5%超の賃上げ相次ぐ中、 人手不足関連倒産が過去最多

デスク「東京商工リサーチの調査では、2024年4月~25年2月の人手不足に起因する倒産が、過去最多の283件(前年同期比88.6%増)に達したそうだね」

記者「ええ。倒産の中心は、中小・零細企業で、人件費高騰による中小企業の倒産は106件(同103.8%増)に倍増。物価高が加速する中、人手不足と人件費上昇が中小企業の経営を圧迫しています」

デスク「大企業では賃上げを表明する企業が相次ぐけど、中小企業の経営は厳しいね」

記者「労働団体の連合は、今回の春闘で定期昇給分とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率の平均が5.46%だったとの初回集計結果を発表。2年連続で5%超の高い賃上げ率になりましたが、24年の実質賃金は前年比0.2%減と、3年連続でマイナス。物価上昇を上回る賃上げは容易ではありません。今後、中小企業が賃上げできるかどうかは自らの生産性向上と価格転嫁がカギで、価格転嫁と賃上げの好循環をいかに実現していくか。真のデフレ脱却へ向け、今は正念場です」

【2025年をどう占いますか?】答える人 日本商工会議所会頭・小林健