名古屋鉄道は24日、検討を進めていた「名古屋駅地区再開発計画」の事業化が決定したと発表した。名鉄名古屋駅の再整備も進め、4線化による中部国際空港とのアクセス強化、他の交通モードや街とのつながりの強化、安全性のさらなる向上を図る。

  • 都心における施設イメージ(提供 : 名古屋鉄道)

リニア中央新幹線の開業と、これを契機に名古屋市などが進めるスーパーターミナル化を千載一遇の機会ととらえ、沿線・地域に国内外から人を呼び込むため、都市としての名古屋の魅力を高め、グループ成長の起爆剤ともなる名古屋駅地区再開発計画を名鉄名古屋駅の再整備とともに推進する。

名鉄名古屋駅は4線化をはじめとする再整備を行い、鉄道ネットワークの機能を強化。公共交通分担率の向上をめざすとともに、中部国際空港アクセスを担う唯一の鉄道事業者として、空港アクセス強化とリニア開業効果を広域的に波及させる地域交通拠点の形成などの社会的要請にも対応するとのこと。

中部国際空港とのアクセス強化を目的に、4線化に合わせて空港アクセスホームを設置し、空港アクセスのわかりやすさと利便性を向上。ゆとりをもった駅空間の整備、段差の解消、案内の充実、空港アクセス列車の停車時分の増大も図るとしている。

  • 用途構成イメージ(提供 : 名古屋鉄道)

  • 対象エリア(提供 : 名古屋鉄道)

他の交通モードや街とのつながりの強化として、名古屋市が整備する広場空間「ターミナルスクエア」を介し、リニアをはじめ各交通機関とのわかりやすくスムーズな乗換えの実現をめざす。複数の旅客動線のバリアフリー化による人にやさしい交通拠点の実現に加え、笹島交差点付近に新たな改札口を設置することで名駅南地区へのアクセス性が向上。4線化により行先方面別などにホームを分けることで、誰でもわかりやすい駅も実現する。

ホームドアの整備による安全性の向上、ホーム・コンコースの拡張等による大規模災害発生時の対応力向上といったさらなる安全性の向上も図るとしている。

  • 2期リニューアル後(4線化)イメージ(提供 : 名古屋鉄道)

  • 空港アクセスホームのイメージ(提供 : 名古屋鉄道)

全体スケジュールとして、2025年度末(2026年2~3月)に名鉄百貨店本店、名鉄グランドホテル、名鉄バスセンターの営業を終了する予定(名鉄バスセンターの代替機能は名古屋駅周辺で確保予定)。2026年度に解体着工、2027年度に新築着工し、2033年度に1期本工事竣工(オフィス・商業の一部・ホテル開業・バスターミナル開業・鉄道1期リニューアル)。2040年代前半に2期本工事竣工(商業全面開業・鉄道2期リニューアル)を予定し、あわせて4線化も実現する。