大手焼鳥屋チェーン「鳥貴族」の創業40周年を記念し、人気アイドルグループ「SUPER EIGHT」の大倉忠義さんとの親子コラボ企画が発表された。

4月21日に都内で行われた発表会には、鳥貴族の創業者で、鳥貴族を展開するエターナルホスピタリティグループ代表取締役社長の大倉忠司氏と、その長男である大倉忠義さんが登壇。“親子初共演”の場に注目が集まった。

■偶然のSNS投稿から始まった親子コラボが実現

今回のコラボ企画では、大倉忠義さんが監修するメニューが販売されるほか、親子で鳥貴族の思い出を語る対談ムービーも作成。また、創業の地である鳥貴族一号店「俊徳店」を期間限定で復活オープンさせるなど、数々の仕掛けが用意されている。

会見の冒頭、「息子とこうしたかたちでコラボするのは初めて。息子であり、タレントでもあるので少し複雑な気持ちでもあります(笑)」と挨拶した大倉社長。その長男であり、コラボ相手を務める忠義さんは、「今年、自分自身も40歳という節目の年を迎えます。そんな年に、鳥貴族の40周年に関わることができて非常に嬉しく思っています」と喜びを語る。

そもそも今回のコラボは、Xにおけるひょんなやり取りが発端となった。

2024年5月1日、鳥貴族の公式X(旧Twitter)アカウントが39周年の投稿をした際、忠義さんが「一号店に思い入れが深いのですが、復活していただけませんか?」とコメントを寄せた。これに対し、大倉社長が「考えてもいいかな」と返答。何気ないこの親子のやり取りは200万回以上閲覧され、大きな話題となった。

もちろん、事前に打ち合わせなどはなかったという。

大倉社長いわく、「全く相談もなく、私自身もちょっとびっくりしました。
これまでも一切(SNSに)コメントなどはなかったので、このときはまだ冗談かなと思っていました」

一方、忠義さんは「なぜかXのおすすめに鳥貴族の投稿が出てきて、初めて鳥貴族がSNSを使っていることを知りました。AIってすごいなって(笑)。そこから、『あ、そういえば自分も同い年か』と思って、コメントさせてもらいました」と明かす。

この何気ないやりとりが、今回の親子コラボ実現への第一歩となった。その後、忠義さんから「ポップアップでもいいから(一号店の)お店を出してよ」との提案があり、社内で検討を進めたという。結果、マーケティング部を中心に「そんな企画ができたら絶対に話題になりますよ」と後押しの声が上がり、本格的に企画が動き出した。

コラボ企画の内容は多岐にわたる。まずは、親子によるスペシャル対談動画の配信だ。5月1日より鳥貴族公式アプリにて公開予定で、「これまで編」と「これから編」の2本立てとなっている。6月からは店舗限定でメイキング映像も公開されるほか、TikTokでは親子ショートムービーの配信も予定されている。

対談の様子について、大倉社長は「カメラのことも忘れて、焼き鳥屋で普通に飲んでいる感覚で話せた」と語る。忠義さんも「僕はオフショットにカメラが入ることに違和感もないので、普段どおりに父と昔話をしていました。(素の自分なので)見え方が少し心配です」と笑う。

普段から食事を共にする機会は多く、経営の相談をすることもあるという2人。その親子のリアルな距離感が、動画にはそのまま映し出されているようだ。

もうひとつのコラボ企画は、大倉忠義さんが監修した数量限定メニューの発売。5月1日より、全国の鳥貴族店舗で「串ナゲットグリーン」と「ニラ玉グリーン」の2種が提供される。

  • ささみのチキンナゲットを8本も乗せた「串ナゲットグリーン」。大倉社長によると、「売れば売るほど損するのかなと思って、やめてほしかったんですけど、(忠義さんに)押し切られました」とのこと

「串ナゲットグリーン」は、ささみのチキンナゲット8本に、のり塩トッピングを施した一品。「ニラ玉グリーン」は、むね串のタレ焼きにニラと半熟卵をたっぷり乗せたスタミナ系メニューだ。どちらも忠義さんの“お酒好き”という一面から、お酒が進む味わいを意識して開発された。

  • 「ニラ玉グリーン」。大倉社長いわく、「私自身がニラ玉が大好きなものですから、そこは考えてくれたのかなと」

「僕は居酒屋の息子らしくお酒が大好き。本当にお酒が進むものを作りたい、自分のSUPER EIGHTでのメンバーカラーがグリーンなので、それも入れていただけないかなということで、こういうかたちになりました」と語る忠義さん。この2品は各100万食、合計200万食限定で提供されるという。

また、40周年を記念したノベルティグッズのプレゼントキャンペーンも展開するほか、鳥貴族創業の地である一号店「俊徳店」を、東大阪市に期間限定で復活オープンするという。こちらは後日、詳報があるようだ。

会見の最後で忠義さんは、「親父が会社を大きくして、自分を選んでくれたことをすごく誇りに思いますし、40周年で一緒に何かできることにすごく感慨深さを感じます。自分もこの40周年を盛り上げたいので、ぜひ皆さんも店舗に足を運んでいただければと思います」と訴えた。

大倉社長は、「まさか息子とこういうコラボをするなど想像もしていなかったので、親としても嬉しいですし、この機会に息子のファン、そして鳥貴族のファンに喜んでいただければ嬉しい。一号店も復活させますし、ぜひ再現された創業のお店にきていただければと思います」と締めくくった。