日本遊技機工業組合(日工組)は、日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)と共にKIBUN PACH-PACHI委員会として、2025年3月22日(土)~23日(日)の二日間開催された世界最大級のアニメの総合イベント「Anime Japan2025」に「PLAY LAND KIBUN PACHI-PACHI」と題したブースを出展した。

  • 仮想パチンコホールをイメージした大規模ブース

「アニメをフックにパチンコ・パチスロの擬似パチンコホール体験」をコンセプトにしたブースでは、アニメファンだけにとどまらず外国人来場客をターゲットにしたインバウンド専用コーナーも設けられ、多くの来場者を迎えた。

「Anime Japan2025」にフィットした展示&体験コーナー「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」ではパチンコ・パチスロの試打&展示、インバウンド専用コーナー、スマートボール体験、ガラポン大抽選会、LINE登録キャンペーンが催された。

ブースの特徴としては試打スペースや景品カウンターをオープンに見せつつ、外壁にはイラストパネルに組み込まれたアニメコンテンツを題材にするパチンコ・パチスロ機25台が展示された。

  • 来場者の多くが足を止めてパチンコ・パチスロの展示機を興味深く眺めていた

  • 写真撮影やSNS投稿も許可されており、スマホを構える来場者も多い

パチンコ・パチスロの試打コーナーでは1タイトル2台の計48台が用意され、試打希望者は好きなアニメコンテンツの台を選んで楽しんでいた。

  • 試打希望者はラインナップから好きな台を選ぶことができる

  • 約15分間の試打を楽しむ来場者たち

  • 試打時にはアテンドが付き添い初心者をフォロー

また、疑似的にホールの雰囲気を味わえる景品カウンターや18歳未満の方も楽しめるスマートボールコーナーも用意されており、アニメをフックにした初心者や休眠層などに向けた施策がほどこされている。

  • 試打体験後は景品カウンターのガラポン抽選で景品を獲得できる

  • 家族連れやお子様も楽しめるスマートボール体験コーナー

インバウンド専用コーナーは終日で行列が途絶えない人気コーナーに

今回の「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」では、「Anime Japan2025」に来場する外国人観光客をターゲットにしたインバウンド専用コーナーを開設した。

  • 英中韓の言語に対応するコーナーで多彩な国籍の方々が試打を待つ

  • 各言語に対応できるスタッフが丁寧にパチンコ・パチスロの遊び方を説明

インバウンド専用コーナーは「Anime Japan2025」の開会から閉会の2日間でほぼフル稼働となっており、昨今のインバウンド傾向やパチンコ・パチスロというエンターテイメントのグローバル性を強く感じさせるものだった。

  • インバウンド専用コーナーでは体験者に外国人観光客を意識した景品を贈呈

担当者に聞く「Anime Japan2025」出展の意義

このたび日工組 広報委員会ワーキングチームから「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」の出展を担当した村上研斗氏、およびインバウンド専用コーナーを担当した木村周平氏に「Anime Japan2025」出展に関して話を聞くことができた。

――今回「Anime Japan2025」に出展された理由をお聞かせください。

村上:パチンコ・パチスロ業界ではアニメコンテンツと数多くタイアップしており、コンセプトにもある「アニメをフックにパチンコ・パチスロを体験していただきたい」ということで、こういったアニメコンテンツが一堂に会しているイベントは適した環境だと考えました。その考えから昨年は「ニコニコ超会議」に出展しましたが、よりアニメファンの方が集まるイベントへの参加に特化したいということで「Anime Japan2025」への出展にシフトさせていただきました。

――どのような客層をターゲットにされていますか?

村上:やはりアニメファンということになります。その年齢層もパチンコ・パチスロファンの既存層に少ない若年層が多いので、そういった方々を取り込むべくアニメをフックに「パチンコを打ったことは無いけど、体験してみて楽しかった」と新規ユーザーの方に感じて欲しく出展しています。

  • パチンコ・パチスロの演出を興味深く見つめる体験客

――「アニメをフックにパチンコ・パチスロの擬似パチンコホール体験」というコンセプトについてお聞かせください。

村上:パチンコ・パチスロを体験していただいて、出玉を景品カウンター交換するというシンプルな疑似的体験です。遊技の結果に基づいた景品の提供はできませんので、一律で抽選券をお渡ししてガラポン抽選で景品が当たるという仕組みにしています。

  • ガラポン抽選ではA賞~E賞までの景品が当選する

少しこだわった点としては、景品のD~E賞はお菓子なのですが、A~C賞に当選した方にもお菓子を選んでお持ち帰りいただくようにしています。これは余り玉の分をポイントにしてお菓子などを選べるようになっている実際のホールでもよく見られる仕組みを模したものです。

  • パチンコ・パチスロ試打やスマートボール体験でお菓子も獲得できる

――試打や展示のラインナップはどのように選ばれたのでしょうか?

村上:アニメ・マンガ・ゲーム・特撮といったジャンルを中心に出してほしい、と各メーカーにお願いしました。ちなみに新しい台かどうかにはフォーカスしていませんが、多くは直近でリリース予定の機種やリリースしたばかりの機種となっています。

――出展にあたっての効果測定はどのようにされていますか?

