被災した自治体では、下水道の仮復旧までに平均34日間、最大123日かかったというデータがあります。

台風や豪雨などの被害では、大量の雨水が下水管に流れ込んで排水機能が追い付かなくなり、下水が流せなくなるといったことだけでなく、トイレやお風呂から汚水が逆流してしまうこともあります。その場合は、できるだけ排水を控えることが必要です。

汚水が逆流する前に“ボコボコ”と音が聞こえることがあります。これは、一時的に下水内の水量が増加することで空気が押し出されている音です。そのような音が聞こえてきたら、水を流さないようにして水をビニール袋に入れ、口を結んだ「水のう」で排水口をふさぐと、下水が噴き出すのを抑えることができます。特に大きな地震のときには、目で見て特に問題がなさそうでも配管など見えない場所が破損していることもあります。

マンションの場合は、トイレに水を流すと汚れた水が逆流して下の階のトイレからあふれ出ることがあります。トイレが流せる状態でも、流すことは控えて非常用トイレを使いましょう。自宅から離れた下流の下水管が破損したり、下水処理施設が機能できなくなっていることもありますので、自治体からの情報をこまめにチェックして、下水道を使用して良いかを確認してから使うようにしましょう。

トイレ以外に、キッチンやお風呂場などの水回りでも、できる限り排水を控えましょう。生活用排水を抑えるには、なるべく水を使わないようにすることです。例えば、食器に食品用のラップやポリ袋をかぶせて食事をする。調理道具をアルコールティッシュで拭く、濡れタオルやウェットティッシュで体を拭くなど、工夫次第で生活する際に使う水を極力減らすことができます。

最後に、事前にできる下水道が使えなくなった場合の備えを紹介します。家族4人の場合、災害備蓄の備えは一般的に7日間を目安に準備することが推奨されています。

まずは簡易トイレの準備について。1日あたりのトイレの回数を5回程度とすると140回分必要です。次に調理用水と生活用水は、1人あたり1日3リットルが目安なので84リットルが必要になります。生活用水は特に推奨される備蓄量はなく、あればあるほど良いとされています。日ごろから風呂に水を溜めたり、空のペットボトルに水道水を詰めておくなど、備えがあると安心です。

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<番組概要>

番組名:防災 FRONT LINE

放送日時:毎週土曜 8:25~8:30

パーソナリティ:手島千尋

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/