鉄道・運輸機構は、北海道新幹線新函館北斗~札幌間に敷設する長さ150mのレール28本を4月18~21日にかけて貨物鉄道で初輸送したと発表した。福岡県北九州市の黒崎駅から北海道の長万部駅まで輸送したとのこと。

  • 150mレールを貨物鉄道で初輸送(提供 : 鉄道・運輸機構)

整備新幹線に敷設するレールは、製鉄所において長さ150mで製造されるが、長すぎて積卸しや輸送が困難であるため、これまで25mに切断してから鋼材輸送船やトレーラーで軌道建設基地に輸送。敷設現場で溶接していたという。

今回、150mのままレールを貨物列車に積載して輸送する方法を確立。長万部駅は在来線と新幹線の工事現場が隣接していることから、150mレールを取り卸すことができたという。

  • 「銀釜」の愛称で親しまれたEF81形303号機が牽引(提供 : 鉄道・運輸機構)

  • レール取り卸ろし作業 (提供 : 鉄道・運輸機構)

貨物鉄道による150mレールの輸送に加え、北海道へ150mレールを青函トンネル経由で輸送することも初めての取組みとなった。150mレールを使用することで溶接作業が少なくなり、工程短縮に寄与するほか、レールの弱点である溶接部分がなくなることで品質が向上する。製鉄所から工事現場まで、積み替えることなく一貫して貨物鉄道で輸送することにより、モーダルシフトにも寄与するとのこと。

出発日の4月18日、福岡県北九州市八幡東区の貨物ヤード内で出発セレモニーを開催。鉄道ファンらを中心に「銀釜」と呼ばれ、親しまれたEF81形303号機の牽引で、駅長の合図とともに初列車が約2,100㎞の旅に出発した。

  • 出発セレモニーの様子 (提供 : 鉄道・運輸機構)

  • 到着セレモニーの様子 (提供 : 鉄道・運輸機構)

到着日の4月21日には、4日間の長旅を終えた初列車が北海道山越郡長万部町の函館本線長万部駅ホームへ。関係者に迎えられ、木幡町長から貨物列車の運転士に花束が贈呈された。翌日(4月22日)、到着したレールを引込線に入れ、貨車から取り卸ろす作業が行われている。なお、今回の輸送全体をまとめた動画を後日、YouTubeに投稿する予定だという。