BookLiveは4月21日、「読者が選ぶ、本当に面白いマンガ100選【2025年版】」を発表した。調査は3月28日~30日、総合電子書籍ストア「ブックライブ」会員840名を対象に、WEBアンケート方式にて行われた。

本アンケートでは、「2025年の今読んでほしい!」「本当に面白い!」「オススメしたい!」作品をテーマに、ブックライブユーザーにアンケートを実施し、投票された上位100作品を「令嬢・聖女・悪役令嬢マンガ」「バトル・アクションマンガ」「ファンタジーマンガ」「異世界・転生マンガ」など、10個のテーマに分けてジャンルごとにランキング化。本稿では、「令嬢・聖女・悪役令嬢マンガ」「学園・青春マンガ」「ヒューマンドラママンガ」をピックアップして紹介する。

  • 『おひとり様には慣れましたので。婚約者放置中!』(C)晴田巡・荒瀬ヤヒロ/一迅社

    『おひとり様には慣れましたので。婚約者放置中!』(C)晴田巡・荒瀬ヤヒロ/一迅社

「令嬢・聖女・悪役令嬢マンガ」TOP3は、1位『おひとり様には慣れましたので。婚約者放置中!』、2位『愛さないといわれましても ~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをさ』、3位『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたし』となった。

『おひとり様には慣れましたので。婚約者放置中!』は、荒瀬ヤヒロの小説を原作に、晴田巡の繊細なタッチでコミカライズされた人気コミック。伯爵令嬢である主人公のニコルは、婚約者のケイオスが幼なじみであるキャロライン王女のことばかり気にかけ、学園のイベントごとでも置き去りにされてしまうのが当たり前になっていく中、「ケイオスが好きにしているのなら、私だって好きにしていいじゃない!」とついに“おひとり様”ライフに目覚めてしまうのだが……。実はお互いを想いながらも素直になれないニコルとケイオスのすれ違う想いは、やがてどこへ向かうのか…?!

新鮮なストーリー展開や主人公のキャラクター性を評価する声がユーザーから多く寄せられ、「はじめは婚約者の対応が冷たくて、読みながら悲しくなってしまいましたが、今はおひとりさまを謳歌していて面白い」「珍しいお話。異世界転生系でも悪役令嬢でもない。主人公の考え方がさっぱりしていて、ところどころ笑えるシーンもあって良い」といった声が。また、「恋人や夫に放置されて辛い方、これを読むとあ、1人でやると楽じゃんってなります(笑)マイペースに行動できることって幸せだなっと感じさせてくれる作品です」といった、ニコルの生き方に共感し、前向きな気持ちになれたという感想も見受けられた。

令嬢ものの新機軸として注目を集めている本作は、「全国書店員が選んだおすすめコミック2025」1位に。「マンガ大賞2025」にもノミネートされるなど、今もっとも注目を集めている令嬢マンガのひとつといえる。

  • 『その着せ替え人形は恋をする』(C)Shinichi Fukuda/SQUARE ENIX

    『その着せ替え人形は恋をする』(C)Shinichi Fukuda/SQUARE ENIX

「学園・青春マンガ」のTOP3は、1位『その着せ替え人形は恋をする』、2位『スキップとローファー』、3位『ハニーレモンソーダ』。

『その着せ替え人形は恋をする』は、クラスの中心でいつも明るく笑うギャル系美少女・喜多川海夢と、そんな彼女のことを「自分とはまったく別の世界にいる人」だと思っていたという、雛人形の頭師(かしらし)を目指す同級生の五条新菜が、まさかのコスプレをきっかけに急接近し、心の距離を縮めていくという胸キュンストーリー。

ユーザーからのコメントでは、「恋愛展開も胸キュンでいいが、何よりも職人気質な主人公が衣装作りを通して技術を上げていく姿がアツい」「尊さが爆発してるラブコメ!五条くんと海夢ちゃんの距離感が最高すぎる!」など、丁寧なキャラ描写や2人の関係性の尊さ、主人公の成長ドラマに心をつかまれたという声が多数寄せられた。

ヤングガンガンでの連載から7年。ついに2025年3月に完結を迎えた本作は、同年7月から待望のアニメSeason2の放送も決定しており、引き続き高い注目を集めている。

  • 『チ。―地球の運動について―』(C)魚豊 / 小学館

    『チ。―地球の運動について―』(C)魚豊 / 小学館

「ヒューマンドラママンガ」のTOP3は、1位『チ。―地球の運動について―』、2位『瓜を破る』、3位『MFゴースト』となった。

『チ。―地球の運動について―』は、地動説を題材に人間の信念と葛藤を描き出した、異色の歴史群像コミック。異端思想が容赦なく火刑に処されていた15世紀ヨーロッパにて、神童と呼ばれていた少年・ラファウは、飛び級での大学入学を目前に控え、周囲から当時もっとも重視されていた「神学」を専攻することを期待されていたのだが……、ある日彼の前に異端とされた「ある真理」を求める正体不明の男が現れ、ラファウの運命は大きく狂っていくことに――。

ユーザーからは、「名前は残っていないものの、地動説の発展に死力を尽くした多くの研究者たちにフォーカスした点が新しい。また、彼らによる研究成果のリレーの仕方が熟慮されていて楽しめた」といった構成の巧みさや題材の切り口の斬新さを評価する声が多く寄せられたほか、「最初は、地動説を主張する人々の苦労の歴史かと思って読み始めたが、地動説はモチーフであり、真理を追求することについて、正しいと思いこむことの危うさなども描かれていて、目からウロコの本だった」といったように、深いテーマ性や読後の気づきに心を打たれたという感想も多く見受けられた。

禁忌とされる“真理”を追い求める人々の姿を重厚に描き、知への渇望や信念の強さが胸を打つと大きな反響を呼んだ本作。2024年にはアニメ化を果たし、2025年10月には待望の舞台化も決定。新たな表現の場でどのように描かれるのか、ファンの期待が高まっている。


なお、この他7テーマそれぞれの1位は以下のとおり。

  • 【バトル・アクション】 SPY×FAMILY
  • 【ファンタジーマンガ】 夏目友人帳
  • 【異世界・転生マンガ】 悪役令嬢転生おじさん
  • 【恋愛・ラブコメマンガ】 山田くんとLv999の恋をする
  • 【スポーツマンガ】 ハイキュー!!
  • 【ミステリー・サスペンスマンガ】 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
  • 【ギャグ・コメディマンガ】 銀魂