春。卒業、入学、就職、転勤と、生活の変化が多く訪れる季節。部屋の整理や引越しをキッカケに、「使わなくなったモノ」と向き合う人も増えているようだ。

今回は、全国展開する大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さんに、この時期特有の持ち込み事情や人気アイテム、思わぬ高額査定の事例などを伺った。

買取大吉の繁忙期、圧倒的に持ち込まれるのは「金」!

――春といえば新生活。この時期、ご来店者の数は増えますか?

3月から5月にかけては、まさに繁忙期ですね。理由としてはまず、新生活のスタートをきっかけに家の整理をされる方が増えるということ。もちろん引越しも多くなる季節なので、それに伴って「これ、もう使わないな」というものをお持ちになる方が増えます。

――暖かくなって外出しやすくなる、というのも関係ありそうですね。

それはおっしゃる通りですね。冬は寒くて外出を控える方も多いですが、春になると気温も上がって出歩きやすくなります。特に60代以上のご年配の方などが、「そろそろモノを整理しようかな」と来店されることが多くなります。

――この時期、特に持ち込まれることが多いアイテムは何ですか?

いま、圧倒的に多いのは「金」です。これは金相場が高騰している影響もありますが、それを抜きにしても金の持ち込みは多いです。

金の中でも一番多いのはアクセサリー類のお持ち込みで、昔買ったネックレスや指輪、ジュエリーショップで購入されたようなブランドではない無名のものも含まれます。

他にも金のメガネ、金歯、金杯、置物、インゴット(延べ棒)など、かなり幅広いです。

  • 大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さん

着物や古い金貨、昔のお札などの持ち込みも多数

――「金」というと、やはりご年配の方が持ち込まれるケースが多いんですか? 他にどんなアイテムが多く持ち込まれていますか?

買取大吉の場合、来店される方の5~6割が60代以上の方なので、持ち込まれるものも「昔買ったもの」や「ご家族から譲り受けたもの」などが多い印象です。アクセサリーの他に、着物や古い金貨、昔のお札なども持ち込まれやすいアイテムですね。

――ブランド物などはいかがでしょう?

ブランドバッグなどはかなり多いですね。ルイ・ヴィトンのバッグは特に目立ちます。中にはベタベタになっていたり、革が剥がれてしまっていたりするものもあります。でも、そういう状態でも買い取りはできますし、十分に価値があります。

――バッグは場所も取りますし、もし使っていないようであれば売ってしまっても良さそうですね。

そうですね。あとは切手やお酒なども多いです。昔集めていた記念切手、飲まずにしまっていたウイスキーやブランデーなどの蒸留酒もよくお持ち込みいただきます。当時と比べ、価値がかなり上がっているケースも珍しくありません。

ただ、ジャパニーズウイスキーに関しては最近、相場が下がり気味ではあります。これは中国経済の失速の影響が大きく、以前のように中国の方たちに爆買いされるケースが減ってきたからだと考えています。それでも、例えば山崎18年などは、数十万円の値がつくこともあります。

若い世代もチャンス!「ブランド物」は高値がつくパターンも

――ちなみに最近買い取ったものの中で、特に高値がついたのはどんなアイテムだったのでしょう?

今シーズンだと、2キロのインゴットが印象に残っていますね。1キロあたり1600万円ですから、2キロで3200万円ほどになります。そうした高額の取引もありますが、多くは30万円~50万円のレンジが多いです。アクセサリー、ブランドバッグ、時計が主となります。

――ご高齢の方以外で、例えば若い世代の方が持ち込みやすいアイテムなどもありますか?

若い方は比較的新しいものを持ってこられますね。例えば、リシャール・ミルやウブロのような最新の時計、プラダやロエベ、ミュウミュウ、クリスチャン・ディオールなどのブランドバッグも目立ちます。

デザインの流行の移り変わりも早いので、「ちょっと飽きたな」と思って手放される方もいらっしゃいます。ただ、いまはブランド品の相場が高いので、状態が良ければ7~8割の価格で買い取りすることもあります。

――さっそく身の回りを整理してみようかな……。

古くても、壊れていても、「実は価値がある」というケースも少なくありません。スーパーの掲示板や折り込みチラシなどで買取情報を見て、「これ、うちにもあるかも」と気づいていただくことも多いので、気になるものがあればぜひ一度、気軽にご相談ください。


春は何かと動きのある季節。部屋の片付けがてら、家の中に眠っている「金」やブランド品、お酒などに目を向けてみると、思わぬお小遣いに変わる可能性も。価値の有無に関わらず、「これ、ワンチャンあるかも」と思ったら、まず買取大吉に相談してみては?