
ポルシェジャパンは、1970年代から1980年代初頭のエッセンスを現代に蘇らせたカブリオレ「911スピリット70」の予約受注を、2025年4月23日より全国のポルシェ正規販売店にて開始した。全世界で1,500台限定生産となるこのモデルは、ポルシェのヘリテージデザイン戦略に基づき、過去のアイコニックなデザイン要素を現代に再解釈した特別な一台である。
【画像】ポルシェが過去のアイコニックな車両デザイン要素を現代に蘇らせた3番目の911モデル(写真9点)
外観には、専用に開発された「オリーブネオ」カラーを採用。深みのある濃厚なグリーンに、グレーゴールドの「ブロンザイト」がリア下部、フロントセクション、そして「フックス」デザインのスポーツクラシックホイールにコントラストを与えている。ソフトトップとフロントウインドウフレームはブラック仕上げとされ、精悍な印象を強めた。さらに、ボンネットにはグロスブラックシルクの3本のデコレーティブストライプが施され、1970年代に見られた視認性向上ステッカーを彷彿とさせる。サイドには”Porsche"のロゴとグロスブラックシルク仕上げの円形スタートナンバー(ロリポップ)がデザインされ、個別のスタートナンバーが伝統的なモータースポーツへの敬意を表している。
特筆すべきは、フロントボンネットに装着された、1963年の歴史的なポルシェクレストにインスパイアされたエンブレムだ。フロントフェンダーにはゴールドカラーの"Porsche Exclusive Manufaktur”バッジ、トランクリッドグリルにはポルシェヘリテージバッジが装着される。さらにリアには、亜鉛メッキ加工されたゴールドの"Porsche"文字とモデルロゴが配され、特別な輝きを放っている。
技術面では、現行911カレラGTSカブリオレをベースに、3.6リッター水平対向エンジンに高電圧システムとT-ハイブリッドシステム、新型PDKに組み込まれた電気モーターを組み合わせた。システム出力は398kW(541hp)、システムトルクは610N・mを誇り、ハイブリッド化された新世代911のパフォーマンスを象徴する存在となった。
ポルシェAGのポルシェスタイル担当責任者ミヒャエル・マウアーは次のように述べている。
「ヘリテージデザインモデルはデザインの観点からポルシェの製品戦略の中で特別な位置を占めます。リミテッドエディションのスポーツカーはポルシェブランドの特別な魅力を体現しています。当社の車両のデザインはすべてその歴史と深く結びついており、これらの車両はその歴史をさらに一歩進め、最先端のスポーツカーにおいて、歴史的なデザイン要素をどのように再解釈するかを示しています」
さらに、インディビジュアリゼーション&クラシック担当責任者アレクサンダー・ファビックはこう語る。
「リミテッドエディションのコレクターズアイテムは、世界中のお客様にとって特に魅力的です。ヘリテージデザイン戦略の最初の2つのモデルは、過去数十年間のライフスタイルを蘇らせて大きな反響を呼びました。私達はこの成功を大変嬉しく思っており、今回第3弾となる非常にエクスクルーシブなモデルを発表できることを誇りに思います」
ヘリテージデザインモデルは、ポルシェ製品戦略の中でも「ライフスタイル」の側面を強調する位置付けとなっている。シリーズ第1弾は、2020年に登場の1950年代から1960年代初頭のスタイルを現代に蘇らせた「911タルガ4Sヘリテージデザインエディション」。続く2022年には、1960年代から1970年代初頭のスタイルを蘇らせた「911スポーツクラシック」が発表され、世界限定1,250台が生産された。
今回の911スピリット70は、ポルシェの強化されたカスタマイズ戦略の流れを受けたものであり、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーによって1,000種類を超えるオプションが提供されている。過去5年間で、これらオプション装備車の販売台数は倍増しており、今後は生産能力をさらに拡大し、多様な顧客の夢を叶えるべく邁進する。
また、現行世代のパナメーラターボと共に導入された新しいメタリックカラー「ターボナイト」は、ターボモデル専用のクレストにも使用される主要カラーとなっている。今後、最上位高性能モデルでは、フロントだけでなく軽合金製ホイールやステアリングホイールにもこの新クレストが採用される予定だ。
インテリアでは、ブラックとオリーブネオを組み合わせた伝説的なパシャ柄がファブリックに施され、スポーティかつクラシカルなムードを醸し出す。パターンは、大小の長方形がリズムよく配置され、動きのあるデザインとなっている。従来のジャカードベロアに代わり、フロック糸を用いた新素材により、手触りの良さと快適性を両立。18wayスポーツシートプラス、ドアパネル、グローブボックス内側にもこのパシャ柄が採用されている。さらに、リバーシブル仕様のパシャ柄トランクマットも標準装備。
エレガントなバサルトブラックのクラブレザートリムに、オリーブネオのデコレーティブステッチが施されたインテリアパッケージも標準で装備される。
メーターパネルは、12.65インチの高解像度ディスプレイにアナログ形式のホワイトポインターとスケールラインを表示。グリーンの数字が、かつてのポルシェ356を思わせる。専用モデルロゴはフルデジタルのレブカウンターにエレガントに統合され、スポーツクロノストップウォッチにはホワイトの針とグリーンのインデックスが備わる。
さらに、ポルシェデザインは911スピリット70の購入者専用に高品質なクロノグラフを製作。シートセンターパネルのパシャ模様をモチーフに、光沢ブラックの文字盤をあしらい、車両のディテールとの見事な調和を図っている。
また、Apple Vision Pro向けにリリースされる新アプリでは、ユーザーが1970年代の世界に没入しながら911スピリット70をカスタマイズすることが可能となる。1970年代の象徴的なデザインについての貴重な洞察も得られる予定で、アプリは2025年春にApp Storeにて無料配信される。
新型911スピリット70の日本国内希望小売価格は、8速PDK搭載、右/左ハンドル仕様で3,341万円(税込)。
ポルシェの歴史と未来をつなぐ、新たな一台が今、幕を開ける。