日本テレビ系大型特番『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』が、8月30日~31日に放送されることが25日、発表された。チャリTシャツは、『名探偵コナン』などを生み出した漫画家・青山剛昌氏がデザインした。
「優しい未来」を子どもたちに届けたい想いに共感
今回の『24時間テレビ』のテーマは「あなたのことを教えて」。なくならない「差別」「貧困」「格差」などの問題…その根底にあるのは「他人への無関心」であると捉え、まずは自分の周りの人が抱えている問題を「知ること」、そして自分自身の生きづらさを「知ってもらうこと」でこの世界はもっと優しくなれるはず…と考えたという。
「優しい未来」を子どもたちに届けたいという想いに共感してくれる人として白羽の矢が立ったのが、約30年にわたり『名探偵コナン』を描き続け、多くの子どもたちに影響を与えてきた青山氏。番組のコンセプトに共感し、デザインを快諾した。
青山氏が描いたのは、『名探偵コナン』のメインキャラクター“少年探偵団”の5人。「おばけ屋敷の噂聞いたよ!」「行ってみましょう!」など話しながら歩く様子が描かれている。
“少年探偵団”コナンだけセリフがない理由
チャリTシャツのデザインに込めた想いについて取材を受けた青山氏。仕事場でのインタビューだったが「散らかっているけど、そこに座って…!」と照れくさそうにしつつ、その想いを語った。
今回引き受けた理由については、「24時間テレビは、子どもの頃から見ていた番組。手塚治虫先生のキャラクターが登場するオリジナルアニメを放送していたことが記憶に残っています」と語り、長年の24時間テレビとの関係性を話した。
「今年のデザインに込めた思いとは?」という質問に対しては、「子どもたちはもちろんですが、大人たちへも含めて伝えたかったのはみんなで話すことで、楽しく世の中を歩んで行けるということです。自分だけで閉じこもっちゃうより、友達と話しながら歩んで行った方が人生楽しい」というメッセージを込めて今回デザインを描いたという。
一方で、描かれた少年探偵団の5人の中でコナンだけセリフがないことについては、「『名探偵コナン』を描く上で、“子ども向け”にしようという意識はない。子どもって、子どもダマしなことをやってもすぐに気づいてしまう。だからあえてコナンにセリフを与えずに、その先のストーリーを想像してほしいと思った」と、子どもの想像力をよく知る青山氏ならではの思いが込められている。
この青山氏への水卜麻美アナによるインタビューの模様は、きょう25日の同局系情報番組『DayDay.』(毎週月~金曜9:00~)に放送される。
Tシャツのカラーは、イエロー、ブルー、ホワイト、ピンク、パープルの5種類。7月1日から取り扱い開始予定だ。
昨年に続き総合司会を務める上田晋也、羽鳥慎一、水卜アナのコメントは、以下の通り。
上田:コナン君といえば「真実はいつもひとつ!」、24時間テレビは「愛は地球を救う」、なんだか、繋がるものがあるなと個人的には思いました。
羽鳥:みんなで前を向いて進んでいこう!っていうイメージが伝わってきますね。
水卜:探偵団のみんなが本当にかわいいですよね。先日、青山先生のところへ今回のデザインについてのお話を聞きに行きましたが、「あなたのことを教えて」という今年の番組テーマを踏まえつつ、こうやってみんなで仲良く話し合っていけば、いろいろ困難なことがある道もみんなで渡っていけるよ、前に進んでいけるよ、というメッセージも込めたと教えていただきました。意味を知るとますますかわいいデザインですよね。それに青山先生、第1回の24時間テレビの放送をご覧になった思い出があるそうで、いつかの年には手塚治虫さんのアニメが放送されていたよね、なんてお話もしてくださって、うれしくなりました。
【編集部MEMO】
『24時間テレビ』史上初めて、女性の総合演出となる前川瞳美氏は、レギュラーで『上田と女が吠える夜』を担当。昨年5月、マイナビニュースのインタビューで、『24時間テレビ』総合演出への意欲を聞かれ、「番組の持っているものが重すぎるので、生半可な思いではできないという気持ちがずっとあるんです。自分があの番組をやるのにふさわしい人間なのだろうか、やるところまでいけているのだろうか…という葛藤ですね。もちろん、これまでも入社以来何かしらコーナーは担当しているんですけど、もし“やれ”と言われたらやってみたいと思います」と答えていた。
(C)青山剛昌/小学館 (C)日テレ