大幅な役員人事を発表したフジ・メディア・ホールディングスと子会社のフジテレビ。この中で注目の一人は、両社の独立社外取締役に新たに就任するエミウム代表取締役の稲田雅彦氏だ。

  • 稲田雅彦氏=2016年撮影

    稲田雅彦氏=2016年撮影

1982年生まれの42歳で両社の最年少役員となる稲田氏は、東京大学大学院修了後、09年に博報堂へ入社。13年に製造業向けのオンデマンドサービスなどを手がける「カブク」を設立し、19年に投資会社「DNX Ventures」のInvestment Vice President、そして2020年に歯科向けクラウドソリューション事業などを手がける「エミウム」(東京医科歯科大学発ベンチャーとして認定)を設立した。

フジは今回の経営体制の見直しにあたり、「新たな事業領域の開拓や業務プロセスの改革を促進するため、未来のメディアのあり方への知見やインターネット・配信関連ビジネス、投資事業、AI・データサイエンス、グローバルビジネスや国際的な会計実務、人的資本経営・HR等の経験・知見を持つ人材を新たに起用する」と説明。これを象徴するのが、稲田氏の起用と言える。

フジHDの金光修社長は「メディアコンテンツの将来に向けての知見を備えているということで、若いですけれども非常に期待しております」と語った。

ほかにも、独立社外取締役・監査等委員として、マサチューセッツ工科大学メディアラボVisiting Scholar、iU情報経営イノベーション専門職大学iU B Lab所長・特任教授などを歴任した慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の石戸奈々子氏(45)も新任役員となる。