ルカク(中央)らのゴールでナポリが勝利 [写真]=Getty Images

 セリエA第30節が30日に行われ、ナポリとミランが対戦した。

 今シーズンよりチームを率いるアントニオ・コンテ監督の下、2シーズンぶりにスクデット争いに身を置くナポリ。前節終了時点での成績は18勝7分4敗の勝ち点「61」で、順位は2位につける。首位を走るインテルを勝ち点差「3」で追いかける2位につけているが、既に今節を消化したインテルは、ウディネーゼを破ってさらに3ポイントを加えた。2年ぶりのセリエA制覇へ、残り9試合でこれ以上の足踏みは許されない。

 一方のミランは、今季からパウロ・フォンセカ(現:リヨン)新体制でシーズンをスタートさせたものの、安定してポイントを積み重ねられなかったことが影響し、12月には指揮官交代を決断。セルジオ・コンセイソン新監督を迎え入れ、1月にはスーペルコッパ・イタリアーナでタイトルを掴んだが、依然としてセリエAでは苦しい戦いが続く。前節終了時点での成績は13勝8分8敗の勝ち点「47」で、現在の順位は9位。4位につけるボローニャとは勝ち点が「6」離れているが、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権をめざすならば、残る9試合は全試合白星が欲しい。

 それぞれの目指す場所に向けて、絶対に勝利が必須なゲームは、立ち上がりの2分に均衡が破れる。自陣右サイド高い位置でボールを受けたジョヴァンニ・ディ・ロレンツォが背後のスペースへ浮き球のボールを入れると、抜け出したマッテオ・ポリターノがストラヒニャ・パヴロヴィッチの前に入り込んで左足一閃。電光石火の攻撃でゴールネットを揺らし、ナポリが先手を取った。

 幸先良く先制したナポリは、その後もチャンスの数を増やし、攻撃的に試合を進める。19分には敵陣まで飛び出して相手のパスをカットしたアレッサンドロ・ボンジョルノが正確に繋ぐと、ビリー・ギルモアがボックス手前まで持ち運び、絶妙なタイミングでペナルティエリア内へパスを差し込む。最後は前を向いたロメル・ルカクが得意の左足で仕上げ、ナポリが良い流れのままリードを2点に広げた。

 このままナポリが怒涛の攻撃を続けたものの、前半のうちにこれ以上のゴールは生まれず、2点をリードして45分間が終了。追いかけるミランは後半に入って、ハーグタイム明けにラファエル・レオンを、55分にはサムエル・チュクウェゼとサンティアゴ・ヒメネスを送り出す。

 ミランは攻撃的な布陣にシフトしながら、なかなか反撃の1点を奪えなかったが、69分には絶好のチャンスが到来。敵陣左サイドでクリアボールを拾ったテオ・エルナンデスが、R・レオンとのワンツーからボックス左へ入り込むと、フィリップ・ビリングに倒され、PKを獲得する。しかし、ヒメネスのゴール右下を狙ったキックはGKアレックス・メレトが完全にコースを読み切ってキャッチ。決定機を活かすことができない。

 このままのスコアで時計の針が進み、試合は終盤に突入。攻勢を強めるミランは84分、またもテオがR・レオンとのワンツーで左サイドを突破。ボックス左の位置からグラウンダーの素早いボールを折り返すと、途中出場していたルカ・ヨヴィッチがダイレクトで押し込み、遂にミランが1点差に詰め寄る。

 終盤にはミランが怒涛の攻撃を見せるも、次の1点はなかなか奪えない。試合はこのままタイムアップを迎え、2-1でホームゲームを勝利したナポリが、セリエAでは2試合ぶりに勝ち点「3」を手にした。一方、連勝中だったミランにとっては3試合ぶりの黒星。4位ボローニャとのポイント差は「9」に広がり、来季のCL出場権獲得に向けて痛い結果となった。

 この後、ナポリは4月7日、次節のセリエAでボローニャの本拠地に乗り込む。一方で、ミランは2日、コッパ・イタリア準決勝ファーストレグでインテルとのホームゲームに臨む。

【スコア】
ナポリ 2-1 ミラン

【得点者】
1-0 2分 マッテオ・ポリターノ(ナポリ)
2-0 19分 ロメル・ルカク(ナポリ)
2-1 84分 ルカ・ヨヴィッチ(ミラン)