村上:試打コーナーでの台数や時間から数値を算出したり、各セクションでも目標数値を設けたりしています。ほかにアンケートも実施しており、体験者には「パチンコ・パチスロ経験の有無」「スリープユーザーか」「年齢・性別」などをお聞きしています。その中でノンユーザーや若年層の割合が高ければ、KIBUN PACH-PACHI委員会の取組みとして評価できると考えています。

現時点の初日午後の段階でも手応えはあり、女性や若年層の多さを感じています。また日工組としてもインバウンド施策に取り組んでおり、「Anime Japan」には外国人観光客の方も多く来場されるので取りこぼさないようにインバウンドブースを設けましたが、すでにかなりの盛り上がりが感じられます。

  • リリース前の新仕様(ボーナストリガー)パチスロ機も展示されていた

――今後も「Anime Japan2025」のようなイベントに出展される予定はありますか?

村上:現時点の様子を見ても、来年も出展する可能性があるのではと思います。こういったアニメの大きな出展系イベントはほかになかなか見られないので、むしろ「Anime Japan」に出展しない理由の方が少ないでしょう。

また見たり買ったりすることが多いブースの中で、「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」のような体験ができるブースはレアで存在感があると思います。そして展示機や試打機の中に好きなアニメがあれば「打ったことないけど触れてみようかな」と体験へのハードルを下げられるのではと考えています。

  • 女性や若年層の体験者も多く見られた

  • 配布された小冊子には出展機種や「遊技機化されたアニメ・漫画・ゲーム一覧」を収録

――インバウンド専用コーナーを設けた理由をお聞かせください。

木村:昨年に秋葉原で開催された「みんなのパチンコフェス2024」で初めてインバウンドコーナーを設置したところ、エリアの特性上もあり多くの外国人の方にパチンコ・パチスロを体験していただけました。そういった経験もある中、「Anime Japan」の昨年の来場者約12万人のうち約1万人が外国人の方というデータもありましたので、インバウンドブースを設置すれば体験していただけると予測した上でになります。

元々パチンコ自体が日本の文化として海外に広まっており、パチンコを体験してみたいという外国人の方も一定数いらっしゃいます。来場された外国人の方がインバウンドブースの案内を見て興味を持たれている際に、スタッフがお声がけをすると「実は日本のパチンコを遊んでみたかったんだ」という感じで今も並ばれています。

  • "Game on! Pachinko"のサインに多くの外国人が興味を示す

――どのような体制で外国人観光客の方と対応されているのでしょうか?

木村:今回はアニメをあつかった3台の機種を設置して、お声がけや遊技説明などのスタッフを20名近く用意しました。対応としては基本的に英語をベースにして、中国語や韓国語を含めた3か国語に対して準備しています。9割近い外国人の方は英語でコミュニケーションできるというのは以前のデータから分かっており、それ以外の方で中国語や韓国語で対応しているといった感じです。

  • 遊技説明では実際のホールでもインバウンド対応しているバイリンガルスタッフが担当

――お客様はパチンコ・パチスロに対してどんなイメージをお持ちで楽しまれていますか?

木村:前提として「日本独自のもの」というとらえ方があり、ゲーム機とギャンブル機、両面のイメージを持たれていると思います。日常にこういった遊技を楽しめる場所があるというのは日本独自の文化と認識している方が多く、それを体験されている方が多いと推測しています。また、海外の方は素直に感情を表現される方が多いのでリアクションも大きく、こちらも嬉しくなります。

  • アンケートで体験した外国人の国籍や年齢などをリサーチ

――今回、インバウンド施策としてガイドやマニュアルなど接客面での対応が見られますが、パチンコ・パチスロ台という機械側での対応は検討されているのでしょうか?

木村:実際のホールでもインバウンド対応に取り組んでいる法人はまだまだ少ないので、まずこの動きを広げていかなければならないと考えています。機械側でも多言語対応などやっていければと思いますが、まずは環境整備の部分でKIBUN PACH-PACHI委員会として基本形となる多言語対応した遊技説明のガイドを作っていこうとしています。例えばQRコードを掲示して、そのガイドに簡単にアクセスできるような仕組みです。

その上で機械側も、インバウンド専用のパチンコ・パチスロというのは先になると思いますが、そういったQRコードをデモ画面に表示させるといった対応は動き始めています。

  • ブースでは英語によるガイドも配布されていた

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のパチンコ&パチスロも「Anime Japan2025」に出展

「Anime Japan2025」では、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』をコンテンツとした『P少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(豊丸産業株式会社)&『L少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The SLOT-』(株式会社オーイズミ)も出展されていた。

  • パチンコ・パチスロの両機種が並ぶ2社の共同出展

  • 試打ブースはコンテンツのファンを中心に大盛況

  • グッズ物販も大人気で売り切れが多数

2機種ともアニメをコンテンツとしたパチンコ・パチスロ台として、「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」と並んで多くの来場者にPRしていた。


今回の「PLAY LAND KIBUN PACHIーPACHI」取材では、昨今のパチンコ・パチスロではアニメをIPとして取り込んだ機種が多い中での「Anime Japan2025」に出展する意義や、イベントにフィットしたブース設計や企画といった創意工夫が感じられた。また、遊技をして景品がもらえるというパチンコ・パチスロの基本的な仕組みを体験してもらうことで、ノンユーザーやインバウンド層にもリーチする意欲的な出展と呼べるものだった。

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