認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンはこのほど、「ひとり親家庭の収入・暮らしの状況に関するアンケート」の結果を発表した。調査は2025年2月4日~2月20日の期間中、低所得のひとり親家庭への食品支援事業「グッドごはん」の利用家庭を対象にオンラインにて実施。2,345名から有効回答を得た。

収入や暮らしの状況についての質問をしたところ、物価上昇の中で賃金が上がらず、健康や子どもの教育に影響が出るほど経済的に困窮しているひとり親家庭の実態が垣間見えた。

  • 就労のみによる2024年の年収(手取り)

    就労のみによる2024年の年収(手取り)

回答者の半数(50.9%)が非正規雇用での就労(2024年末時点)であり、就労のみによる手取り年収は65.9%が200万円未満、さらに4人に1人は100万円未満だった。

そのような中、職場での賃上げ状況についての設問では、賃上げにより昇給があったのは回答者の2割にとどまっている。

  • 2024年の職場での「賃上げ」の状況

    2024年の職場における賃上げの状況

収入や暮らし全般の不安・心配事に関しては「賃金が上がらないのに物価が上がる一方で、子どもの学費もあるし、この先不安しかない」「時給は上がりましたがたった10円です。月に1,000円プラスになったかなというくらいでほぼ変わらないです。物価高に対応していくのは難しく、娘にご飯を食べさせるために私が食事を我慢するしかないです」などの切実な意見が寄せられた。

生活状況に関する設問では、長引く物価上昇により「非常に苦しい」または「やや苦しい」との回答が95.8%にのぼった。「非常に苦しい」「やや苦しい」とした人に対し物価上昇の影響により普段の生活でよくとっている行動を聞いたところ、6割が「自分の食事の量や回数を減らす」を選択。ほかにも「野菜を買わない」「家で冷暖房器具を使わない」を半数近くが挙げる結果となった(複数回答)。

  • 物価上昇の影響により普段の生活でよくとっている行動

    物価上昇の影響により 普段の生活でよくとっている行動(複数回答)

物価上昇の影響は、子どもの学習や体験活動の面にも及んでおり、暮らしぶりが「非常に苦しい」「やや苦しい」回答者に子どもの学習面や体験活動についてあきらめた経験のある事柄を問うと、6割近くが「子どもの誕生日や季節のイベントに際して特別な食事や品物を用意すること」「習い事を始めさせること」をあきらめたこととして選択した(複数回答)。

  • 子どもの学習面や体験活動についてあきらめた経験のある事柄

    物価上昇が家計に影響していることが理由で子どもの学習面や体験活動についてあきらめた経験のある事柄(複数回答)

子どもの学習面や体験活動についてあきらめた経験を持つ親は「物価高で生活がどこまで続けられるか不安。進学も諦めることになりそうで申し訳ない」「子どもの経験・体験が少ない分、周りのお友達に話がついていけていないところがある。物価高で生活はさらなる節約を超えて、ただただ我慢する日々で、ふっとしたときにみじめになる」などとコメントしている。